本作に収められているのは、2CDの3日後「1985年4月28日:渋谷公会堂」公演のマルチカメラ・プロショット。そう、オフィシャルの廃盤映像『TOKYO ROAD』です。この映像作は、まさに幻のオフィシャル名作。BON JOVはアーカイヴの進む超大物バンドでもありますが、『TOKYO ROAD』はWikipediaのビデオグラフィでも見落とされている秘宝なのです。もちろん、レア物ではあってもクオリティは(当然のことですが)バリッバリのオフィシャル画質・音質。若かりしBON JOVIの姿が82分に渡ってたっぷりと楽しめます。なにしろ、当時のBON JOVIは平均年齢27歳、ジョン・デヴィッドも23歳になったばかり。後の大物感とはまるで違う、その溌剌としたステージの眩しいこと!しかも、その若さが勢いだけでないところがさすがBON JOVI。当店では初来日のオフィシャル映像作も『SUPER ROCK '84 IN JAPAN & BREAKOUT』としてアーカイヴしておりますが、そこから8ヶ月しか経っていないというのに、まるで別人のように安定感が増し、演奏もステージングも素晴らしく上達している。まさに、プロフェッショナルへ急成長まっただ中だったのがよく分かります。本作の15ヶ月後となる1986年の夏には、第2のデビューとも言える『SLIPPERY WHEN WET』での大化けを果たすわけですが、この時点で、すでに世界を揺るがすバンド・ポテンシャルをモノしている。そのポテンシャルで凝縮された『夜明けのランナウェイ』『7800°ファーレンハイト』からのベスト選曲は、レアにしてフレッシュ。実力だけはワールド・クラスに成長しながら、今となってはほとんど演奏されることのない名曲の数々をぶちかまし、「これが俺たちの音楽!」という情熱が無垢なままにむき出しになっているのです。まだブルース・フェアバーンやデズモンド・チャイルドといった「勝利の方程式」を知らなかった頃のBON JOVI。その真価に気づいていたのは、日本だけでした。本作には、「Livin' On A Prayer」も「You Give Love A Bad Name」もありません。しかし、だからこそ、たまらない。ここにいるのは、まだ「俺たちのバンド」だった彼ら。「なんで、みんな良さが分かんないのかな」と思わせてくれたBON JOVI。それを奇跡のサウンドでフル体験できるのが2CD『DEFINITIVE OSAKA 1985』であり、公式プロショットで目撃できるのが本作なのです。恐らく、世界中のBON JOVIファンにとって、本作は「ヒット曲もない下積み時代ライヴ」でしかないかも知れませんが、私たちにとっては違う。冒頭の「Welcome back, Tokyo road. さくら、さくら、やよいの空は……」から胸アツが止まらないのです。そんな想いまで吹き出す超極上の頂点クオリティ・セット。
Live at Shibuya Kokaido, Tokyo, Japan 28th April 1985 PRO-SHOT(82:13) 1. Tokyo Road 2. Breakout 3. Only Lonely 4. Drum Solo 5. She Don't Know Me 6. Bang Bang 7. Shot Through The Heart 8. Silent Night 9. The Hardest Part Is The Night 10. Guitar Solo 11. In And Out Of Love
12. Runaway 13. Burning For Love 14. Get Ready Jon Bon Jovi - Vocals, Guitar Richie Sambora - Guitar, Vocals David Bryan - Keyboards, Vocals Alec John Such - Bass, Vocals Tico Torres - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.82min.