テトリスと共に地球へ降臨し、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』に沸いていた時代を席巻した男、M.C.ハマー。激しく燃え上がった刹那の黄金時代を象徴する極上映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは、ここ日本。「1991年3月26日/27日:東京ドーム公演」のマルチカメラ・プロショットです。長いキャリアで彼が来日を果たしたのは三度。良い機会でもありますので、その全景を振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1991年・3月26日+27日:東京ドーム ←★本作★・3月30日:大阪城ホール 1992年・11月16日:東京ドーム 2000年・8月4日:東京ベイNKホール 以上の5公演。初来日にしていきなりの東京ドームという究極の大舞台で猛烈なスタート・ダッシュを見せつけたわけですが、本作に記録されているのは、その東京ドーム。2日連続公演から編纂された特番なのです。そのクオリティは、まさに「完全オフィシャル級」。当店では記録マニアの極上マスターで数々の音楽番組をアーカイヴしているわけですが、本作はその最新弾にして最高峰に君臨する1本。時代柄アナログ放送/録画……のハズなのですが、その事実を忘れるほどの美しさ。白線ノイズ1本見当たらない艶やかな画面に経年劣化はまるでなく、テープヨレやダビング痕も皆無。デジタル加工ゼロにも関わらずビビッドな発色と、無加工だからこそサルエルパンツに輝くラメ1粒まで鮮明なディテールが圧倒的。それこそ、「公式レーザーディスクで出てたっけ?」と思うほどの映像美なのです。そんな超絶の映像美で描かれるのは時代の寵児として絶頂を極めていたM.C.ハマー。とにかくそのステージは超ド派手。ステージには数え切れないほどのダンサーが群れを成して登場し、1人ひとりがダボダボのサルエルパンツや金ラメでビッカビカ。激しくアグレッシヴなダンスはマイクル・ジャクソンやマドンナの比ではなく、音楽コンサートというよりはディスコ……いや、巨大なエクササイズ・ステージと化している。その一方で、曲間にもM.C.ハマーの勢いが滲み出す。マイケル・ジャクソンやU2を例に出すまでもなく、80年代に巨大化した音楽業界は社会的な責任まで背負うようになっていたわけですが、その頂点に登り詰めようとしていたハマーも例外ではなかった。曲紹介にかこつけて世界平和や子供達への想いを語り、愛や連帯を呼びかけるのです。ここでポイントとなるのが日本語テロップ。ハマーのMCはやや長めでもあるのですが、本作には語りに日本後字幕が付き、直感的に内容が理解できる。中にはダンサーとのかけ合いミニ・コントもあるのですが、そこでは字幕テロップの色を変えて誰の言葉か分かるようにするこだわりようです。さらに美味しいのが、4ヶ所で挿入されるCM群。まず、一番目を惹くのがハマーが主演するペプシと東芝のCM。特にペプシはコカ・コーラとすり替えられて落ち込むという、伝説的なCM。ナレーションでも「M.C.ハマーはいつもペプシ。それをコカ・コーラに替えておくと……」と思いっきり対抗他社の名前を出していますし、商品にボカシもなし。この数ヶ月後にはコカ・コーラからクレームが付き、「かわいた心にはユーモア。かわいたノドにはペプシコーラ」とやり返すわけですが、ここではまだその前哨戦だったわけです。さらにさらにハマー以外も美味しい。「この番組は……の提供でお送りします」のナレーションも懐かしければ、そこにコンサート会場風のエコーをかける演出も時代がかっている。実際のCMでも昨年惜しまれつつ亡くなった古畑任三郎氏がTVのモノクロ映像を宣伝し、セブンスターも堂々と地上派で喧伝(1箱たったの240円!!)。そうしたCMのBGMに流れるのはスティービー・Bにレイラ・ハサウェイと来たもんだ……。まさに、ハジける寸前だったバブル時代の日本が画面とスピーカーから溢れ出すのです。まさに時代の寵児にして徒花。エリマキトカゲ級の凄まじい勢いで時代を席巻したM.C.ハマーの魅力が詰まりに詰まった映像傑作です。黄金時代は短かったですが、いや短いからこそ猛烈な「1991年」感に胸が焦げ付く。当店では、洋楽史のタイムカプセルとなる名作の数々をご紹介してきましたが、これほどまでに「時代」が前面で踊り出す作品があったでしょうか。まさに文化遺産以外の何物でもない1枚。「1991年3月26日/27日:東京ドーム公演」のマルチカメラ・プロショット。当時放送されたライヴ特番で、記録マニアによる極上マスターは「完全オフィシャル級」の映像美。ダボダボのサルエルパンツや金ラメでビッカビカのダンサーの大群が登場するショウは豪華絢爛で、激しくアグレッシヴなダンスは巨大なエクササイズ・ステージと化している。コカ・コーラを名指しでコケにする伝説CMも含め、刹那の黄金時代を超極上クオリティで楽しめる文化遺産の1枚です
Tokyo Dome, Tokyo, Japan 26th/27th March 1991 PRO-SHOT 1. Intro (She's Soft And Wet) 2. It's Hammertime 3. Here Comes The Hammer 4. CM 5. Let's Get It Started 6. Help The Children 7. Pray 8. CM 9. Turn This Mutha Out 10. Have You Seen Her 11. CM 12. U Can't Touch This Intro
仲間がほしいんだ! これが新しい仲間だよ! 何だい 何だい M.C.? こっち来てみな! 今、行くよ! 聞きたい事はあるんだ。何だい? あれは何だい? あれはハンマーさ! いかにも。じゃああれは? あれはもう一つのハンマーだよ! そうだね。そしてこれを教えてくれたら君がこの中で一番頭がいい。あれは何? あれはもう一つのハンマーだよ! 1つ2つ3つのハンマー。これはどういう意味なんだいM.C.? 時計持ってるかい? ハマー・タイムって事だよ! 君がそうしてる限り、お前みたいなやつに…。絶対に! 何が何でも! どうやっても!13. U Can't Touch This 14. CM 15. Please Hammer Don't Hurt 'Em
16. I'm MC Hammer PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.55min.