
「Just One Night」をリリース後のインタビュー中心で、ヤング・ジョッキーでお馴染みのDJの語りを中心とした翻訳がまず面白く、しかも、そのインタビュー内容がマニアも驚く程に実に興味深いに内容になっており(この面白さは著名なクラプトン研究家もお墨付き!)、ビギナーからマニアまで、100%楽しめる、大変優れた一枚です。 エリック・クラプトンの貴重なインタビューをフィーチュアしたラジオ・アルバムがギフトアルバムで復活です。本作は、BBCの番組“BBC ENCORE HOUR”を収めたものですが、イギリス本国の英語放送ではなく、“ヤング・ジョッキー”でもお馴染みの某有名DJが内容をキチンと日本語で伝えてくれる日本放送版。最大のポイントは、BBCインタビュアによる恐ろしく鋭い質問なのですが、それを伝える日本版の番組構成も秀逸。「DJの日本語解説」→「英語のインタビュー原音」→「それにまつわる曲」を繰り返していくのですが、まず最初に日本語で内容が頭に入るので、原語でも意味を気にすることなくクラプトンの語感・声色から透ける感情に集中できる。日本放送にありがちな同時通訳のまどろっこしさがなく、非常にスッキリと聴けるインタビュー番組なのです。そして、肝心要のインタビューこそが凄い。。BBCのインタビュアが具体的な作曲のヒントやドラッグに溺れていた暗黒時代に鋭く切り込むだけでも驚きですが、さらにはクラプトン自身の音楽観、後進ギタリストへの素直な気持ちに至るまで、“音楽家エリック・クラプトン”を炙り出していく。しかも、回答するクラプトンも素直な心情をストレートに吐き出しているので、哲学を語っていても小難しさがない。その濃密な内容は、自伝にも語られず、長年のクラプトン研究家も唸る凄まじいものなのです。例えば、ライヴアルバム。このインタビューは武道館ライヴ『JUST ONE NIGHT』リリース直後のものなのですが、「なぜ武道館?」との質問に「本当は嫌だったんだけど、マネジメントに押し切られた」とあっさり応える。その上で武道館という場所について「音響も良く、設備も完全無欠。スタッフも観客も完璧。だからミュージシャンの演奏が問われるんだ」と、あくまでも“演奏家”としての視点で応えるのです。それに次いで「なぜライヴアルバムが嫌い?」と突っ込むと、「その場の観客を沸かせるためにソロを伸ばしたり、いろいろ工夫するんだけど、それをレコードで繰り返し聴くのは今いちだよね」と、納得の言葉にたどり着く。また、ドラッグに溺れた暗黒時代についても「必要だったと思うし、何も失わず、得たものは沢山あった」「でも理解してもらえなかった」と本音を吐露する。社会通念とは反していても構わず口にするクラプトンも凄いですが、その上で「(それを契機に)音楽が柔らかくなったと思うけど?」と突っ込んでいくBBCインタビュアも凄い。小心な日本人なら闇の時代を当人に質問するだけでも難しいのに、インタビュアはガンガン切り込み、音楽変遷の謎を解きほぐす糸口にしてしまう。さすが、さすがロック史と共に歩んできたBBCです。さらに面白いのは後進ギタリスト達について。最初は「凄いギタリストをマネしようとしても無理だし、聴かないよ」と優等生な回答をしているクラプトンですが、すかさずインタビュアは「あなたに弾けないフレーズはないでしょう?」と突っ込む。すると、クラプトンは「CREAM時代は長々とインプロを弾いていたけど、ブライアン・メイはわずか8小節で完璧なソロを弾くじゃないか。圧倒されるよ」と、本当の本音だったことが明らかになるのです。そんな質問を重ねるうちに「スター扱いされるけど、自分が凄いことをやってるとは思えない。褒められるのはプレッシャーだった」など、クラプトンの人柄さえも浮き彫りになっていく。他にも「一番気に入ってる自分のレコード」「クラプトンにとって、人間にとっての音楽とは」「作曲することの苦しみ」等々、とてもここではとても書ききれないような鋭く、深いやりとりが連発。しかも、その合間にはインタビューの内容に沿った名曲の数々が流される。意外にレアなシングル・エディットの「Layla」、黒人サックス奏者キング・カーティスとの「Teasin’」等々、クラプトンの本音とシンクロして聴く名曲群は、今までとまるで違った表情で響くのです。人嫌い、インタビュー嫌いで知られるクラプトンから、これだけのコメントを引き出し、名曲と交えてその本音を音楽に昇華させる。その総てが英語力ゼロでもビビッドに伝わるラジオ放送の大傑作です。クラプトンをよく知り、愛する方にこそ聴いていただきたい深いインタビュー番組。ぜひ、この機会にお試しください。
Feat. Eric Clapton Interviews And Other Assorted Live Tracks Broadcasted in Japan 1981(Clapton interview tracks recorded in 1980)
1. Sunshine Of Your Love(from "Live Cream Volume 2") 2. Introduction 3. Interview Translation 1 4. Clapton Interview 1 5. If I Don't Be There By Morning(from "Just One Night") 6. Interview Translation 2 7. Clapton Interview 2 8. Tales Of Brave Ulysses(from "Live Cream Volume 2") 9. Interview Translation 3
10. Clapton Interview 3 11. After Midnight(from "Just One Night") 12. Interview Translation 4 13. Clapton Interview 4 14. Layla(from "Layla And Other Assorted Love Songs") 15. Interview Translation 5 16. Clapton Interview 5 17. Teasin’(from "History Of Eric Clapton")
18. Interview Translation 6 19. Clapton Interview 6 20. Cocaine(from "Just One Night")