1stアルバム「ALCATRAZZ」リリース後の1983年10月から12月にかけて、ALCATRAZZはカリフォルニア州を中心にライヴを繰り返し、イングヴェイの革新的なギターが地元ファンの大きな支持を集め始めていました。このうち11月19日にサンフランシスコの"ヴォルフガングズ・カブキ・クラブ"でブッキングされていたライヴは、直前でグラハム・ボネットが体調を崩したためにALCATRAZZとしてのショウがキャンセルになってしまいましたが、「とにかくステージでプレイしたい」イングヴェイは、会場に集まったファンを喜ばせようと単独でステージに上がり、ソロ・ライヴを披露する事になりました。本作では突発的に行われたこのスペシャルなライヴを34分間にわたって高音質なサウンドボード音源で収録した、イングヴェイのキャリア上においても特筆される超重要音源です!過去に本音源がリリースされた際、イングヴェイのバックを支えている"地元のローカル・バンド"が「驚くほど技術がある」・「このベースのほうがマルセル・ヤコブより上手いのでは?」と話題になりました。しかしここでイングヴェイのサポートを務めたバンド・ANVIL CHORUSは、実はコアなマニアから「ベイエリア・スラッシュの始祖ともいえる存在」と、半ば伝説視されているほどのバンド。'82年にはすでにデビューE.P.「BLONDES IN BLACK」をリリースしており、メンバーそれぞれも"ローカル・バンド"という表現がちょっと失礼なほどの実力を持っているのです(付け加えれば、彼らは近年になって再結成。'09年には'82年のE.P.以来27年ぶりの作品にして、初めてのフルレンス・アルバムとなる「THE KILLING SUN」をリリース。METALLICAのカーク・ハメットや、EXODUSのゲイリー・ホルトからもリスペクトされているとの事です)。余りにも突然のライヴであったため、おそらくリハーサルにもさほど時間は取れなかったと思われ、演奏はほとんどイングヴェイのギターソロなのですが、セット中では翌'84年にリリースされるソロ・デビューアルバム「RISING FORCE」からも数曲を取り上げているのが特徴です。1曲目の「Black Star」からイングヴェイは全編でALCATRAZZ以上の大暴れを見せ、天才的なプレイを随所で爆発させています。ANVIL CHORUSもショウの特性を活かし、イングヴェイをサポートしつつ自分達も聴き所たっぷりにプレイを披露します(イングヴェイを向こうに回してこの存在感!)。マニアが「マルセル・ヤコブ以上」と驚く通り、ジャム・パートを挟んだ「Black Star」と「Evil Eye」ではイングヴェイのギターに負けない的確さで卓越したプレイを見せ付けるアーロン・ジンペルのベースも大きな聴き所。この時のステージにANVIL CHORUSのギターであるダグ・パーシー(HEATHENにいた事で有名)がいたかどうか定かでは無いのが残念ですが、手数の多いアグレッシヴなアプローチで演奏をドラマティックに盛り上げるドラムもなかなか凄く、「Now Your Ships Are Burned」は素晴らしいパフォーマンスになっています。演奏中はイングヴェイとバンドの間でキメ等がズレる部分もありますが、ポジティヴな「ファンを満足させたい」という熱意に「自分達も演奏を楽しむ」というムードは、特別なステージをさらに充実したものとしています。ALCATRAZZのライヴ以上にイングヴェイが大活躍する圧巻のパフォーマンスは、もちろん全てのイングヴェイ・ファン、ギター・フリーク必聴。多くのファンが熱いラブコールを寄せ続けてきた本作の再登場を、今回こそ絶対にお見逃し無く!
Live at Wolfgang's Kabuki Club, San Francisco, CA. USA 19th November 1983 SBD
1. Black Star 2. Jam/Black Star 3. Evil Eye 4. Guitar Solo 5. Coming Bach/Guitar Solo 6. Air 7. Now Your Ships Are Burned 8. Blues 9. Memories
Graham Bonnet got sick and he canceled the Alcatrazz show. Yngwie did not want to disappoint the fans and he played with the local band "Anvil Chorus".
SOUNDBOARD RECORDING