丸5年以上をかけて徹底的に地球を巡った“RAPTURE OF THE DEEP Tour”。その現場を特等席から楽しめる絶景映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2010年10月28日ジェシュフ公演(ポーランド)」。その極上オーディエンス・ショットです。2010年と言うと、日本にとっては印象の薄い時代でした。『RAPTURE OF THE DEEP』から『NOW WHAT?!』まで8年も間が空きましたし、コンスタントに重ねられていた来日も2009年から2014年にかけて5年ものブランク。リリースされるものと言えば発掘ライヴアルバムがベスト盤ばかりで、新しい便りはオケ共演の『LIVE AT MONTREUX 2011』だけという有様でした。日本ではイメージしづらい時代でもありますので、まずはスケジュールで当時の彼らを振り返ってみましょう。2010年・3月25日:ロシア公演・4月27日ー5月5日:豪州(7公演)・5月8日ー18日:アジア(6公演)・5月21日+25日:東欧(2公演)・5月28日ー6月1日:南アフリカ(3公演)・6月4日ー7月30日:欧州#1(24公演)・10月26日ー12月13日:欧州#2(35公演)←★ココ★ 2011年*6月3日ー25日:北米#1(16公演)*7月8日ー29日:欧州#3(10公演)←※公式 MONTREUX 2011・10月4日ー28日:南米(16公演)*11月26日ー12月15日:欧州#4(12公演)※注:「*」印はオーケストラ・ツアー、「・」は通常形態の日程。これが2010年/2011年のDEEP PURPLE。オケ共演ツアーは2011年になってからのプロジェクトであり、本作のジェシュフ公演はその前の通常スタイル。「欧州#2」の3公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで撮影された本作は、まさに絶景。何しろ、遮蔽物がまるでなく、強力なドアップの連続に撮影ポジションが分からないほど。角度的にステージのやや左寄り(モーズ寄り)であること、ステージと同じ目線の高さから恐らくスタンド撮影だろうとは推測できるのですが、それ以外の状況はサッパリ分からない。ステージだけが視界を占領するのです。しかも、ぞのズームの構図までバッチリ。恐らくは単なる偶然だと思うのですが、ステージ上のメンバーが集まったりバラけたりしても1人ひとりが実に画になる配置になる。例えば、ギラン、ロジャー、モーズが並ぶところ。3人が近づくのはよくあるわけですが、その頭と頭の間にドンの姿がピタッとハマっている。そして、3人がバラけると「ギラン+ペイス」・「ドン+モーズ」が基本になる(ロジャーはわりと左右に歩き回るので自在に絡みます)。ワンカメでポジションも移動しないオーディエンス・ショットにも関わらず、ほとんどにシーンで2人以上が映り込むという美味しい角度なのです。そんな直写だけでも十二分に絶景なのですが、ショウの中盤からはスクリーン・ショットまで交えてくれる。スクリーン撮影は角度がキツイと斜めに潰れて見づらくなるのですが、本作にその心配はなし。むしろステージの直写よりも真っ直ぐに捉えている程でして、まさしくマルチカメラ・プロショットのように楽しめるのです。その強烈映像に負けないサウンドも素晴らしい。とにかくクリアでタイト。序盤はピークでややノイジーになることもありますが、図太い芯には距離感がまるでなく、ヘッドフォンで耳を澄ませても空間感覚が感じられない。5人の演奏が絡み合っても混じらないセパレート感が絶大なのです。そんな絶景から楽しめるには、日本では観られなかった2010年のDEEP PURPLE。一番近い公式作品となると『LIVE AT MONTREUX 2011』ですが、これはオケ共演が主眼なので本作とは世界が違う。ここでは、2009年の来日公演と比較しながらセットを整理してみましょう。70年代/80年代クラシックス(12曲)・ファイアボール:Strange Kind Of Woman/Fireball/No One Came(★)・マシンヘッド:Maybe I'm A Leo(★)/Lazy(★)/Space Truckin'/Smoke On The Water・その他:Hard Lovin' Man(★)/When A Blind Man Cries/Hush/Black Night/Perfect Strangers 90年代以降(6曲)・ラプチャー・オブ・ザ・ディープ:Things I Never Said/Rapture Of The Deep/The Well-Dressed Guitar・その他:Almost Human(★)/Silver Tongue(★)/Contact Lost ※注:「★」印は2009年の来日公演では聴けなかった曲。……と、このようになっています。「Silver Tongue」や「Almost Human」など、この時期ならではのレア曲も美味しいですが、それ以上なのがクラシックス。リッチーと袂を別ってから多彩なレパートリーを取り上げるようになったわけですが、ここでも「Maybe I'm A Leo」や「No One Came」とバラエティ豊か。特に「Hard Lovin' Man」は40年ぶり……と言いますか、2010年になって初めて通常セット入りしたばかりなのです。5人を綺麗捉える偶然のアングルとプロショットばりのスクリーン映像、そして極太の密着サウンド。ただの絶景を超えたクオリティで「2010年のパープル」をフル体験できる映像傑作です。日本のファンにはイメージの薄い時期ながら、だからこそ新鮮に楽しめる映像傑作。「2010年10月28日ジェシュフ公演」の絶景オーディエンス・ショット。遮蔽物がなく、強力なドアップの連続に撮影ポジションが分からないほどで、ギラン/ロジャー/モーズが並ぶお馴染みのシーンでは頭と頭の間にドンの姿までピタッとハマる奇跡的なアングル。さらにショウの中盤からはスクリーン・ショットまで交えてマルチカメラ・プロショットばりの見応え。この時期ならではの「Silver Tongue」「Almost Human」や「Maybe I'm A Leo」「No One Came」「Hard Lovin' Man」といった貴重クラシックスも美味しいフルショウを特等席体験できます。Hala Podpromie, Rzeszow, Poland 28th October 2010 AMAZING SHOT!!! (108:41)
1. Intro 2. Hard Lovin' Man 3. Things I Never Said 4. Maybe I'm A Leo 5. Strange Kind Of Woman 6. Rapture Of The Deep 7. Fireball 8. Silver Tongue 9. Contact Lost 10. When A Blind Man Cries 11. The Well-Dressed Guitar 12. Almost Human 13. Lazy 14. No One Came 15. Keyboard Solo
16. Perfect Strangers 17. Space Truckin' 18. Smoke On The Water 19. Hush 20. Black Night Ian Gillan - vocals Steve Morse - guitar Roger Glover - bass Don Airey - keyboards Ian Paice - drums COLOUR NTSC Approx.109min.