ロブ・ハルフォード脱退という最大の危機に見舞われていた90年代初めのJUDAS PRIEST。その大きな節目に制作された廃盤オフィシャル映像がDVD化です。そんな本作の正体とは、1993年にリリースされた映像作品『METAL WORKS 73-93』。同タイトルのベスト盤もありましたが、その映像版としてリリースされたヒストリー・ビデオです。80年代以降、家庭用ビデオデッキの普及と共にロックの映像作品も数多く発売されましたが、90年代に入る頃にはその種類も多用化。ライヴビデオやクリップ集だけでなく、ジャンル別コンピレーション、ビデオマガジン等の企画物も多く制作されるようになりました。しかも、時を同じくしてHR/HMバブルも崩壊。主要メンバーの交代や解散も相次ぎ、その節目に歴史を振り返るヒストリー映像も多くリリースされました。引退を発表したオジー・オズボーンの『ヒストリー・オブ・オズ』、ロニー・ジェイムズ・ディオと再結成を果たしたBLACK SABBATHの『ストーリー Vol.1/2』、ヴィヴィアン・キャンベルが加入したDEF LEPPARDの『ヴィジュアライズ』等々……。本作は、そのJUDAS PRIEST篇とも言える映像作品です。当時は「ロブ脱退」の衝撃に打ちひしがれ、「どうしてこうなった?」「今後はどうなる?」との疑念・不安が噴出。本人達の説明を求めてビデオを手にされたファンも数多くいました。そんなヒストリーの名作も、当時の映像作品の性で間もなく廃盤。その後はロブのメタル復帰→再結成などもあって公式DVD化は望むべくもなく、今では見ることさえ難しい状況になっています。そこで登場したのが本作。当時リリースされたオフィシャル品の中でも最高峰クオリティであったレーザーディスク版、それもドキュメンタリーに必須な対訳字幕を完備した日本盤から精緻に復刻、DVD化したものなのです。その映像美は間違いなく、史上最高峰。当店では数多くのLD復刻を手掛けてきましたが、本作はその最新弾。コア・コレクターが秘蔵していたミント・クオリティ盤を使用し、海外の専門メーカーに委託してのデジタル化。LDが封じ込めていた情報のすべてを余すことなくDVDに移し替えている。これまでリリースされてきたコレクションで、そのクオリティの高さを実感されている方も多いのではないでしょうか、そんな本作の内容は、ヒストリー映像の正道。ロブ、グレン。ティプトン、K.K.ダウニング、イアン・ヒルの4人を中心に栄光の歴史を振り返り、さまざまな著名人達もいかにプリーストが偉大なのかコメントを寄せている。そのメンツも豪華で、関係者のロジャー・グローヴァーやトム・アロム、地元の先輩オジー・オズボーン、KERRANG編集長のジェフ・バートン。影響を受けた後輩陣もセバスチャン・バックやケリー・キングをはじめ、リック・サヴェイジ、ヘンリー・ロリンズ、さらにはLIVING COLOURまで登場します。その構成は時系列。幼少期に聞いて育った鋳造所の騒音がメタル・ビートの原点というところから始まり、音楽を志したCREAM/ジミヘンの衝撃、デビュー時のメンバーが1人もいなかった「オリジナルJUDAS PRIEST」との出逢い、初めてギャラをもらったクラブを再訪、そして4人の出逢い……と、初期の現場を詳らかにしていくのです。そして、話がデビュー段階に到達すると演奏映像もふんだんに登場する。映像のない初期曲は後年のライヴで代用されていたりしますが、最大インパクトだったのは1975年に出演したBBC“The Old Grey Whistle Test”。「Rocka Rolla」「Dreamer Deceiver」といった激レアな生演奏だけでなく、長髪ロブに衝撃を受けた方も多いことでしょう。その後もCBS移籍やレザー&スタッドへのイメージ・チェンジ、メタル・サウンドの発明、第1回MONSTERS OF ROCKやUSフェスティバルといった歴史的イベントへの参加、ファンの自殺裁判などなど……歴史に名高い事件を語っていくのです。今では有名な話も多いものの、やはり当事者たちの肉声だと面白い。例えば、ロジャー・グローヴァー。「プリーストのいないロック界なんて想像できない。未だに現役なんだから」と語るのですが、現在ではロジャー自身が75才で現役。当時40代そこそこだった面々に向かって言う台詞の時代感が強烈です。また、各作品を本人達がどう思っているか話すのもヒストリー物の醍醐味。例えば、グレン。『POINT OF ENTRY』について「当時は完璧だと思っていた。振り返ってみると完璧じゃないかもしれないけど、ファンがバンドに期待していたアルバムじゃなかった」と本音を明かし、『PAINKILLER』に対しては「プリーストが正直にやりたいことをやるとこうなるという見本だ」と熱いのです。そうして70年代/80年代を足早に辿った時計の針は「1993年」で止まり、イアンの「バンドの将来はヴォーカルがどうするのかによるな」で本作は幕を閉じる。その後も知る今となっては、その表情・声色さえ感慨深いのです。バイオから想像するだけだった結成前からロブ脱退まで。JUDAS PRIESTが神として君臨し、新たな音楽「HEAVY METAL」を創出していった時代を総まとめにした映像作品です。使用されているライヴやクリップは不完全なものも多い(各映像の完全版DVDも下記にリストアップしておきます。コレクションの参考にしてください)のですが、数々のコメントに宿る輝きは現在も色あせていない。栄光の時代を濃縮して楽しめる1枚。【公式DVDで完全版が観られる曲】『ELECTRIC EYE』・ビデオ・クリップ:Living After Midnight/Breaking the Law/Heading Out to the Highway/Hot Rockin'/You've Got Another Thing Comin'/Love Bites/Turbo Lover/Johnny B. Goode/Painkiller/A Touch of Evil・BBC出演:Rocka Rolla/Dreamer Deceiver/United・1986年テキサス公演:Out in the Cold『LIVE VENGEANCE '82』・1982年メンフィス公演(1983年はミスクレジット):Victim of Changes/The Ripper/Sinner/Diamonds & Rust/The Green Manalishi (With the Two Prong Crown)/Heading Out to the Highway/Screaming for Vengeance/The Hellion/Electric Eye【当店DVDで完全版が観られる曲】『VISUAL METALOGY』・ビデオ・クリップ:Killing Machine/Take On The World『HEAR 'N AID』・クリップ&ドキュメンタリー:Stars『IRVINE 1991』・1991年アーバイン公演:You've Got Another Thing Comin'/Hell Bent For Leather『TUBE: MID-80'S NIGHTMARE』・テレビ出演:Freewheel Burning★ロブ脱退の節目だった1993年にリリースされた公式ヒストリー・ビデオをDVD化。当時のオフィシャル品でも頂点クオリティだった日本盤レーザーディスクから精緻にデジタル化された史上最高峰版で、ドキュメンタリーに必須な対訳字幕も完備しています。バイオから想像するだけだった結成前からロブ脱退まで、神として君臨した黄金時代を約90分にギュッと総まとめにした公式ドキュメンタリーの名作です。Taken from the original Japanese Laser Disc(ESLU 123)
1. Introduction 2. Victims Of Changes 1969-1976 3. Hell Bent For Leather 1976-1980 4. Metal Gods 1980 5. Heading Out To The Highway 1981-1984 6. Monsters Of Rock 1985-1990 7. Hell Bent For Leather (Live at Irvine Meadows 1991) 86min. Linear PCM Stereo 4:3 NTSC
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.86min.