恒例となっている60周年ツアー“Sixty”のマルチカメラ映像シリーズ。本作は2本同時リリースの第一弾。「2022年7月7日アムステルダム公演」のオーディエンス・ショットです。それでは、いつも通り現時点でのツアーの進捗状況とシリーズ・コレクションを併せて整理してみましょう。・6月1日『MADRID 2022: MULTICAM』・6月5日『MUNICH 2022: MULTICAM』・6月9日『LIVERPOOL 2022: MULTICAM』《ミックの新型コロナ感染》・6月21日『MILAN 2022: MULTICAM』・6月25日『HYDE PARK 2022 MULTICAM NEW EDITIONM』・7月3日『HYDE PARK 2022 MULTICAM NEW EDITIONM』・7月7日:アムステルダム公演 ←★本作★・7月11日『BRUSSELS 2022: MULTICAM』・7月15日:ウィーン公演 >>今ココ<<・7月19日ー8月3日(5公演)これが“Sixty”の最新状況。すでに9公演目まで終了しており、本稿が公開される頃には10公演目のリヨンでショウの準備が着々と進んでいることでしょう。そんな中で本作のアムステルダム公演は全14公演中の7公演目。まさに折り返し点となるコンサートでした。そんなショウをフル体験できる本作は、進化し続けるマルチカメラ編集シリーズの最先端。毎週毎週、同じ事を書いているようですが、1本1本重ねるほどにクオリティが上がっていくから凄い。ハイドパーク2公演で「これでツアー最高峰だろうな」と思ったのですが、本作はさらに凄い……。タイプとしましては、正道プロショット型。1曲中にもアングルがコロコロと変わっていく編集です。音声は切り替わり型なものの、これまでとはちょっと違う。従来はアングルのスイッチングと同時に音声も変わっていましたが、本作は1曲内で1本の極上録音で通しており、アングルだけが切り替わる。詳しい制作メモが公開されているわけではないので想像ですが、恐らく可能な限り同じ極上録音で通しており、足りないパートだけを別録音で補完しているのではないでしょうか。もちろんフルショウを完全通し録音なのが理想なものの、1曲1曲はしっかりと浸れる完成度は及第点以上です。そして、今回のポイントはスイッチングがダイナミックな事。このところのマルチカメラ作品は接写・ドアップ重視。ハイドパーク2公演など、ほとんどアップだけで通しているようなド迫力映像でした。しかし、本作は違う。ハイドパークにも負けないアップが何種類も多用されつつ、そこにスタンド席からの遠景ショットも効果的に差し込まれている。ミックがステージを右へ左へと移動する際、そのアップのカッコ良さとステージ全景の位置関係を素早く、かつさり気なくスイッチングして見せてくれる。しかも、そのタイミングやアングル選びもキッチリと曲想に準拠。使用されているアングル数やズームのクオリティも明らかに向上していますが、スイッチングのセンスも確実に進化しているのがよく分かるのです。そんな進化系映像で描かれるのは、いつになくレア曲たっぷりなフルショウ。早速セットを整理してみましょう。固定曲(11曲)・Tumbling Dice/You Can't Always Get What You Want/Honky Tonk Women/Miss You/Midnight Rambler/Paint It Black/Start Me Up/Gimme Shelter/Jumping Jack Flash/Sympathy For The Devil/(I Can't Get No) Satisfaction 日替わり曲(8曲)・Street Fighting Man/Let's Spend the Night Together(★)/Out Of Time/Sweet Virginia(★)/Living In A Ghost Town/Can't You Hear Me Knocking・キース・コーナー:You Got the Silver/Happy※注:上記はウィーン公演(7/15)までのデータで構成。「★」印は2022年の初登場曲。……と、このようになっています。ハイドパーク2日目は「Get Off Of My Cloud」で開始する変化球でしたが、アムステルダムではツアー定番の「Street Fighting Man」スタートに回帰。しかし、その後はバラエティ豊かで2曲のツアー初登場曲「Let's Spend the Night Together」「Sweet Virginia」がセレクトされています。一時はツアー中断の危機もあったものの、その後は順調に調子を上げている“Sixty”。選曲もバラエティに富み、選曲も自在になってきました。そんな折り返しのフルショウを進化したマルチカメラ編集でたっぷり楽しめる映像傑作。60周年ツアーの7公演目をフル体験できるオーディエンス映像がリリース。ド迫力ズームの美しさは前作ハイドパーク篇に匹敵しつつ、遠景も巧みに挿入する編集センスはさらに鋭く進化した傑作です。
Johan Cruijff Arena, Amsterdam, The Netherlands 7th July 2022 AMAZING SHOTS!!! (125:36) 1. Intro/Charlie Watts Tribute 2. Street Fighting Man 3. Let's Spend The Night Together 4. Tumbling Dice 5. Out Of Time 6. Sweet Virginia 7. You Can't Always Get What You Want
8. Living In A Ghost Town 9. Can't You Hear Me Knocking 10. Honky Tonk Women 11. Band Introductions 12. You Got The Silver 13. Happy 14. Miss You 15. Midnight Rambler 16. Paint It Black 17. Start Me Up 18. Gimme Shelter 19. Jumpin' Jack Flash 20. Sympathy For The Devil
21. Satisfaction COLOUR NTSC Approx.126min.