
NWOBHMきっての美形バンドGIRL。彼らの初来日を極上サウンドで収めたライヴアルバムが登場です。本作に収められているのは「1980年12月1日:大阪フェスティバルホール公演」。以前、『LIVE AT THE EXPOSITION HALL, OSAKA, JAPAN』が発掘されたこともありましたが、あれはフィル・コリン脱退後となる二度目の来日公演(1982年)。本作は、フィル・コリンもキチンといる初来日です。まずは、ショウのポジションをツアースケジュールから確認してみましょう。
・11月28日:浅草国際劇場・11月29日:浅草国際劇場(昼の部)・11月29日:浅草国際劇場(夜の部)・12月1日:大阪フェスティバルホール 【本作】・12月2日:名古屋市公会堂
以上、全5公演。今は亡き浅草国際劇場も懐かしいところですが、本作はその後に行われた大阪公演です。そんな本作最大のポイントは、極上のサウンド。実は、かつて大阪でその人ありと知られた名録音家の作なのです。とは言っても、この方が有名になったのは90年代のこと。当店ではこの名手の作品をシリーズでCD化しており、これまでもRAINBOW『OSAKA 1995 1ST NIGHT』、RICHIE SAMBORA『UNDISCOVERED SOUL IN OSAKA』、SYKESの『OSAKA 1998』等々、数々の名作が大変な好評を賜りました。本作は、その名手の初期録音。オリジナル・カセットからダイレクトにCD化した秘宝なのです。もちろん80年代だけに機材の差はあるのですが、録音の腕前は初期から凄かった。90年代作のように「まるでサウンドボード」と呼ぶタイプでこそないものの、そのクリア極まりない楽音/歌声はそんじょそこらのライン録音を遙かに凌駕する美しさ。会場音響もほんのりとまといつつ、それが濁らせたり曇らせたりすることなく、クリスタル・クリアに透き通っている。後に“名手”の名を欲しいままにする録音テクニックと、“神が作った”とさえ称される大阪フェスティバルホールの美音が出会った幸せなサウンドなのです。そのクオリティで描かれるのは、若々しく、そして美しかったGIRLの熱演。当時はデビュー作『SHEER GREED』しかなかったわけですが、その全12曲中9曲をたっぷり演奏。その上で既に完成していた(そしてレコード会社に発売を邪魔された)『WASTED YOUTH』からも6曲、さらには『KILLING TIME』までお蔵入りになってしまう「This Town」「Green Light」「White Prophets」まで披露しているのです。そんなセットを演奏するGIRLは猛烈にフレッシュ。何しろ、フィル・コリンもフィリップ・ルイスも22歳(!)。シンプルなロックンロールにブギーやレゲエ、ニューウェーブの要素まぶした音楽性は年齢に似つかわしくない本格的なものでしたが、それを演ずるアンサンブルはパッションの塊。特にフィル・コリンは、まだ“ゲイリー・ムーア後継者の1人”と目されていた熱い弾きっぷりを聴かせてくれるのです。その彼ら以上に“80年代の薫り”を発散しているのが観客。現場の観客は95%が女性客だったと言われていますが、そのアイドル的な人気が丸出し。黄色い嬌声が絹を切り裂きまくり、端正に整った拍手はそれこそアイドルのコンサートそのもの。あちらで悲鳴が上がり、こちらでキャーッキャー。もう、歓声の立体感だけでメンバーの一挙手一投足まで浮かぶほど。特に超名曲「Hollywood Tease」がコールされた瞬間と言ったら(それだけ真っ黄色な嬌声をねじ伏せる楽音の極太感も凄い……)。 デニム&レザーに汚い長髪だらけだった当時のNWOBHMにあって、ひときわグラマラスな輝いていたGIRL。その初来日を極上のオーディエンス・サウンドで描ききった歴史的大傑作です。よく聴けば通好みでタフなロック。でも、眩しい光に満ちあふれていた彼ら。DEF LEPPARDやL.A. GUNSのファンはもちろん、“あの時代”に目のない方々にぜひ味わっていただきたい歴史的な1枚です。
Live at Festival Hall, Osaka, Japan 1st December 1980 PERFECT SOUND(from Original Masters) (73:52)
1. Wasted Youth 2. Heartbreak America 3. This Town 4. Nice 'n' Nasty 5. Green Light 6. Little Miss Ann 7. The Things You Say 8. White Prophets 9. Old Dogs 10. Passing Clouds 11. Strawberries 12. Sweet Kids 13. Doctor Doctor 14. My Number 15. Lovely Lorraine
16. 19 17. Member Introduction 18. Hollywood Tease 19. Born To Be Wild 20. Overnight Angels
Phil Lewis - lead vocals Phil Collen - lead guitar, backing vocals Gerry Laffy - rhythm guitar, backing vocals Simon Laffy - bass guitar, backing vocals Bryson Graham - drums