
重鎮BLACK SABBATHの解散まで、残すところあと9公演。いよいよ、カウントダウンが迫ってきました。その最新にして、“最後のアメリカ公演”となるライヴアルバムがリリース決定です。解散ツアー“THE END”が始まったのは、今年の1月。当店では、世界各国のコンサートを常にライヴアルバムでレポートして参りましたが、その日々も終わりに近づきつつあるのです。最近はレッグ合間のオフもあり、少々時間も空きましたので、まずはここまでの“THE END”の歩みから思い出してみましょう。
・2016年1月-3月:北米#1(18公演)・2016年4月:オセアニア(7公演)・2016年6月-7月:欧州(17公演)・2016年8月-9月:北米#2(19公演)・2016年11月-12月:北米#3&南米(11公演) →★今ココ★←・2017年1月-2月:ドイツ+UK(9公演)《BLACK SABBATH解散》
以上の全81公演が“THE END”の全容です。先週「南米」日程が終了し、残すところはドイツと本国イギリスの9公演のみなのです。現在、世界中のマニアが「南米」と「北米#3」の録音総括に勤しんでいるところですが、本作はその第一報にして代表作候補の筆頭に挙げられている名録音。「2016年11月12日サンアントニオ公演」のオーディエンス・アルバムです。この日は「北米#3」の最終日にあたるわけですが、これは即ちBLACK SABBATH最後のアメリカ公演を意味する。1970年より46年、BLACK SABBATHが行ってきたアメリカ公演は800回を優に超え、本国イギリスの2倍以上。世界のどこよりも多くライヴをしてきた国の、最後の1回を収めたライヴアルバムなのです。そんなメモリアルな本作のクオリティは、実に素晴らしいオーディエンス・サウンド。近年希に見る“音源異常事態”で知られる“THE END”だけに「ツアーNo.1」とは言えないわけですが、その辺のバンドであれば文句なしに代表作となり得る次元の傑作録音。生々しい現場感覚を湛えながらもオーディエンス・ノイズを圧倒する極太の楽音が轟き、小さいバランスでも立体感のある大歓声は会場の巨大ぶりを如実に物語る。最新録音なのにヴィンテージ感さえ漂わせるサウンドは漆黒のSABBATHワールドによく似合い、それでいて最新録音ならではのディテールも浮かび上がる。まるで、70年代のラジオ放送かのようなライヴアルバムなのです。そのサウンドで描かれるBLACK SABBATH最後のアメリカ公演は、メモリアルな感傷を押しつぶすかのように重い。引き摺るようなリフはますます重量感を増しており、荒縄の如きギターとベースが絡み合う様は暴力的ですらある。セットリストは(ツアー冒頭の6公演を除いて)長らく固定されてきましたが、ここにきて新たに微調整。「Hand Of Doom」がカットされ、全13曲にシェイプアップされました。「13」にこだわりがあるのかは定かではないものの、さらに濃くなった濃縮感にむせ返るよう。このまま2017年2月に控える最終公演を迎えるのかは分かりませんが、もしかしたらこれが“BLACK SABBATHの最終形”なのかも知れません。いつにも増して名残惜しそうに「Thank you, good night」「God bless you all」を繰り返すオジーの声と共に、本作は幕を閉じる。終わったばかりの「北米#3&南米」を代表する1作にして、“終わりの終わり”を予感させる重々しいライヴアルバムです。次なるショウは、年の改まった2017年1月17日(ドイツ)。その後は最後の故郷バーミンガム公演2月4日まで、一気にひた走ることになります。その直前となる重厚なるライヴアルバム。最後の9カウントが始まるまで、あと少し。今はただ、本作で“この時”を噛みしめてください。
Live at AT&T Center, San Antonio, TX. USA 12th Novemver 2016 PERFECT SOUND
Disc 1(56:34)
1. Intro 2. Black Sabbath 3. Fairies Wear Boots 4. After Forever 5. Into the Void 6. Snowblind 7. War Pigs 8. Behind the Wall of Sleep 9. N.I.B.
Disc 2(37:05)
1. Rat Salad 2. Iron Man 3. Dirty Women 4. Children of the Grave 5. Paranoid