
9年ぶりに日本へ戻ってきた蠍団。その第一報が登場です! LOUD PARK 16のトリでも生粋のライヴバンド歴50年の凄味が大いに話題となっている真っ最中ですが、本作はそれに先立つ初日「2016年10月6日ZEPP DIVERCITY TOKYO公演」のオーディエンス・アルバムです。まずは、久々の来日公演の全容から確認してみましょう。
・2016年10月6日:Zeppダイバーシティ東京 【本作】・2016年10月8日:さいたまスーパーアリーナ ・2016年10月11日:大阪国際会議場
以上、3公演です。当初、LOUD PARK 16のトリ公演のみが公表され、その後に東京・大阪での単独公演が発表されたカタチ。この駄文が公開される今、この瞬間に最終公演が真っ最中という最新ほやほやの湯気が立つようなホットな録音です。ホットなのはタイミングだけでなく、本作自体も激しくクリアなサウンドで熱演が飛び出す灼熱盤。実際、本作をモノにしたのは、東京・横浜を中心に活動している録音家でして、本人から直接譲られたマスターをダイレクトにCD化した完全オリジナル録音です。この録音家は数々の名作を手がけた名手で、最近ではマイケル・シェンカーの2CD『TOKYO 2016』も記憶に新しいところ。かの傑作録音と合わせ、シェンカー兄弟の兄貴篇とも言うべきライヴアルバムなのです。そのサウンドは、超絶なまでに生々しくクリア。2階席前方から録音されたそうで、灼熱の1階フロアの喧噪をよそにステージから真っ直ぐ届く楽音をやたら綺麗に捉えている(ちなみにZEPPダイバーシティ東京の2階は200席ほどしかなく、チケットは争奪戦になりました)。不思議なのは距離感でして、2階席なのに遠さがまったく感じられず、怖ろしく間近に聞こえる。凄絶なクリアさと合わせ、まるでIEMsのような感触さえ感じさせるサウンドなのです。ポジションの距離感を相殺するには、録音家の機材とセッティングしか術はないわけで、名手の業が光る銘品なのです。そんなクリアさで届く蠍団がまた、猛烈に熱い。クラウス・マイネの美声は些かの衰えもなく気持ちよく伸び、ルドルフ・シェンカーのカミソリ・ギターは今なおひたすら鋭い。そのパフォーマンスで“HR/HM版レノン/マッカートニー”とさえ称された名曲群を次から次へと繰り出していく……。大ベテランなバンド、アーティストは数多くいますが、解散も長期の活動停止もなく、ひたすらライヴで世界を魅了し続けて50年。生粋のライヴバンドの生き様を叩きつけられるようです。さらに今回はミッキー・ディーのドラミングまでもが加わっている。彼もまた、“ライヴの化身”MOTORHEADのスツールを23年間に渡って守り抜いた鉄人。前任のジェイムズ・コタックも十分な巧者でしたが、ミッキーの鋭さ、パワーはケタが違う。ドラミングだけで猛烈な存在感を発揮しており、新加入にして“もう他の誰にも代えられない”と感じさせるほどです。そんな彼のプレゼンスがひときわ輝くのが、ショウ後半に配された「Overkill」とドラムソロ。言わずと知れたMOTORHEADのカバーですが、これがもう凄い迫力。クラウスの滑らかな歌声はレミーとは似ても似つきませんが、シャープな切れ味は意外にもSCORPIONSサウンドにもマッチ。そこから怒濤のドラミングに雪崩れ込むわけですが、その手数と迫力は絶品。さすが、さすが、巨人レミー・キルミスター終生の信頼を勝ち得ただけはあるドラマーです。そんな熱演が機微までも鮮やかに、直結感までも味わわせるほどのクリア・サウンドで迫る名録音です。昨今、大ベテランが来日する度に「これが最後かも知れない」とのフレーズが巷に溢れますが、SCORPIONSは撤回したとは言え、一度は引退宣言をしたバンド。再来日の可能性もゼロではないものの、本当に最後の可能性が高いバンドです。その初日を激烈なクリアさで捉えきった傑作。今週末、本作で二度とないかも知れない“今”を思い残すことなく噛みしめてください。
Live at Zepp DiverCity, Tokyo, Japan 6th October 2016 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (54:36)
1. Intro 2. Going Out With a Bang 3. Make It Real 4. The Zoo 5. Coast to Coast 6. Top of the Bill / Steamrock Fever / Speedy's Coming / Catch Your Train 7. We Built This House 8. Delicate Dance 9. Kojo No Tsuki 10. Always Somewhere / Eye of the Storm / Send Me an Angel 11. Wind of Change
Disc 2 (47:30)
1. Rock 'n' Roll Band 2. Dynamite 3. Overkill 4. Drum Solo 5. Blackout 6. Big City Nights 7. Still Loving You 8. Rock You Like a Hurricane
Klaus Meine - lead vocals Rudolf Schenker - rhythm guitar, backing vocals Matthias Jabs - lead guitar, backing vocals Pawe? M?ciwoda - bass, backing vocals Mikkey Dee - drums