大人気となっている2021年版“NO FILTER Tour”のマルチカメラ・シリーズ。その第五弾がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「2021年10月14日イングルウッド公演(初日)」。この映像は『LOS ANGELES 2021 1ST NIGHT: THE VIDEO』の一部としても通常リリースされるのですが、大人気シリーズだけに1人でも多くの方に楽しんでいただきたい。本稿に目を留められた方ならご存知と思いますが、まずはシリーズのご紹介から(ご存知の方は読み飛ばしてください)。2021年版“NO FILTER Tour”は録音の公開と並んでマニア制作のマルチカメラ編集オーディエンス・ショットが話題。誰もがスマホで撮影できる時代になって久しいわけですが、そんな時代が生んだ作品スタイルが「マルチカメラ・オーディエンス」。ショウが終わると(実は公演中でさえ)1曲単位のオーディエンス・ショットが溢れ返るようになり、それらをかき集めて公式映像やTV放送のように視点が切り替わる映像作品を組み上げていくのです。何年も前から定番化した手法ですが、技術の進歩と共にクオリティは年々上がっている。その最先端なのが、ストーンズの“NO FILTER Tour”。ほぼ全公演とも言える映像作品がどんどん制作されては公開されているのです。当店でもこうしたマルチカメラ作品が大人気となっており、本作はその第五弾です。そのクオリティは、これまでのシリーズ作品と同じく……いや、それ以上。マルチカメラですから「角度が○○」「距離が◇◇」と表現できないわけですが、今回はいつにも増して美しいアングルが多い。基本的にミックを中心に組まれているわけですが、その多彩さが絶品。目の前が花道な超接写、ミックが壁一面の群衆を背負ったような中距離ショット、ほとんど空撮感覚で巨大会場のスペクタクルをひと飲みにする遠距離、プロ撮影の映像をそっくりいただくスクリーン・ショット等々……その幅広さにも磨きがかかっています。そして、制作者も作品を重ねてきたことで経験値が上がったのか、手慣れ感まで滲むようになってきた。例えば、1カットの長さ。曲想に沿って様々な視点を贅沢に使用してはいるのですが、その数を競うような性急さが薄れ、良いカットを眺めにじっくり見せる余裕まで感じるのです。もちろん、映像の数は曲によって違う事も影響しているのでしょうが、長い映像と短い映像のメリハリが効いていて後から振り返って「実はカット数が多かったんだ」と気づくような曲も多いのです。さらに重要なのが、音声。ツアー序盤では通し録音がなくて1曲単位に音声が切り替わる作品もありましたが、本作は一貫音通し録音が絶品。しかも、これまで以上に音が良い! マルチカメラはポジションが頻繁に変わるため、あまり距離感のある音声だと映像とサウンドの間で違和感が生まれる事も珍しくない。しかし、本作は芯が極太で極めてオン。そもそも距離感がないのですから、どんな光景にもフィットしてくれるのです(ところどころ音声が遠く感じる箇所がありますが、これは別録音ではなくテーパーが別方向を向いたのが原因と思われます。ここだけ違和感になってしまうのが惜しい!)。そんなマルチカメラで描かれるのは、2021年版“NO FILTER Tour”でも(現時点で)もっともフレッシュと言われたイングルウッド初日のフルショウ。同会場の2公演目ショット『LOS ANGELES 2021 2ND NIGHT: THE VIDEO』もご紹介していますので、ここでは比較しながらセットを整理しておきましょう。2日目『LOS ANGELES 2021 2ND NIGHT: THE VIDEO』と被る曲・19th Nervous Breakdown/Tumbling Dice/You Can't Always Get What You Want/Living In A Ghost Town/Start Me Up/Honky Tonk Women/Miss You/Midnight Rambler/Paint It Black/Sympathy For The Devil/Jumping Jack Flash/Gimme Shelter/(I Can't Get No) Satisfaction・キース・コーナー:Connection 2日目とは異なる曲 ・その他:Let's Spend the Night Together/Rocks Off(★)/Get Off of My Cloud(★)/Ruby Tuesday(★)・キース・コーナー:Slipping Away ※注:上記はラスヴェガス公演(11/6)までのセット情報から構成。「★」印は2021年の初登場曲。……と、このようになっています。何よりも新鮮なのはオープニング。今年の定番である「Street Fighting Man」がなく、いきなり「Let's Spend The Night Together」でスタートするのです。“SoFi Stadium”は、2021年で唯一の同会場2公演が行われる場所。それだけに変化球セットになるのは予想されていましたが、それにしてもインパクが強い上にめちゃくちゃ合っているから素晴らしい。さらに、この日は「Rocks Off」「Get Off of My Cloud」「Ruby Tuesday」と初登場ナンバーも多い。さらにキース・コーナーの「Connection」とも合わせ、「BETWEEN THE BUTTONSナイト」とニックネームが付くほどに個性的なショウなのです。大団円の終演を迎えた後は、ツアーをレポートするニュース番組もボーナス収録。あらゆる視点でイングルウッド初日を味わい尽くせるマルチカメラ・シリーズの最新弾です。編集に時間がかかるのか公演順とはズレてきましたが、その時間がしっかりクオリティに反映されている素晴らしい。待てば待つほど美しい、そんなワクワクも2021年のリアルタイム感。SoFi Stadium, Inglewood, CA, USA 14th October 2021 AMAZING SHOT!!! (142:05)
1. Intro 2. Let's Spend The Night Together 3. 19th Nervous Breakdown 4. Here's to you Charlie 5. Rocks Off 6. Get Off My Cloud 7. Tumbling Dice 8. Ruby Tuesday 9. You Can't Always Get What You Want 10. Living In A Ghost Town 11. Start Me Up 12. Honky Tonk Woman 13. Band Introductions
14. Connection 15. Slipping Away 16. Miss You 17. Midnight Rambler 18. Paint It Black 19. Sympathy For The Devil 20. Jumping Jack Flash 21. Gimme Shelter 22. Satisfaction 23. A Last Bow Extra Bonus 24. Fox11 Report 25. ABC Report 26. Sofi Stadium COLOUR NTSC Approx.142min.