
関係者から直接渡されたマスターカセットに収められていた、正真正銘の大本サウンドボード音源。驚異の生々しさを誇る空前の1本が登場です。本作に収められているのは、ジミー・ペイジとポール・ロジャースによるTHE FIRMの「1985年5月20日エディンバラ公演」。以前から「RADIOACTIVE SIRENS」「PLAYHOUSE THEATRE 1985」をはじめとした名盤を生んできた定番音源ですが、今回関係者から入手したのは、その大本となるマスターカセットなのです。実際、そのカセットから流れ出るサウンドは、空前絶後のダイレクト感。既発からして素晴らしいライン・サウンドだったわけですが、それすら次元がまったく違い、まるで耳にプラグを突っ込んで脳で直接再生しているかのよう。既発と同じように「Radioactive」の終わりから「Live In Peace」の冒頭にかけて、また「I Just Wanna Make Love To You」の中盤でテープチェンジの欠落もありますが、そんなシーンもフェイド処理がなく、ぶつ切りのリアリティは、マスターカセットが目の前にあるような生々しさを誇っているのです。さらに今回は、そのマスターカセットの原音を丁寧にリマスタリング。もちろん、原音の生々しさを加工するようなマネはしておりません。少々右寄りだったバランスをセンターに戻し、若干高かったピッチもジャストに調整。より現場で鳴っていたサウンドが忠実に蘇るマスタリングに注力しました。それほどのサウンドですから、ポール・ロジャースの声もまさしく“息づかい”レベル。誰もが欲しがり、羨むあの歌声が耳元で囁くように聞こえるのです。現在でも衰えを知らぬ美声を聴かせてくれるロジャースですが、この当時は35歳。ロック・シンガーとしては脂が乗りきり、ブルース・シンガーとしてはこれから全盛を迎えるという、一番美味しい年齢でした。実際、本作をかけて耳元に流れ込む、芳醇な歌声は絶品。一言一言がまろやかに響きつつ、細やかなニュアンスは実に繊細。かと言って、デヴィッド・カヴァデールのようにわざとらしい歌い回しをするでもなく、そのトーンだけでも豊かな情感を滲ませている。FREEから現在まで、数々の名唱を残してきたロジャースだけに「本作がベストシンギング」と言い切る自信はありませんが、これほど名唱が間近に迫る録音は、ちょっと思いつきません。ロジャースが“息づかい”レベルだとすれば、ジミー・ペイジは“弦の振動”レベルとでも言えばいいでしょうか。“飛行船の幻影”から遠ざかろうとしていた時期だけに、栄光に包まれたキャリアの中でも真骨頂とはほど遠いわけですが、だからこその情熱が熱いのも確か。特に「DEATH WISH II」からの情感溢れるインスト「Prelude」は本当に素晴らしい。繊細な旋律に込められた魂が、弦のこすれる音まで聞こえるダイレクト感で耳に流し込まれる……。さらに新たなスタートを期する気概が透けるのは「Midnight Moonlight」。「PHYSICAL GRAFFITI」のアウトテイク曲「Swan Song」を壮大に作り替えたものですが、DADGADチューニングにも関わらず、「White Summer/Black Mountain Side」には一切触れない。この後「OUTRIDER」「COVERDALE?PAGE」と、少しずつ伝説との折り合いを付けていくペイジですが、ここでは新たなパートナー:ポール・ロジャースとの独自世界にこだわる姿が印象的です。デビュー作「THE FIRM」の新曲群には、そんな“2人の世界”が刻まれているわけですが、特に印象深いのは「You've Lost That Loving Feeling」。穏やかなブルースロックを淡く彩っていく歌声とギターのなんと素晴らしいことか。その色合いが少しずつ少しずつ、まるでワインに溜まる澱のように深みを増していく。そして、中盤にペイジのソロとロジャースの歌声が絡み合い、終盤で一気にロジャースが感情を爆発させる。まったくもって英国ブルースロックの粋を集めたような深い味わいの1テイクです。“2人の世界”が広がるのは、新曲だけではありません。ロジャースのソロ・レパートリー「Live In Peace」では、深く歌い込むロジャースの歌声に応えるように、ペイジも情熱迸るソロを熱く熱く弾き込む。前述の通り冒頭がカットされていますが、熱く、激しく、深い2人の情感が交錯する後半は見事なダイレクトサウンドで捉えきっている。まさにこの2人が並び立つからこその名パートでしょう。“ロジャースが歌うLED ZEPPELIN”ではなく、“ペイジが弾くBAD COMPANY”でもない。それでいながら“この2人”でしかあり得ないTHE FIRMの世界。それを手で触れられそうなほど身近に感じられるライヴの銘品です。30年の刻を超えた2015年になって初めて実現した、“伝説の2人”に最接近できる1本。今週末、あなたは2人の間に立つことになるでしょう。
Live at Playhouse Theatre, Edinburgh, Scotland 20th May 1985 STEREO SBD(from Original Masters) Direct from master soundboard cassettes
Disc 1 (49:30)
1. Intro. 2. Closer 3. City Sirens 4. Make Or Break 5. The Morning After 6. Together 7. Cadillac 8. Prelude 9. Money Can't Buy 10. Satisfaction Guaranteed 11. Radioactive 12. Live In Peace
Disc 2 (62:27)
1. Midnight Moonlight 2. You've Lost That Loving Feeling 3. The Chase 4. I Just Wanna Make Love To You 5. Band Introductions 6. Someone To Love 7. Boogie Mama
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Paul Rodgers - Lead Vocals, Guitars Jimmy Page - Guitars Tony Franklin – Bass Chris Slade - Drums, Percussion