
SCORPIONSが初めて日本の地にやって来た1978年の「TAKEN BY FORCE」リリースに伴うジャパンツアーより、4月23日の東京・中野サンプラザ公演が、既発音源とも異なる完全新登場のオリジナル・マスターをダイレ クト使用し、高音質オーディエンス録音・完全収録版でのリリース決定です。ウリ・ジョン・ロート(当時のクレジットはウルリッヒ・ロート)脱退前に実現したSCORPIONSの初来日公演は4月23日から4月27日まで、東京 3公演・名古屋と大阪がそれぞれ1公演の計5公演が行われました。このうち4月24日と27日の中野サンプラザ公演がオフィシャル・レコーディングされ、 それを元にした公式ライヴ作品の傑作「TOKYO TAPES」がファンに強い印象を残しています。本作はその公式レコーディングに先立つ来日初演・4月23日のショウを約2時間にわたって収録しています。この4月23日のショウは当時新発掘のオリジナル・マスターカセットを用いた同日オーディエンス録音が「SPEEDY'S COMING: First Night In Japan」というタイトルでリリースされていますが、今回発掘された音源も、やはりトレーダー間でも一切流通していないニュー・マスターです。既発はまろやかで耳当たりの良いテープの質感を背景に、高い安定感と優れた均整でライヴの模様をじっくりと楽しむ事ができ、リリース当初からマニアの高 い評価を受けていました。それに対して今回登場のニュー・マスターはより高い明度と鋭い音のエッジを備えた音質が特徴です。高音が効き過ぎてややノイジー に感じる場面もあるものの、湧きあがる歓声や拍手など客席の模様も生々しくヴィヴィッド収めた音像は「SPEEDY'S COMING」以上にライヴ・テープらしい迫力があり、聴き手は熱気と情念があふれる初期SCORPIONSらしいヴァイヴを肌で感じる事が出来るでしょ う。オープニングを飾るスタジオ・アルバム未収録曲「All Night Long」はいきなり聴き所。クラウス・マイネは冒頭からパワフルで伸びやかなヴォーカルを披露し、勢いよくライヴの幕開けを宣言します。最初のMCでは 「Thank you very much for the warm welcome in Japan」と感謝の言葉を伝え、さらにはしっかりと聴き取れる日本語で「お元気ですか?素晴らしい」と親日家ぶりをアピールします。続く 「Pictured Life」では、クラウスのヴォーカルとともにルドルフ・シェンカーの鋭いリズム、ウルリッヒのメロディアスなギターが、会場をダークでメランコリックな 初期SCORPIONSカラーへと染め上げて行きます。これらの曲想と同じく、当時のSCORPIONSにおいて特徴的なのがジミ・ヘンドリクスに傾倒し たウルリッヒ主導のナンバー。特に彼のMCから導かれる4曲目の「Polar Nights」は、ジミヘンばりの強烈なリフとソロプレイが聴き手を圧倒します。ルドルフとウルリッヒの織り成すギターが美しい「We'll Burn The Sky」はライヴ全体でも大きな聴き所。切々と歌い上げるクラウス、愁いを帯びたギターの音色、溜め込まれた情念が解き放たれるラストの感動・・・どれを とっても素晴らしいの一言。さらに沈み込むネガティヴさを美しさにまで昇華させた「In Trance」、1stアルバム収録の「In Search Of The Peace Of Mind」をイントロに用いる事で、よりドラマ性を強調した「Fly To The Rainbow」の開放感(後半におけるウルリッヒのド迫力ギター・プレイは同時期のリッチー・ブラックモア並みに圧倒的!)など、世界的成功を収めた '90年代よりも何故この時代のSCORPIONSが日本のファンから今もなお強い支持を受けるのか、ライヴでの演奏を聴けばその理由が判るというもので す。これらドラマティックでメロディアスな楽曲に挟み込まれる「Suspender Love」や「He's A Woman, She's A Man」といった楽曲は歌詞的には気楽な内容で、ちぐはぐな印象も伴いますが、迫力ある演奏面では遜色ありません。フランシス・ブッホルツのベース、ハー マン・ラレベルのドラムが生み出すリズムも骨太で、特にラウドな後者は聴き応えがあります。ライヴ中盤を印象付けるロックナンバー「Speed's Coming」と「Catch Your Train」の2曲も聴き逃せない存在感。「Speed's Coming」演奏後のクラウスと観客とのやり取り、続くメンバー紹介も既発を越える明度ではっきりと聴き取れます(なお、「Catch Your Train」ではテープチェンジによる欠落を既発音源で補填し、同日の完全収録を実現しています)。セットリスト本編は6分間のドラムソロをフィーチャー した「Top Of The Bill」と、ロックンロール・スタンダードのカバー「Hound Dog」・「Long Tall Sally」が最高潮の勢いで締めくくります。しかし全体で30分を越えるアンコールが本ライヴの重要なポイント。曲が終わってもずっとS.E.が鳴り続けしまう「Steamrock Fever」はご愛嬌ですが、ウルリッヒの強烈なギターが炸裂する「Dark Lady」のワイルドさは最高です。これ以降SCORPIONSの来日でお約束となる「荒城の月」は、この日はヴォーカルパートと会場のコーラスのみと言 う点に注目。公式ライヴと聴き比べると、翌日以降にギター・インストが追加されたという事実が分かります。スタジオ・テイクでは3分弱なのに、ライヴでは10分を越えるロング・バージョンとなった「Robot Man」では会場の熱気も最高で、手拍子だけでなくホイッスルまで鳴らされるオーディエンスの興奮ぶりは、聴き手へもダイレクトに伝播します。エキセント リックな「Hell Cat」も、メインを歌うウルリッヒとクラウスのコーラスが印象的。ラストはメドレー的に流れ込むようにウルリッヒのロング・ソロが炸裂! 「君が代」か らやはりジミヘンに影響された「星条旗よ永遠なれ」など、狂乱のギターが吹き荒れます(観客の回想によれば、メドレー中の「ボレロ」では2006年の ヴァッケン・オープン・エアー同様、ルドルフ・シェンカーの倒立パフォーマンスもあったそうです)。
「Ladies & Gentlemen, Scorpions」というバンド側からのコールでライヴが幕を閉じるまで約2時間、本作は全てが聴き所の連発です。今なお伝説として語り継がれる初来日 の、その記念すべき初演を既発とも全く異なる角度から細やかに記録した内容は、全てのハードロック・ファン必聴!
Live at Sun Plaza Hall, Tokyo, Japan 23rd April 1978 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (61:13)
1. All Night Long 2. Pictured Life 3. Backstage Queen 4. Polar Nights 5. We'll Burn The Sky 6. Suspender Love 7. In Trance 8. In Search Of The Peace Of Mind 9. Fly To The Rainbow 10. He's A Woman, She's A Man 11. Speedy's Coming
Disc 2 (55:31)
1. Catch Your Train 2. Top Of The Bill 3. Drum Solo 4. Top Of The Bill(reprise) 5. Hound Dog 6. Long Tall Sally 7. Steamrock Fever 8. Dark Lady 9. Kojo No Tsuki 10. Robot Man 11. Hell Cat 12. Guitar Solo incl. Kimigayo, Star Spangled Banner, Hendrix songs
Klaus Meine - Vocals Ulrich Roth - Guitar, Vocals Rudolf Schenker - Guitar, Vocals Francis Buchholz - Bass & Vocals Herman Rarebell – Drums