2021年末から音楽シーンを席巻し、公式Blu-rayの発売も迫っている『ザ・ビートルズ:Get Back』。そのオリジナル版でもある映画『LET IT BE』の特別版2種をカップリングしたお得盤が登場です。あまりにも有名なビートルズ映画の金字塔なわけですが、どう「特別版」なのかと言えば、日本放送であること。それもコアな記録マニアによる80年代の極上マスターからダイレクトにデジタル化された銘品中の銘品なのです。では「2種」とは何か。それは放送時期の違い。40年以上前の1981年放送版をDISC 1に、コレクター筋で最高峰とも言われた傑作1984年版をDISC 2に配した2枚組。どちらも個別にリリースされた事もありますが、『ザ・ビートルズ:Get Back』の公式Blu-rayが待ちきれない方のために、お得なセットでご用意致しました。永遠の名作として愛されてきた「1984年放送版(DISC 2)」映画『LET IT BE』については今さらですので省略するとして、ここでは1981年版/1984年版の特徴についてお話ししていきましょう。順序は逆ですが、まずは「1984年放送版(DISC 2)」。名作『LET IT BE JAPANESE BROADCAST EDITION: Definitive Video Master』の最高峰マスターを復刻しています。これは幾多のバンドの無数の作品を扱ってきた当店でも屈指の大ヒット作品。「永遠のベスト・セラー・タイトル」として君臨してきました。そのうま味は、日本語字幕付きの完全版『LET IT BE』。記録マニアによるエアチェック・マスターからダイレクトにデジタル化されたクオリティは「史上最高」と絶賛を集め、『ANTHOLOGY』とはかけ離れた映画の完全形が楽しめた。メンバーの会話だけでなく歌詞にまで対訳字幕を完備した完成度も圧倒的で、まさに永遠の名作だったのです。伝説ナレーションの特別感も絶大な「1981年放送版(DISC 1)」そんな1984年版の3年前に放送されたのが「1981年版(DISC 1)」。画質面では「1984年放送版(DISC 2)」には一歩及ばないのですが、現在の視点ではこちらの方が貴重かも知れません。まず、内容が短い。映画はスタジオ・セッションとルーフトップ・コンサートで構成されているわけですが、放送枠の関係か、前半のセッション・パートで大胆にカット。「トゥウィッケナム映画撮影所」は約5分、「アップル・スタジオ」では約12分半も短くなっている。主にメンバーの会話が省略されており、ジョージの感電シーンやポールとの口論シーンもざっくり削られているのです(会話には字幕もありません)。音楽重視と言いますか会話軽視な編集になっているわけですが、それが意外なうま味にもなっている。それはナレーション。当時42歳だった故ムッシュが語り部を担当し、会話パートに解説を被せているのです。その内容は地上派らしく初心者フレンドリーで分かりやすく、ムッシュならではの愛情もたっぷり。映画やセッション、ライヴの背景やメンバー同士の人間関係にも触れる。もちろん、今となっては意外な発見などはありませんが、「(ブートルズが)全世界の注目を集めてから十数年が経ちました」「このアルバム(LET IT BE)がもっとも傑作とされています」と言った言葉に、「80年代の日本」のリアルな呼吸感も滲むのです。「80年代の日本」に目眩がする懐かCM群 そして、映画本編に強烈な時代感をまき散らしているのが、合間に挿入されたCMたち。特に強烈のなのは「1981年放送版(DISC 1)」で、青い画面で「この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りします」と来るだけで胸がじんわりしますし、ヨドバシカメラが新宿にしかなかったり、その電話番号が7桁だったり。年末特番だったので新春セールのCMも頻繁にかかり、「セブンイレブンは元旦から営業だよ!」と喧伝される。「そんな時代もあったね♪」と見つめていると、店の入り口には「7時から11時まで」の張り紙が……。他にも(なぜか)スキー用品を宣伝するホームラン王が現役バリバリだったり、ギンギラギンにさり気なかった“たのきん”が米国ロケの映画に出演していたりと、強烈な郷愁に胸を掻き立てられるのです。さらにビビッドな時代感と言えば、テクノロジー。液晶のゲームデジタル「バクダンマン」や「大地震」というファミコン以前な薫りが凄まじく、「日本発のノープログラムソフト」となるナゾの機能がウリのSORD-PIPS、ポケベル並の1行表示しかできない電子英語辞典が2万円以上するのです。テクノロジー系CMは「1984年放送版(DISC 2)」でも凄い。こちらはSONYの単独提供ということもあり、黒猫マスコット(FELIX Cat)が登場するブラックトリニトロンや肩に担ぐ巨大なビデオカメラを画期的なサイズと喧伝。パソコンのCMにしても「カラーテレビは別売」の表示付き。普通のテレビを使うこともさることながら「カラー」も強調する時代だったのです。そして極めつけなのがベータマックス。「ますます面白くなるベータマックス!」のキャッチフレーズからも規格戦争の敗色が滲みますが、それ以上に衝撃なのが価格。デッキが14万5000円というだけでも驚きですし、それがステレオ対応(!)タイプになると24万9800円、さらにカメラも26万9000円……。当時は大卒初任給が13万6000円だった事も考え合わせると、いかに当時ビデオが高価であったかが分かる。これは取りも直さず、超極上レベルのマスターがいかに貴重であるかに通じ、本作のクオリティがいかに奇跡的であるかも思い知らされるのです。最高峰の日本完全版として一斉を風靡した「1984年放送版」と、破格の貴重度に目眩がする「1981年放送版」。2つの日本特別バージョンで映画『LET IT BE』を楽しめる豪華セットです。映画『LET IT BE』の日本放送版2種をカップリングした2枚組。「1981年放送版(DISC 1)」は短く編集されつつ、故ムッシュの愛情たっぷりナレーションが素晴らしく、「1984年放送版(DISC 2)」は歌詞にまで対訳字幕が完備された日本語完全版。どちらもコアな記録マニアによる極上マスターから起こされたクオリティが絶大で、山盛りの懐かCMも楽しめる胸アツの放送完全版です。
Disc 1: Broadcast 1981 Broadcast Date: 30th December 1981 (80:21) 1. Introduction 2. CM Twickenham Film Studio 3. Opening 4. Adagio For Strings 5. Don't Let Me Down 6. Conversation 7. Maxwell's Silver Hammer 8. Two Of Us 9. I've Got A Feeling 10. I've Got A Feeling 11. Conversation
12. One After 909 13. Piano Jam 14. Across The Universe 15. Dig A Pony 16. Suzy's Parlour 17. I Me Mine 18. CM Apple Studio 19. For You Blue 20. Conversation 21. Besame Mucho 22. You Really Got A Hold On Me 23. The Long And Winding Road 24. Shake, Rattle And Roll 25. CM
26. Kansas City / Miss Ann / Lawdy Miss Clawdy 27. Dig It 28. Conversation 29. Two Of Us 30. Let It Be 31. The Long And Winding Road 32. CM Rooftop 33. Rooftop Intro 34. Get Back 35. Don't Let Me Down 36. I've Got A Feeling 37. One After 909 38. Dig A Pony 39. Get Back 40. End Credit
Disc 2: Broadcast 1984 Broadcast Date: 14th April 1984 (86:47) 1. Programme Intro 2. Let It Be Intro (Japanese) 3. CM Twickenham Film Studio 4. Opening 5. Adagio For Strings 6. Don't Let Me Down 7. Conversation 8. Maxwell's Silver Hammer 9. Conversation 10. Two Of Us
11. I've Got A Feeling 12. I've Got A Feeling 13. Oh! Darling 14. Conversation 15. One After 909 16. Piano Jam 17. Two Of Us 18. Conversation 19. Across The Universe 20. Dig A Pony 21. Suzy's Parlour 22. I Me Mine Apple Studio 23. For You Blue 24. Conversation 25. Besame Mucho
26. Octopus's Garden 27. You Really Got A Hold On Me 28. The Long And Winding Road 29. Shake, Rattle And Roll 30. CM (Intermission) 31. Kansas City/Miss Ann/Lawdy Miss Clawdy 32. Dig It 33. Conversation 34. Two Of Us 35. Let It Be 36. The Long And Winding Road Rooftop
37. Rooftop Intro 38. Get Back 39. Don't Let Me Down 40. I've Got A Feeling 41. One After 909 42. Dig A Pony 43. Get Back 44. End Credit 45. CM PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 167min.(TOTAL)