B.B.キングも参加した“斑尾ジャズ”の貴重映像がリリース決定です。1982年にアメリカの音楽祭“NEWPORT JAZZ FESTIVAL”を迎えるカタチで始まった斑尾高原のジャズ・フェスティバルですが、本作に収められているのは1984年8月の第3回大会。B.B.キングだけでなく、錚々たるジャズメンが参加し、日本のジャズフェスの先達として勢いを増していった時代が丸ごとパックされた映像作品です。そんな“斑尾ジャズ ’84”を収めた本作は、当時、放送されたテレビ特番を録画した貴重なもの。音楽録画のコアマニアが秘蔵していたマスターから起こされており、その鮮度は驚異的。ダビングを一切しなかったらしく、その映像美は間違いなくオリジナル。テープのヨレ、歪みはおろか、白線ノイズの1本もない極上状態です。そのマスターから流れ出すのは、避暑地ムードと本場のジャズが醸し出す“1984年の匂い”。番組は演奏シーンを主軸にしながら、出演ミュージシャンのインタビューを交える構成なのですが、その演奏が白眉。この年の出演は5組で、本作では各1曲ずつが見られる。そのラインナップはフュージョン界の寵児SPYRO GYRA、現代ヴィブラフォンのイノヴェーター:ゲイリー・バートン、松葉杖の偉人アーネット・コブとブローテナーの創始者イリノイ・ジャケー率いるTEXAS TENORS、さらにフレディ・ハバード&リッチー・コール&ミシェル・ペトルチアーニを中心とした特別編成“斑尾ALL STARS”。そして、B.B.キングです。その熱演ぶりは、増していく斑尾フェスの勢いそのまま。主催者ジョージ・ウェインは「マダラオは涼しくてイイね」と語るものの、半裸の観客たちが見つめる光景は日光も眩しい真夏であり、その熱風がスピーカーから吹き出すようです。そんな演奏以上に“1984年の匂い”を届けてくれるのが、実は合間合間のCM。いきなり飛び出すのは、今ではJR SKI SKIくらいしかやらないスキー場のCM(現場となった斑尾高原は本来スキー場)で、そのコピーは「夏に結んだ白い約束もきっと果たせる」。演奏の真夏シーンから雪景色にぶっ飛ぶ豪快さもさることながら、半年先の宣伝も可能なほどスキーがデートリゾート真っ盛り。ぶいぶい言わせていた時代の薫りが漂うのです。もっとストレートなのが、渚のバルコニーが似合う女性タレントを起用したベータビデオのCM。「ハイファイプロセッサをプラスすると、ステレオビデオに早変わり」の一言に思わず「ステレオじゃないのかよ!」の想いがよぎりますし、あのS子ちゃんがはにかみながら「将来性のあるタイプ、好きです」と言う。当時、すでにVHSに押され気味だったベータに「将来性」。さらには、居酒屋兆治の店主とエリマキトカゲが車の宣伝はするわ、そのコピーも「ライバルは“リッターカー”」だわ。隅々が脳ミソに眠っていた遠い記憶を直撃してくるのです。時代は1984年。もちろん、主役は素晴らしいジャズ&ブルースのライヴなわけですが、それらを包み込む時代感も猛烈な1本。その演奏と光景から匂い立つ、バブルに踊り狂う前夜の日本。二度帰らぬ、この薫り。Madarao, Nagano, Japan August 1984 PRO-SHOT
1. CM 2. Interview with George Wein (promoter) 3. Introduction 4. CM 5. Hazer (Spyro Gyra) 6. Ladies In Mercedes (Gary Burton Quartet) 7. Sunny Side Of The Street (Texas Tenors) 8. CM 9. Interview with Freddie Hubbard 10. Impression, etc (Madarao All Stars) feat. Interviews 2
11. Make You Move (B.B. King) 12. CM 13. Jumping At The Woodside (Jam Session) 14. CM 15. After The Show PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 53min.