
ZEPライブの数多いサウンドボード録音の中でも最高の音質を誇るのが1969年8月31日のテキサス・ポップ・フェスティバルを捉えた音源。1991年の末に「PLAYS PURE BLUES」でこのサウンドボードが登場した時の衝撃は凄まじいものがありました。それまでBBCのような放送されたものとは別のステレオのサウンドボード録音で流出音源と言えば「STUDIO DAZE」で垣間見られた72ロングビーチの数曲でしたが、ここでは時間の短いフェス出演とはいえ、ZEPのステージをほぼ完全収録した録音状態。バンドの演奏が左右にミキシングで分けられた状態はもちろん、歓声もしっかりと入った臨場感のいいバランスが絶妙。73年以降のZEPライブで数多く存在するPAアウトのサウンドボード録音と一線を画す点はそこにある。これにエフェクトを施したりベースのバランスをミキシングで整えればもう、オフィシャルのライブ・アルバムとしてリリース出来てしまうのではないかと思えるほど。それまで69年ZEPの定番サウンドボードだったフィルモアがオープニングの「The Train Kept A Rollin'」の出だしを録音し損ねていたのに対し、こちらはフェスらしく司会者によるバンド紹介からボンゾの一打で演奏が始めるところをちゃんと録音してくれているのがお見事。69年のZEPライブと言えば、ほとんどの時期はこの曲から幕を開けていただけに、その様子を最高のステレオ・サウンドボード録音で聴ける価値はあまりにも高い。そこまで音質と内容に長けたサウンドボード録音だけに、しばらくは「PLAYS PURE BLUES」の長期政権が続いていたものです。90年代後半になって驚くほど音質の良いオーディエンス録音の存在が明らかになっても、やはりテキサス・ポップのサウンドボードの存在感は絶大。実を言うとテキサス・ポップのオーディエンス録音はLPでも既に「NEVER HEALED」のようなアイテムがリリースされていたのですが、テキサス・ポップ・フェスにおけるZEPのパフォーマンスをマニアが認知したのは、やはり「PLAYS PURE BLUES」によるところが大きいでしょう。ここ十年の間にはサウンドボードにおける欠点である、長尺な二曲で発生していたカット箇所をオーディエンス録音にて補ったアイテムが登場してきましたし、当店も過去に存在する全ソースを網羅した「TEXAS INTERNATIONAL POP FESTIVAL」をリリースした実績があります。しかし今回は再びサウンドボード録音パートだけを尊重したバージョンをリリース。それは一重に過去最高の音質を誇る状態ということに尽きるでしょう。「PLAYS PURE BLUES」を始めとした過去の居並ぶ高音質アイテムも見事なクオリティでしたが、今回はそれらにあったようなアナログ機材経由によるジェネレーションの劣化や音の細さなどを一切感じさせない、マスターならではのクオリティを誇るもの。自然なふくよかさをたたえたジョンジーのベースラインの存在感などは、その最たる例かと思われます。それでいて見事なステレオ・イメージの分離具合など、イコライズとはまったく違うマスター・クオリティだからこそ際立つクリアネス。もちろんピッチも正確。そして最高の音質で聴くテキサス・ポップ・フェスでのZEPの演奏ぶりには文句の付けようがありません。他の出演者が控えていたフェス出演の割には「Dazed And Confused」、「You Shook Me」、そして「How Many More Times」という長尺レパートリーを立て続けに演奏してみせたところがなかなか。それにどの曲でもペイジのプレイが本当に素晴らしい。流麗なフレーズを当たり前のように弾きこなす彼がここにいる。後年のステージ・アクション指向やナルシスト化したペイジの姿も良いのですが、やはりテクニカルなギタリスト然としたペイジの説得力あるプレイは本当に圧巻。テキサス・ポップは他の出演者のステレオ・サウンドボード録音が存在することからも推測できるのですが、ラジオ放送か何かを前提としてステレオ録音が行われたのでしょう。ペイジ最高のプレイとプラントのスクリームがぶつかり合う「How Many More Times」の途中で起きた観客とのコール・アンド・レスポンスなどは、PAアウト系サウンドボードでは味わえない生々しさ。同じようにアンコール前で「Communication Breakdown」をリクエストする声が飛び交う様も同様であると同時に、いよいよアメリカでの人気が膨らみはじめた様子まで実感できる。今も昔もBBCやフィルモア以上に1969年のZEPライブを代表するリアル・ステレオ・サウンドボードのテキサス・ポップ。そのベスト・バージョンはZEPマニアだけでなく、すべてのロック・ファンに聴いてもらいたい!
Texas International Pop Festival, Lewisville, TX. USA 31st August 1969 BEST SBD EVER (63:12)
1. Intro. 2. The Train Kept A Rollin' 3. I Can't Quit You Baby 4. Dazed And Confused 5. You Shook Me 6. How Many More Times 7. Communication Breakdown
STEREO SOUNDBOARD RECORDING