
「もしかしたらAC/DC最後の傑作録音かも!?」……そんな不穏なウワサさえ漂う最新・極上ライヴアルバムが登場です。現在、彼らは耳のトラブルでツアーから離脱したブライアン・ジョンソンに代わり、アクセル・ローズを迎えてツアー中。当初は賛否両論を巻き起こした超豪華合体でしたが、ツアーが進むにつれて世評も「賛」へグッと傾いてきたところ。しかし、アクセルはあくまでもピンチヒッターであり、現在発表されているのは従来から予定されていたライヴ日程「欧州ツアー13公演」と「北米ツアー10公演」のみ。「今回がAC/DCのラスト・ツアーになるのでは!?」との憶測も飛び交っています。本作は、そんな彼らのツアー終了もカウントダウンに入った「2016年9月11日バッファロー公演」のオーディエンス・アルバムです。ここで「北米ツアー10公演」の詳細を確認してみましょう。
・8月27日グリーンズボロ公演(北米ツアー初日)・8月30日サンライズ公演 ・9月1日アトランタ公演 ・9月4日コロンバス公演 『COLUMBUS 2016』 ・9月6日クリーブランド公演 ・9月9日オーバーンヒルズ公演 ・9月11日バッファロー公演 【本作】 ・9月14日ニューヨーク公演
・9月17日ワシントンDC公演 ・9月20日フィラデルフィア公演(AXL/DC最終日)
これがAXL/DC「北米ツアー10公演」の全容。先日も『COLUMBUS 2016』でレポートしましたが、本作はその3公演後。最終公演であるフィラデルフィア公演も目前に迫ったライヴなのです。そんな本作のサウンドは、まさに極上。いわゆる「まるでサウンドボード」と呼ぶべきクオリティで、骨太な楽音はダイレクト感たっぷり。現場の熱狂も吸い込んだオーディエンス録音のはずなのですが、その熱狂も丁寧にミックスされた公式アルバムのようなバランスで、広大ではあっても楽音の方が遙かに近い。その一方で、公式作品ほど磨き込まれた感触とも違う生々しいニュアンスもあり、ラジオの生放送を聴いているよう。もし「SBDか、AUDか、賭けろ」と言われたら、ヘッドフォンに手を当てながら目を閉じ「SBD」と答えてしまう……そんなクオリティ。本作はラスト・ライヴではありませんが、最終公演のフィラデルフィアまで、あと3公演でここまでの録音が実現できるかどうか……冒頭の「もしやAC/DC最後の傑作録音!?」とは、そういう意味なのです。そのクオリティで描かれる熱演は、本当に見事。この日は全23回中20公演目にあたり、「AC/DC+アクセル」のコンビネーションは益々磨きがかかって異様なほどに自然。アクセルは昔からバックステージでAC/DCを大音量で流しているほど大ファンなわけですが、そこにヨーロッパでもアメリカでもライヴを重ねるほどに「否」をかき消してきた自信と手応えが溢れる。もちろん、34年ぶりに復活した「Live Wire」も炸裂(アクセルはボン・スコット時代の曲が似合いますね)。クリフ・ウィリアムズは「ツアーが終わったら身を引く」と宣言しているものの、これで終わったらもったいない……。9月20日の20時(日本時間9月21日の朝7時)、つまりこの駄文が公開された数時間後には最後のフィラデルフィア公演が始まります。本当にそれが“AC/DCの最後”となってしまうのか、そこで素晴らしい録音が実現するのか、そして、アンガス独りになるAC/DCはどうなるのか……。すべてが不透明な中で確かなのは、極上サウンドの本作があるということだけです。世紀の合体ユニットの名録音にして、もしかしたら“AC/DC最後の傑作”になってしまうかも知れない1本。
Live at KeyBank Center, Buffalo, NY. USA 11th September 2016 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(76:37)
1. Intro 2. Rock or Bust 3. Shoot to Thrill 4. Hell Ain't a Bad Place to Be 5. Back in Black 6. Got Some Rock & Roll Thunder 7. Dirty Deeds Done Dirt Cheap 8. Rock 'n' Roll Damnation 9. Thunderstruck 10. High Voltage 11. Rock 'n' Roll Train 12. Hells Bells 13. Given the Dog a Bone
14. If You Want Blood (You've Got It) 15. Live Wire
Disc 2(70:13)
1. Sin City 2. You Shook Me All Night Long 3. Shot Down in Flames 4. Have a Drink on Me 5. T.N.T. 6. Whole Lotta Rosie 7. Let There Be Rock 8. Highway to Hell 9. Riff Raff 10. For Those About to Rock (We Salute You)