ベスト盤『THE ANNIE LENNOX COLLECTION』でキャリアを総括し、EURYTHMICS時代からの古巣RCAレーベルと別れを告げた2009年のアニー・レノックス。そんな節目の時代を象徴する極上プロショットが登場です。そんな本作が撮影されたのは「2009年3月7日:聖ルカ礼拝堂」公演。そのマルチカメラ・プロショットです。『SONGS OF MASS DESTRUCTION』時代にはワールド・ツアーも行ったアニーでしたが、2008年に背中を負傷。その後はイベント的なステージをこなすだけになっていました。2009年は、そんな中でも比較的活発だった時期。まずは、当時のスケジュールを振り返ってショウのポジションを把握してみましょう。《2月17日『THE ANNIE LENNOX COLLECTION』発売》・2月21日:サンレモ歌謡祭出演・3月7日:BBCセッションズ ←★本作★・3月13日:レッドノーズデイ出演・3月18日:Europe 1出演・5月3日:ロギー・アワード出演・11月12日:Children in Need Rocks出演 これが2009年のアニー・レノックス。ツアーと移動を繰り返す「ツアー」ではなく、ベスト盤のプロモーション的なステージを6回ほど実施。ほとんどが数曲だけのメディア出演でしたが、本作の聖ルカ礼拝堂は別。名物番組“BBC SESSIONS”のために収録された約1時間のステージで、BBCオーケストラとの共演も実現した特別公演でした。そんなステージを伝える本作は「超」が付く極上の銘品。画質・音質・ミックス・カメラワーク……すべてが鉄壁。いわゆる「完全オフィシャル級」なのですが、実のところそれ以上でもある。聖ルカ礼拝堂の特設ステージは非常に上品な雰囲気に包まれ、ブルーの照明も幻想的。そして、そのカメラワークが非常に凝っている。見るからに狭い会場にも関わらず、巧みに配置されたカメラは目立つ事なく多彩なアングルを捉え、曲想やテンポから練り込んだに違いないスイッチングも見事。アニーを多彩に捉えるのは当然として、ギターソロやオーケストラの出番になれば弦の振動が画面いっぱいになるほど手元の超ド・アップも登場する。そうかと思うと、客席やコーラス隊の後ろ姿など、普段ならあり得ない意外な視点を一瞬混ぜて集中力を掻き立て、狭い会場を飛び交う空中アングルでスペクタクルを演出。ポップ・ミュージックと共に歩んできた名門BBCの面目躍如となる映像美なのです。そんなアーティスティックですらあるクオリティで描かれるのは「キャリア総括」時代だからこその極めつけのステージ。その濃度を知るためにも、ここでセットを整理してみましょう。ディーバ(4曲)・Little Bird(★)/Walking On Broken Glass(★)/Cold(★)/Why(★)その他(8曲)・ユーリズミックス:Sweet Dreams (Are Made Of This)(★)/Here Comes The Rain Again(★)/There Must Be An Angel (Playing With My Heart)(★)/When Tomorrow Comes・その他ソロ:No More I Love You’s/A Thousand Beautiful Things/Ghosts In My Machine/Shining Light ※注:「★」印はBBCオーケストラとの共演曲。……と、このようになっています。大代表作『DIVA』からは4曲セレクトされていますが、他はすべて各アルバム=1曲ずつ幅広く選ばれている。その意味では「目で観るベスト盤」ではあるのですが、『THE ANNIE LENNOX COLLECTION』とは違ってEURYTHMICS時代からも大胆にセレクトされ、さらに徹底的にキャリアを総括した1時間なのです。しかも、単なるグレイテスト・ヒッツではない。約半分の7曲でBBCオーケストラが加わり、そのアレンジは優雅にして壮大。特に『DIVA』からの4曲はすべてオーケストラ・バージョンで味わえるゴージャスなショウなのです。「映像版THE ANNIE LENNOX COLLECTION」かと思いきや、それ以上にゴージャスで総括的なショウを極上クオリティで楽しめる音楽作品の大傑作です。ツアー人生から足を洗い、大きな大きな節目を迎えていたアニー。そんな2009年を象徴する準オフィシャルの超傑作。「2009年3月7日:聖ルカ礼拝堂」公演のマルチカメラ・プロショット。画質・音質・ミックス・照明……すべてが鉄壁な完全オフィシャル級クオリティで、特に多彩で凝ったカメラワークはアーティスティックなほどの完成度。EURYTHMICS/ソロの代表曲を総括した極めつけのグレイテスト・ヒッツをBBCオーケストラとの共演で綴るゴージャスなフルショウを楽しめる。準オフィシャル作品となる絶対作です。
BBC One Sessions, St Lukes Church, Old Street, London, UK 7th March 2009 PRO-SHOT (58:30)
1. Intro 2. Little Bird* 3. Walking On Broken Glass* 4. No More “I Love You’s” 5. There Must Be An Angel (Playing With My Heart)* 6. Here Comes The Rain Again* 7. Cold* 8. A Thousand Beautiful Things 9. Ghosts In My Machine 10. When Tomorrow Comes 11. Shining Light
12. Thanks To Orchestra & Band 13. Why* 14. Sweet Dreams (Are Made Of This)* * Accompanied by the BBC Orchestra PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.59min.