
なんと言うことでしょう……。まさか、2016年になってこれほどの録音が出てきてしてしまうとは。まさに現在、世界中のDEEP PURPLEマニアが驚きに震えている真っ最中の衝撃の大発掘音源が登場です。その衝撃の1本とは、「1972年2月19日ダゲナム公演」5曲と「1971年10月4日ロイヤル・アルバート・ホール公演」2曲のオーディエンス・マスター。どちらも完全収録ではありませんが、合計80分弱。その総てが今まで存在すら知られていなかった録音なのです。DEEP PURPLEほど発掘・研究が進んでいるバンドでありながら、未だに新発掘されること自体が驚きですが、それだけでは世界中のマニアは震撼しない。本当に凄いのは、そのマスターに封じ込まれたライヴ、そしてサウンド・クオリティなのです。確かに70年代初頭のヴィンテージ感・空気感はあるものの、“当時にしては”の枕詞がいらないほどにクリア。楽音がズバッと耳に飛び込む直球感があり、激しい演奏に固唾を飲むように静まりかえった会場に轟く。そのわすかな残響は、ギターやハモンドの響きを豊かにはしても輪郭をボカすことはなく、透明に透き通った空気の中を切り立つ楽音が飛び交うのです。希代の大名盤「MACHINE HEAD」はホテルの廊下にモービル・ユニットを持ち込んで制作されたわけですが、そんな故事さえも思い起こさせる自然で豊かな、それでいてクリアな鳴り。どういう経緯で発見されたかは分かりませんが、初めて再生音を聴いた人間の驚きが目に浮かぶようです。そんな大発掘マスターだけに、プレス化に当たってもパーフェクトを期しました。実際、現在ネットで大反響となっているバージョンは、ピッチの狂いが激しい。1971年ロイヤル・アルバート・ホールは半音の1/4ほどですが、1972年ラウンドハウスは最大で半音もズレている。しかも、ズレ方がランダムに変わり、ちょっとやそっとの調整では直せないものでした。もちろん、そうした狂いを微に入り細に入って補正し、「Child In Time」中盤に発生していた周期ノイズも改善。さらに、多少モコモコしていたサウンドもタイトにすることで、原音のクリアがさらに際立つ仕上がりとなりました。もちろん、そうしたマスタリング作業の1つひとつに、“あくまで原音を活かす”のポリシーが貫かれ、派手なイコライジングで欠点を誤魔化すようなことは一切しておりません。録音の意味を熟知した上で、その魅力を最大限に引き出すことだけに注力したのです。そんなサウンドで描かれるライヴの素晴らしさ。それこそが、本作最大の魅力です。ロイヤル・アルバート・ホールの1971年10月と言えば、前月に「FIREBALL」が本国リリースされたばかりですし、ラウンドハウスの1972年2月は「MACHINE HEAD」のリリース直前。まさに上り坂真っ盛りの中の勢いに溢れつつ、各人のコミュニケーションやインプロにも“慣れ”や“ダレ”がない。「Highway Star」のソロにしても手垢まみれになったフレーズの繰り返しではなく、真の即興で描いていく新鮮さに溢れているのです。しかも、1970年辺りとは違って書き溜められてきた名曲群がセットリストを占め、演奏の迫力だけではなく楽曲の魅力もたっぷり。特に注目したいのは「FIREBALL」からの「No No No」でしょうか。1971年秋や1972年初頭で演奏されるも、すぐにセット落ち。その後も現在に至るまで復活しない幻の曲が、これほどのサウンドで聴ける日が来るなんて……。もちろん、他の曲も「MADE IN JAPAN」にさえ劣らぬ熱いインプロが盛りだくさんで、「Fireball」もタイトル通りの烈火の如き生演奏で駆け抜けるのです。40年以上の時を越え、突如、現代に現れた大録音。これはもう、2016年最大の発掘に間違いない。2016年が始まって3週間ほどだというのに、そう確信できる、いえ、“確信させられる”といった方が正確でしょう。それだけの説得力で引っぱたかれる録音なのです。その登場と共に世界中を震撼させ、始まったばかりの2016年にいきなりとどめを刺してしまった衝撃のマスター。そして、その録音を極限までリペアした、世界に1つしかないライヴアルバムです。ぜひ、あなたもご体験を!
Roundhouse, Dagenham, UK 19th February 1972 PERFECT SOUND Royal Albert Hall, London, UK 4th October 1971 PERFECT SOUND (79:19)
Live at Roundhouse, Dagenham, UK 19th February 1972
1. Intro 2. Highway Star 3. Strange Kind Of Woman 4. No No No 5. Child In Time 6. The Mule
Live at Royal Albert Hall, London, UK 4th October 1971
7. Lazy 8. Fireball
Ian Gillan – Vocal Ritchie Blackmore – Guitar Roger Glover – Bass Jon Lord – Keyboards Ian Paice – Drums