
4CD『JOYFUL LUNACY : THE SYD BARRETT ANTHOLOGY』(以下4CD)は、世界的研究家の底なしの探求心によって編まれたアンソロジー・セットの大傑作です。そこに詰まっているのは、単にシド・バレットの足跡というだけでなく、彼の音楽を愛し続け、80年代や90年代にも世に送ろうとしていた人々の息吹でさえあります。別の観点から希代の天才の人生に焦点を当てるラジオ特番をお贈りします。本作は、シドの没後から1年が経った2007年7月21日に放送されたBBCのドキュメンタリー特番。その愛情溢れる内容は極めて素晴らしくで、世界中のマニア/研究から「ベスト・ドキュメンタリー」「これほど感動的にシドを語る番組は知らない」と賞賛を集める名番組だったのです。本作は、そのラジオ特番を素晴らしいサウンドで記録したもの。ただのエアチェックではなく、受信・録音機材にもこだわったベスト録音を厳選し、音楽CDと同様に丁寧にマスタリングまでされているマスター。そのサウンドは、放送マニアも唸る極上品です。実のところ、4CDの編纂に関わった研究家自身が「ぜひ、この番組も」と推薦した1枚なのです。番組の内容は、シド本人と間近に触れてきた関係者のコメントと音楽を交えつつ、シドの人生を振り返っていくオーソドックスなもの。その関係者とは、ピンク・フロイドの3人(ニック・メイソン、リック・ライト、デイヴ・ギルモア)の他、初期フロイドのマネージャーだったピーター・ジェナー&アンドリュー・キング。それに、シドの実妹であるローズマリー・ブリーンなどです。子どもの頃の想い出、ピンク・フロイドとの日々、知られざるケンブリッジの生活……。全編英語ではありますが、人生の各シーンでシドと共にいた人々の語り口だけでも暖かい。もちろん英語の得意な方であれば、1人ひとりの脳裏に浮かぶシドの姿が浮かぶようなコメントの数々が胸を打つことでしょう。ロック文化を語らせたら右に出るものはないBBC渾身の傑作ドキュメンタリーです。全102トラックの音楽で綴った『JOYFUL LUNACY : THE SYD BARRETT ANTHOLOGY』に相応しい、ラジオアルバムの銘品。
BBC Radio 2 FM Broadcast 21st July 2007 (55:52)
1. Intro 2. Growing Up 3. Mike Leonard's House 4. Summer '65 5. 1966 6. 1967 7. Unravelling 8. Syd Gets Left Behind 9. The Madcap Laughs 10. Barrett 11. Syd Returns To Cambridge 12. Shine On You Crazy Diamond 13. Back Home For Good 14. Remembering Syd 15. Radio 2 Ident