
山内テツ、ラビットを擁したラインアップで行われた1972年日本公演は、7月22日後楽園球場、24日甲子園球場で、それぞれEL&Pの前座公演と言う形で開催されました。オリジナル・ラインアップでのフリーは1971年日本&オーストラリア公演直後に解散、1972年2月に再結成されるも、当時重度のドラッグで問題を抱えていたコゾフ、そしてフレイザーが相次いで脱退、同年6月に山内、ラビットを加えた4人組として再編され、この日本公演が、このラインアップでの最初の公式コンサートとなりました。本盤は、トレーダー間でも一切出回っていないオリジナル・マスター・カセットより、後楽園公演を良質な高音質オーディエンス録音で収録しています。マスターは60分テープで、初登場部分としては、テープ片面に収録された31分で、全体の47分の内、イントロとI'm On The Run39秒目まで、ショウ後半のHeartbreaker2分30秒目以降のラストまでは、同日既発音源で繋いでおり、ライヴ自体は完全収録となっています。来日直後「今回のメンバーではまだ一度も練習していないので、今の段階で、新生フリーとして記者会見に臨むようないい加減なことはできない」と会見の出席を拒否。しかし17日から18日までTBS裏の国際芸術家センターで、そして19日から21日まで所属しているキングレコードのスタジオでみっちりと練習を重ね、後楽園公演に挑んだとのことです。(ただし、20日にサイモンが漫性胃腸炎を再発し、高熱のため、2日間は練習に参加できず)当日は雨模様で、公演のスタートも予定より1時間遅れてのスタート。権利系の問題なのか、オリジナル・フリーの代表曲はやりたくなかったのかFire And Water、そしてストーンズのカバーHonky Tonk Women以外は、翌年発表される「Heartbreaker」収録ナンバーや未発表曲等、当時の観客には馴染みのない曲ばかりで構成されたセットでしたが、ギターを片手に熱唱するロジャース、病み上がりとは思えない程ヘヴィなドラムを聴かせるカーク、そして存在感溢れるプレイを聴き手を魅了するラビット、山内の4人の放つ、まさにこの時期だけのバンド・アンサンブルは、今、非常に味わい深いものがあります。Unseen Loveではラビットがリードボーカルを務め、間奏では金管楽器(チューブラベル)を駆使し、独特の音世界を演出します(この辺はテレビ映像でも必見パートになっています。)今回のニューマスターでは2曲目のLike Water終演後、録音者周りの「全然見えないぜ」「俺んとこ見えるぜ、だけど」、続くLadyの後では「カメラ邪魔だな、ドラムが見えない」「ギターが全然見えない」と悲しい会話が聴こえ、ステージから遠いのか近いのか良く分からないのですが、音質は太くしっかりと録れており、十分な聴き応えがあります。前述の通りHeartbreakerの2分30秒目で既発テイクに切り替わるのですが、その部分から手拍子がラウドになります。既発は、クリアーで整理された音で録音されていますので、コレクターは手放す必要はありませんが、初めて登場した本テイクもまた、既発とはまた違った趣を感じさせる自然な質感が魅力の逸品であり、マニアの方々には是非ともコレクションに加えて頂きたいと思います。1971年フリー伝説の初来日、そして1975年バドカン武道館公演とは違い、ロジャース&カークにとってバンド仕切り直しの時期に行われた、非常に特異な演奏内容だった1972年夏の来日公演ですが、日本における洋楽興行史においては重要な公演であったことは間違いありません。
Live at Korakuen Stadium, Tokyo, Japan 22nd July 1972 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters) (47:01)
1. Intro. 2. I'm On The Run 3. Like Water 4. Lady 5. Seven Angels 6. Unseen Love 7. Heartbreaker 8. Honky Tonk Women 9. Fire And Water 10. Outro.
Paul Rodgers - Lead Vocals, Guitar John "Rabbit" Bundrick - Keyboards, Vocals Tetsu Yamauchi - Bass Simon Kirke - Drums, Vocals