全世界が“チャーリーのいないストーンズ”を知った「2021年9月26日セントルイス公演」。その一部始終を目撃できる超極上のマルチカメラ映像がリリース決定です。このショウは、新型コロナ・パンデミックを乗り越えて再開された“NO FILTER Tour 2021”のキックオフ。一週間前のフォックスボロでもリハ的なプライベート・ショウもあったものの、この日こそが通常のツアー初日でした。その模様は速報リリース盤『ST. LOUIS 2021』が大好評を賜っており、今週はさらに決定盤マスターの永久保存も決定。皆さまに広く親しまれております。本作は、その映像編。海外のコア・マニアが制作した超・極上のマルチカメラ作品なのです。【進化した2021年基準のマルチカメラ映像】そのクオリティは圧倒的。極上のフル・オーディエンス録音を軸としながらさまざまなオーディエンス・ショットを駆使して編まれている。こういうマルチカメラ編集作でポイントになるのは2点「アングルの多彩さ」と「編集者の技術/センス」です、まず「アングルの多彩さ」ですが、これが本当に凄い。現在はスマホで誰でも撮影できるようになって久しく、1曲単位の細切れ映像でもYoutube等で気楽に公開できる。特にこのショウは、チャーリー不在のストーンズを確かめたい心理が膨大な動画を生み出しているのです。そして、ピラミッドは裾野が広いほど頂点も高くなる。膨大なカットから選ばれたアングルはどれも超高画質で、花道脇の接写はプロショットにしか見えない超ドアップですし、遠景も会場のスケール感を一望させる超スペクタクル。間近でも遠くても感動的で、それが1曲の間に行き来するマルチカメラのダイナミズムが凄い。下手をすると、そんじょそこらのプロショットも超えかねないアングル数と絶景の連続なのです。そして、2番目の「編集者の技術/センス」も特級。マルチカメラ・オーディエンスを作り慣れているのか、それとも映像制作を本業にしているのか分かりませんが、映像のセレクト、演奏を熟知したタイミング、組合せのダイナミズム、映像処理の細やかさ、曲名テロップなどの演出……すべてにおいて入魂の作業量が容易に想像できますし、滲み出すセンスも脱帽もの。1カット1カットは間違いなくオーディエンスでありながら、見応えは完璧にプロショット級。実際、本作はチャーリーのトリビュート・シーンから始まるわけですが、ここは正真正銘オフィシャル制作のプロショット。そこからオーディエンスに切り替わっていっても、ガッカリ感がゼロなのです。【フルで目撃できる2021年型の“NO FILTER”】そんな2021年新基準のマルチカメラで描かれるのは、2021年版“NO FILTER Tour”。チャーリー不在のアンサンブル等はライヴアルバムの解説でも繰り返し触れてきましたので、ここでは少々趣向を変え、最新ツアーのセット分析をしてみましょう。2019年から引き継ぎの固定曲・Tumbling Dice/You Can't Always Get What You Want/Start Me Up/Honky Tonk Women/Miss You/Midnight Rambler/Paint It Black/Sympathy For The Devil/Jumping Jack Flash/Gimme Shelter/(I Can't Get No) Satisfaction 日替わり曲・NO FILTER初登場:19th Nervous Breakdown/Living In A Ghost Town・その他:Street Fighting Man/It's Only Rock 'n' Roll (but I Like It)(*)/Under My Thumb(*)/Wild Horses(*)/Happy(*)/Slipping Away ※注;「*」印は、その後(シャーロット公演/ピッツバーグ公演)でやっていない曲。……と、このようになっています。“NO FILTER”は2017年から続いてきたわけですが、これこそが2021年型。本稿執筆段階ではシャーロット公演(9/30)ピッツバーグ公演(10/4)まで進んだところですが、一応上記では2019年の全公演で演奏されたナンバーを「固定曲」とし、それ以外を「日替わり曲」としています。スティーヴ・ジョーダンによって染め変えられた固定曲も必見ですが、やはり目を惹くのは「日替わり曲」。16年ぶりに復活した「19th Nervous Breakdown」や新レパートリー「Living In A Ghost Town」が新鮮ですし、その後の2公演では落ちている4曲「It's Only Rock 'n' Roll」「Under My Thumb」「Wild Horses」「Happy」も、後々「初日だからコソのレア演奏」になっていくのかも知れません。ビルディングの如くそそり立つ巨大スクリーンも、手を伸ばせば触れられそうな接写も、そしてミック/キース/ロンが並んでチャーリーについて語るシーンも、すべてが美しく、素晴らしい。ライヴアルバムも最高ですが、やはり「光景」の醍醐味は凄い。匠のマニアによる底知れない情熱と技術によって生み出された映像傑作。今、一番味わっていただきたい1枚です。The Dome At America's Center, St. Louis, Missouri, USA 26th September 2021 AMAZING SHOT!!! (131:29)
01. Intro 02. Street Fighting Man 03. It's Only Rock 'n' Roll 04. Words For Charlie 05. Tumbling Dice 06. Under My Thumb 07. 19th Nervous Breakdown 08. Wild Horses 09. You Can't Always Get What You Want 10. Living In A Ghost Town 11. Start Me Up 12. Honky Tonk Women
13. Band Introductions 14. Happy 15. Slipping Away 16. Miss You 17. Midnight Rambler 18. Paint It Black 19. Sympathy For The Devil 20. Jumping Jack Flash 21. Gimme Shelter 22. Satisfaction 23. Ending
Mick Jagger - vocals, harmonica, rhythm guitar Keith Richards - guitars, vocals Ronnie Wood - guitars Chuck Leavell - keyboards, backing vocals Bernard Fowler - backing vocals, percussion Matt Clifford - keyboards, French horn Darryl Jones - bass, backing vocals
Tim Ries - saxophone, keyboards Karl Denson - saxophone Sasha Allen - backing vocals Steve Jordan - drums COLOUR NTSC Approx.132min.