本作は撮影されたのは「1996年9月15日キエフ(ウクライナ)公演」。そのクオリティは、完璧なマルチカメラ・プロショットで画質・音質もそのままオフィシャル化も可能なクオリティです。単に様々なアングルでライヴを観られるだけでなく、遠景から大観衆の上空をなめ回し、ステージへと大胆に動くなカメラワークも多用されており、非常にダイナミック。手元をじっくりと重視しがちなロック・コンサートではあまり観られないカメラワークですが、これも東欧の不慣れ感なのかも知れません。しかも、妙に豪華ながならなぜかメンバーではなく会場の天井を照らす照明、逆に簡素なステージセットも何かヘン。恐らくは西欧ロックの映像を研究して用意した演出なのでしょうが、(当時の)最先端技術を駆使したクオリティでありながら、どこかズレている。この不慣れ感が悪いわけでもなく、それらすべてが相まって醸し出す“90年代の東欧”のムードがやたらと新鮮なのです。そして、東欧らしさが滲み出すのは、画面だけではない。音声は卓直結な超ダイレクト・サウンドなのですが、大歓声がほぼゼロ。声援をマイク収録してミックスするという意識が明らかにないのです。しかも、その超ダイレクト・サウンドで迫るDEEP PURPLEの熱演が凄い。この日は、DEEP PURPLEにとって初めて足を踏み入れた土地でした。1987年のハンガリー公演あたりから少しずつ東欧でもライヴを行うようになっていった彼らですが、旧ソ連の構成国でもあったウクライナは、この日が初ライヴ。もちろん、SOUNDBOARDの歓声ゼロ・サウンドに臨場感は求められないものの、映し出される大観衆の熱狂ぶりはハンパではない。世界が激動していた90年代、スティーヴ・モーズという新しい血を迎え、開かれたばかりの東欧へと赴いたDEEP PURPLE。そこでは過去に囚われずに熱狂する観客達がいて、彼ら自身も“今できることのすべて”を叩きつけて勝負している。そのノビノビとした真剣勝負の清々しさを、東欧ならではのムードに包み込んで味わえる大傑作プロショットです。ロックに飢えた熱い空気に応えるDEEP PURPLEの姿。 Live at Central Republic Stadium, Kiev, Ukraine 15th September 1996 PRO-SHOT (72:41)
1. Intro 2. Fireball 3. Ted The Mechanic 4. Pictures Of Home 5. Black Night 6. Cascades: I'm Not Your Lover 7. Guitar Solo 8. Woman From Tokyo 9. Smoke On The Water 10. Keyboard Solo 11. Speed King 12. Perfect Strangers 13. Highway Star
Ian Gillan - Vocals Roger Glover - Bass Steve Morse - Guitar Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.73min.