
元YESの3人が集った話題騒然のプロジェクト、ARW(アンダーソン・ラビン・ウェイクマン)のライヴアルバムが登場です。このプロジェクトが発案されたのは2010年ごろ。しかし、3人のスケジュールの都合が合わず、6年が経過した今年、満を持してのツアー“AN EVENING OF YES MUSIC AND MORE”が実現したわけです。本作が録音されたのは、そんなツアーの「2016年10月4日オーランド公演」。初日公演を収めたオーディエンス・アルバムです。気になる内容の前に、まずは現在までに発表されている活動の全容を見てみましょう。
・2016年10月4日-12月3日:北米(36公演)《約3ヶ月後》・2017年3月12日-25日:UK(9公演)・2017年3月27日・28日:ベルギー&オランダ(2公演)
以上が現在までに公表されている全47公演。欧州ツアーが2公演で終わるとは考えづらく、恐らく今後も日程が追加されていく事でしょう。さて、そんな初日を収めた本作は、現在世界中のマニアを沸かせまくっている録音。その最大の旨みは素晴らしすぎるショウにあるわけですが、それだけではない。メチャクチャにハイクオリティなサウンドも話題を呼んでいるのです。本作は確実にオーディエンス・アルバムなのですが、そのクオリティはまるでサウンドボード。それも、精緻にミックスされた放送音源のよう。テーパー自身が告白するまでもなく、リアルな歓声は間違いなくオーディエンス録音のそれなのですが、楽音の図太さ、ディテールの細やかさ、そして圧倒的な間近感はラインで繋がっているようにビビッド。詳しい録音ポジションは分かっていませんが、恐らくPAの相当近くで録音したのではないでしょうか。アンダーグラウンド音源に馴染みのない方に「今度、こんなCD出たよ」と言って渡しても疑わずに公式作品と思うようなクオリティなのです。そして真に凄いのは、そんなクオリティで描かれるショウそのもの。“AN EVENING OF YES MUSIC AND MORE”のタイトル通り、YESとABWHナンバーで埋め尽くされているわけですが、その演奏が凄まじい。ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマンの3人はもちろん、サポートするリー・ポメロイ(IT BITESのベース)、ルー・モリーノ3世(COCK ROBINのドラム)も素晴らしい。両者共にキャリアのある実力者であるばかりか、リー・ポメロイはリックのバンド、ルー・モリーノ3世はラビンのバンドにも参加しており、演奏の呼吸もばっちり。本作でも初日とは思えないほどビシッとしたアンサンブルを聴かせてくれるのです。いかにタイトであっても、オリジナルをなぞるだけでは面白くないもの。そこが絶賛を集めている所以でして、本作で蘇ったYESソングスは新たな息吹を吹き込まれた瑞々しさが凄い。モリーノ3世のドラミングはビル・ブルーフォードを彷彿させるオカズをふんだんに盛り込みながら、コージー・パウエルかのようにパワフル。ポメロイのベースもクリス・スクワイアのモノマネとは違う次元でドライヴ感をガンガン流し込む。重くガッシリとしていながら溌剌としたオリジナリティを発散する土台の上に乗る2人の才人、リックとラビンが互いのレパートリーをアレンジして世界を広げる。「Roundabout」ではラビンが好き放題(?)にアレンジを加え、「Rhythm Of Love」や「Owner Of A Lonely Heart」ではリックのソロも大胆に盛り込まれ、やたらと新鮮。この2人が共演するのは“UNION TOUR 1991-1992”以来、24年ぶりとなるわけですが、今回はスティーヴ・ハウもトニー・ケイもいない。2人が存分に自分色で染め合うのです。そして、そこに真のオリジネイター、ジョン・アンダーソンの声が乗る。本家YESで踏ん張るジョン・デイヴィソンも素晴らしいですが、やはりこの人の声を聴くと理屈ヌキに「あぁ、YESだ……」の感慨が染み渡ります。さらに、そのジョンが「最高傑作」と胸を張る「AWAKEN」にも荘厳なイントロやラビンのシャープなギターを得て再生。やたらと新鮮で溌剌とした名曲群が一気呵成に押し寄せるのです。今なお十分に現役感あふれる主役3人に加え、意外な収穫のリズム隊も美味しいライヴアルバムです。まさか、2016年にこれほど新鮮で懐かしいYESソングスを聴くことができるとは……。初日にして早くも世界中のマニアを驚喜させた新プロジェクトARWの真価。その旨みが極上のサウンドで轟く大傑作です。1人でも多くの方に知っていただきたい。そのための最速リリースです。
Live at Hard Rock Live, Orlando, FL. USA 4th October 2016 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND
Disc 1 (66:54)
1. Intro. 2. Cinema 3. Perpetual Change 4. Hold On 5. I've Seen All Good People 6. And You And I 7. Rhythm Of Love 8. Leaves Of Green 9. Awaken Intro 10. Awaken
Disc 2 (61:01)
1. Long Distance Runaround 2. The Fish 3. Roundabout 4. The Meeting 5. Heart Of The Sunrise 6. Make It Easy 7. Owner Of A Lonely Heart 8. Starship Trooper
Jon Anderson - lead vocals Trevor Rabin - guitars Rick Wakeman – keyboards Lee Pomeroy - bass Lou Molino III – drums