
オリジナル・カセット復刻シリーズ、真打ちの登場です。今までもグラハム・ボネット時代やジョー・リン・ターナー時代のカセットを発掘して参りましたが、今回はいよいよロニー・ジェイムズ・ディオ時代。それも、伝説の初来日公演をダイレクトに録音してきたオリジナル・カセットからの復刻です。本作に封じ込められたコンサートは、「1976年12月5日・大阪厚生年金会館」公演。1976年の初来日は全9公演あった上に大阪厚生年金会館でも3回ありましたので、ここで今一度日程を振り返ってみましょう。
・12月2日:東京都体育館 ・12月5日:大阪厚生年金会館 【本作】 ・12月7日:名古屋市公会堂 ・12月8日・9日:大阪厚生年金会館 ・12月10日:京都会館 ・12月13日:福岡・九電記念体育館 ・12月14日:広島市公会堂 ・12月16日:日本武道館
このように、本作の大阪初日は全日程の2日目という極初期にあたる。リッチー・ブラックモアにとっては、伝説の第2期DEEP PURPLE最終公演(イアン・ギランが「the end…」とつぶやいた、あのライヴ)以来の大阪。しかも、まったく同じ厚生年金会館大ホールに戻ってきたステージなのです。そんな記念碑的コンサートを記録したキニー録音は、かつて『ON TOUR 1976: STARGAZER』として世に出て、広く親しまれてきた名録音です。しかし、録音自体は知られていても、そのクオリティは完全に未知の世界。既発よりもイントロ、アウトロ、曲間が長く収録され、左右逆だったステレオも正しくなっていますが、そんなことは些細なこと。肝心要のサウンドがまったく違い、オリジナル・カセットならではの鮮度が凄まじい。明らかに楽音が太く、クリア。リッチーの静かにつま弾けば、その1つひとつのピッキング・ニュアンスまで克明で、バンド全体でダイナミックにってもド迫力のアンサンブルが塊にならず、キッチリと1音1音が浮き立つ。実際、恐ろしく鮮やかなサウンドはダイレクト感まで増し、もう既発と比較するのさえバカバカしくなるほどに瑞々しい。あれだけ素晴らしく思えた名作『ON TOUR 1976: STARGAZER』がこもって聴いていられない。よく「ベールを1・2枚剥いだような」と書くことがありますが、いっそ録音ポジションそのものさえ変わってしまったかのように聞こえるほどです。『ON TOUR 1976: STARGAZER』だけではありません。このライヴにはキニー録音以外にいくつもの録音が見つかっていますが、あらゆる既発を度外視できるレベル。まったくもってナンバー1のクオリティです。これだけのサウンドは、リマスターで実現できるものではない。もちろん、マスタリングも施してはありますが、無理に楽音を強調するようなマネは一切しておりません。いや、する必要すらなく、自然な鳴りをそのままに活かす以外、音源が「何もするな!」と言ってくるようなサウンドだったのです。ただし、マスターの経年劣化で瞬間的なノイズがいくつか入っていましたので、それらを丁寧に除去し、録音漏れとなっていた「Stargazer」前の曲間とキーボードイントロを1分38秒間ほど別録音で繋がせていただきました。完璧なサウンドだけに、ショウ全体をシームレスに堪能していただきたかったのです。そんなサウンドで描かれるRAINBOW大阪初見参は、とんでもなく素晴らしい。既発ですでにご存じの方も多いと思いますが、この録音は猛烈な嬌声で始まる。「Over The Rainbow」をバックに「リッチィィィー!」の大声援が入るわけですが、バンドが登場するやそのバランスは完全に逆転。声援は相変わらずなものの、なぜかどんどん音量が落ちていき、演奏の音がデン!と主役を貼る。「Kill The King」の歌い出しが始まる頃には、まるで観客がいなくなってしまったかのよう。その後は、曲間などで歓声も含めた生々しさを臨場感たっぷりに伝えてくれますが、そんな熱狂を呼ぶ演奏こそが素晴らしい。この日は公式にレコーディングされており、録音に臨む気合いも十分に伝わる。リッチーは出来に満足できなかったそうですが、一体この名演のどこが気に入らなかったのかサッパリ分かりません。逆に、そのリッチーの不満が怒りに変わったかのようなアンコールが凄絶。「Do You Close Your Eyes」でストラトキャスターをいじめ抜くアーミングの激烈なこと! ここまでの猛烈な演奏、と言いますかパフォーマンスは、それこそDEEP PURPLE初来日以来ではないでしょうか。狂気、です。名演ぞろいの初来日でも、メモリアルにして狂気のパフォーマンスまで聴かせた大阪初見参。その頂点録音がオリジナル・カセットから復刻された歴史的大傑作です。四の五の申し上げてきましたが、それもこれもこの音の前には空しくなる。これこそ、RAINBOW。
Live at Koseinenkin Kaikan, Osaka, Japan 5th December 1976 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (39:30)
1. Over The Rainbow 2. Kill The King 3. Mistreated 4. Sixteenth Century Greensleeves . Catch The Rainbow
Disc 2 (64:40)
1. Lazy 2. Man On The Silver Mountain 3. Blues 4. Starstruck / Man On The Silver Mountain 5 .Keyboard Intro. 6. Stargazer 7. Still I'm Sad incl. Keyboard Solo 8. Drum Solo feat. 1812 Overture 9. Still I'm Sad (reprise) 10. Do You Close Your Eyes 11. Over The Rainbow
Ritchie Blackmore - Guitar Ronnie James Dio - Vocal Cozy Powell – Drums Jimmy Bain - Bass Tony Carey – Keyboards