BRYNDLEの『HOUSE OF SILENCE』以来16年ぶり、ソロとしてはなんと30年ぶりとなるスタジオ新作『CARRY ME HOME』を発表するカーラ・ボノフ。そんな彼女の最新・極上ライヴアルバムがリリース決定です。本作が録音されたのは「2018年8月29日」。ニナ・ガーバーとのデュオで来日していましたが、その最中に行われた東京公演の模様です。近年、彼女はほぼ1年おきに来日しているものの、今回は30年ぶりの新作を携えてのタイミング。まずは、そんな2018年スケジュールの中でショウのポジションを確認してみましょう。
・1月11日+12日:北米#1(2公演)・2月18日-6月8日:北米#2(28公演)・7月22日-8月10日:北米#3(3公演)・8月29日-9月1日:日本(6公演)←★ココ★《9月『CARRY ME HOME』発売》・9月20日-23日:北米#4(4公演)
・11月9日:シェリダン公演
これが公式にアナウンスされている2018年のツアー概要。北米を数公演ずつ細かく巡っていますが、『CARRY ME HOME』リリースの直前に来日。日本では東京2日間で4公演、大阪1日で2公演を行いましたが、本作はその2公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを収録した本作は、美声輝くオーディエンス録音。録音家本人から譲られたオリジナル・マスターなのですが、現場が小さいこともあってか、猛烈に近く密着感が圧倒的。歌声の芯もニナのエレキもオンに真っ直ぐ飛び込むダイレクト・サウンドです。ただし、それだけ骨太ではあっても味気ないサウンドボードとはわけが違う。会場は天井が高い造りになっており、芯はダイレクトでもそこから仄かな音響が上へ上へと伸びていく。これが美声に降り注ぐような艶と煌めきを与えており、しかもエフェクトとは違う無作為のナチュラル感もたっぷり。この美しさは、そんじょそこらのサウンドボードや放送では決して味わえない。現場音だからこその美、オーディエンスだからこそ成し得るナチュラル・ヴォイスに全身を浸しきれるのです。その美の音で描かれるのは、まるで本生版『CARRY ME HOME』。すでに公式サイトからの直販は始まっているので聴いた方もいらっしゃるかもしれませんが、30年ぶりの新作はほとんどが過去レパートリーの再録で、そこに新曲「Carry Me Home」やジャクソン・ブラウンのカバー「Something Fine」をまぶした作品。本作もその流れを汲んでおり、披露される13曲中7曲が『CARRY ME HOME』の収録曲。もちろん上記2曲も歌いますし、ボニー・レイットに提供した「Home」やリンダ・ロンシュタットで有名な「All My Life」、BRYNDLEの「All The Way Gone」、そして「Restless Nights」も披露するのです。そして、残り半分も代表曲&カバー。特に2ndアルバム『RESTLESS NIGHTS』からは「Trouble Again」「Only A Fool」「Baby Don't Go」「When You Walk in the Room」と大盤振る舞いされ、そこにデビュー作の「Falling Star」やジョン・レノンの「Imagine」も演奏する。「Imagine」はニナのアコギ・ソロで、オリジナルのメロディをほんのりと漂わせながらムードを醸成していく絶品のギターがタップリ味わえます。30年ぶりの『CARRY ME HOME』の方向性そのままに、さらに拡大したような実にカーラらしいステージ。その現場を素晴らしいサウンドでフル体験できる1枚です。美しい声、美しいサウンド、そして美しいメロディ。じんわりと胸の中に広がるような音楽の夕べ。
Live In Tokyo, Japan 29th August 2018 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters)(70:21)
1. Intro 2. Trouble Again 3. Home 4. Something Fine 5. Only A Fool 6. Carry Me Home 7. Restless Nights 8. All The Way Gone 9. Tell Me Why 10. Imagine 11. Baby Don't Go 12. Falling Star 13. When You Walk in the Room 14. All My Life
Karla Bonoff - vocals, acoustic guitar, piano Nina Gerber - electric guitar, acoustic guitar