つい先日、2021年の活動を終えた再結成GENESIS。最新“THE LAST DOMINO? Tour”の現場を目撃できる極上映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「2021年12月2日フィラデルフィア公演」。その絶景オーディエンス・ショットです。本作最大のポイントは、何と言っても強烈なクオリティ。現代のプログレ系を代表する名テーパー「Tapehead2」氏による超極上マスターなのです。その内容の前に、まずはショウのポジション。すでに2021年の全日程は終了しましたが、“THE LAST DOMINO? Tour”自体が完遂されたわけではありません。ここで現在までに公表されているスケジュールから振り返ってみましょう
2021年・9月20日ー10月7日:英国#1(12公演)・11月15日ー12月16日:北米(21公演)←★ココ★ 2022年・3月7日ー22日:欧州(11公演)・3月24日ー26日:英国#2(3公演)これが“THE LAST DOMINO? Tour”の全体像。14年ぶりに復活したGENESISは母国イギリスと北米をサーキット。来年は大陸ヨーロッパとイギリスの延期公演をこなす予定。2007年の“TURN IT ON AGAIN: The Tour”は全48公演でしたから、ほぼ同規模のツアーとなる計画です。ともあれ、その中で本作のフィラデルフィア公演は「北米」レッグの13公演目。折り返しを過ぎた辺りのコンサートでした。そんなショウを目撃できる本作のクオリティは、驚きの絶景。「Tapehead2」氏と言えば、録音の名手として有名で、ロジャー・ウォーターズの名盤『LOUISVILLE 2017 MATRIX』を筆頭に、数々の名作ライヴアルバムで知られている。GENESISファンの方ならフィルの復活ソロツアーを代表する『PHILADELPHIA 2018』をご記憶の方も多いでしょうし、登場する再結成GENESISの『MADISON SQUARE GARDEN 2021』も「Tapehead2」氏の作品です。そんな「Tapehead2」氏は、名テーパーであると同時に撮影の名手でもあった。何よりも、本作のクオリティがそれを証明している。ステージ左側のスタンド席からやや見下ろし気味に撮影されているのえすが、遮蔽物ゼロの超絶景で安定感も抜群。果敢なズームで迫る事もありますが、基本は中距離で全体を捉えているのも良い。何しろ、GENESISは激しいアクションではなく、巨大スケールのライトショウやスクリーン映像で魅せるバンド。しかも今回はフィルが座りっぱなしでもあるので、演奏中は後方スクリーンも交えた中距離で、MCではアップで……と使い分けている感じです。しかも、音声も超極上。そもそも録音で世界に知られる達人ですから当然でもあるのですが、本作の音声もライヴアルバムとして十二分に名盤級。名手の看板に泥を塗るどころか、一層輝かせてしまう名録音なのです。それだけ素晴らしい映像でありつつ、本作は完璧ではない。いや、実際の撮影は完璧だったようですが、「Tapehead2」氏が公開したマスターにはちょっとしたイタズラが仕掛けてありました。ショウのところどころで数秒ずつ映像が暗転(音声は一貫)。そこではGENESISのミニ・クイズが差し込まれているのです。古くからトレードの際にちょっとした傷を入れて公開する録音家はいましたが、ここまでユーモアの効いたイタズラはちょっと記憶にない。完璧ではないものの、そのイタズラも含めて楽しい1枚でもあるのです。そんなクオリティで描かれるのは、お馴染みになりつつある“THE LAST DOMINO? Tour”のグレイテスト・ヒッツ。シカゴ公演ではレア曲も飛び出したようですが、基本は固定セット。最後にその整理もしておきましょう クラシックス・ガブリエル時代:The Cinema Show/The Lamb Lies Down On Broadway(★)/Firth Of Fifth/I Know What I Like (In Your Wardrobe)/The Carpet Crawlers (with Dancing With the Moonlit Knight)・静寂の嵐:Afterglow 3人時代・そして3人が残った:Follow You Follow Me(★)・デューク:Behind The Lines/Duke's End/Turn It On Again/Duchess・ジェネシス:Mama/Home By The Sea/Second Home By The Sea/That's All(★)・インヴィジブル・タッチ:Land Of Confusion/Domino/Throwing It All Away/Tonight, Tonight, Tonight/Invisible Touch・ウィ・キャント・ダンス:Fading Lights/No Son Of Mine/I Can't Dance ※注:「★」印はアコースティック・セットで演奏された曲。今回のツアーで終止符を打つとも言われているGENESIS。その最後の全米ツアーも終了しました。まだ来年のヨーロッパ篇も残されているとは言え、確実に終わりのカウントダウンは進んでいるのです。本作は、そんなツアーを名手「Tapehead2」氏の手腕によって切り取った映像作品。日本では望むべくもない“THE LAST DOMINO? Tour”。Wells Fargo Center, Philadelphia, PA, USA 2nd December 2021 AMAZING SHOT!!!!
1. Intro 2. Behind The Lines / Duke's End 3. Turn It On Again 4. Mama 5. Land Of Confusion 6. Home By The Sea 7. Second Home By The Sea 8. Fading Lights 9. The Cinema Show 10. Afterglow 11. That's All 12. The Lamb Lies Down on Broadway 13. Follow You Follow Me 14. Duchess
15. Band Introductions 16. No Son Of Mine 17. Firth Of Fifth 18. I Know What I Like (In Your Wardrobe) 19. Domino 20. Throwing It All Away 21. Tonight, Tonight, Tonight 22. Invisible Touch 23. I Can't Dance 24. Dancing With The Moonlit Knight / The Carpet Crawlers
COLOUR NTSC Approx.142min.