
2名バンドの2組の一大全盛期を真空パックしたライヴアルバムが登場です。かの名匠“Crazy S.”氏による極上オーディエンス・パッケージです。その一大全盛期とは「1987年8月31日シェフィールド公演」。DEF LEPPARD栄光の“HYSTERIA TOUR 1987-1988”の一幕です。まずは、ショウのポジションをワールドツアー全体像の中からイメージしてみましょう。
【1987年】・6月24日-28日:欧州#1(3公演)《8月3日『HYSTERIA』発売》・8月27日-9月17日:英国(17公演)←★ココ★・10月1日-12月31日:北米#1(61公演)
【1988年】・1月16日-2月19日:北米#2(25公演)・3月4日-4月22日:欧州#2(37公演)・5月17日-24日:日本(5公演)・5月27日-10月27日:北米#3(88公演)
以上、全236公演。ツアーはウォームアップ的な6月のオランダ公演から始まっていますが、本格的なツアー本編は『HYSTERIA』発売後のイギリスから。本作のシェフィールド公演は、その「英国」レッグ4公演目にあたるコンサートです。この英国ツアーの“Crazy S.”録音というと今週再発される『THE RETURN OF THE THUNDERGOD: NOTTINGHAM 1987(5公演目)』や大傑作『LEICESTER 1987(15公演目)』も大人気を博しておりますが、本作はそれら傑作コレクションと3部作となる1本で、もっとも初期にあたるライヴアルバムなのです。そして、その旨みはリアルにして安定感もバツグンのサウンド。『THE RETURN OF THE THUNDERGOD』『LEICESTER 1987』は双方とも“Crazy S.”の名を世界に知らしめた名録音でしたが、あえて難を挙げるならショウの間に音質が変化しました。冒頭部分はややくぐもっており、それが2-3曲めあたりでサッと晴れ渡ったのです。それに対し、本作は最初からクリア・サウンドであり、それが終始止めどもなく続くのです。正直に申しますと、本作の低音にはわずかながらピークオーバーもあり、3公演での瞬間最高音質は『LEICESTER 1987』になる。しかし、安心して浸りきれるのは本作なのです。これは実際に聴いてみると意外なほど大きい。前述した通り、前2作のくぐもりポイントはショウ冒頭。それだけに開演時に「まあ、良い録音だな」という感じなのです。その後、猛烈クリアになってビックリするダイナミズムはあったのですが、スタートダッシュの興奮が今ひとつ上がらなかった。ところが、本作は再生したと同時に握ったグーの力が抜けずに全盛期ショウを駆け抜けられるわけです。そして、そのショウそのものも美味しい。大筋で『PYROMANIA』+『HYSTERIA』が軸になりますが、現在とは違ってとにかくフレッシュ。発売直後の『HYSTERIA』よりも実績確かな『PYROMANIA』の方が多い(アルバム全10曲中8曲の大盤振る舞い)のも当時らしいですし、「Tear It Down」を「次のアルバムの曲」と紹介するところにもハッとする。名盤を創り上げたバンド・ポテンシャルそのものが炸裂するのです。もちろん、こうした旨みは『LEICESTER 1987』でも味わえましたが、本作はさらにグッと初期。セットリストも少々異なり、かの名盤でも聴けなかった「Hysteria」「Don't Shoot Shotgun」も演奏されている。特に「Don't Shoot Shotgun」は2008年の『HYSTERIA』完全再現ツアーまで封印されてしまう曲ですし、公式映像『LIVE: IN THE ROUND, IN YOUR FACE』でも見られなかった。オリジネイター:スティーヴ・クラーク存命時の生演奏がクリア・サウンドで聴ける貴重な1本なのです。そんなDEF LEPPARD本編の後には、この日オープニングを務めたTESLAも収録しています。彼らもまた、デビュー作『MECHANICAL RESONANCE』で全世界にその名を轟かせている真っ最中。アルバム全12曲から9曲を濃縮したセットで約45分間の持ち時間を生演奏版『MECHANICAL RESONANCE』で駆け抜けるのです。同じマネジメントだからこそ実現したカップリングですが、この2組の相性はバツグン。方やアメリカン・ロックながら単なる勢い任せにはならないソウルフルな味わい系。方やアメリカ制覇の野望を隠さず、それでいてブリティッシュの憂いもブレンドした時代の寵児。出身は大洋を跨いでいても、どちらもキャッチー&メロディアスで世界視野。若々しくもスケールの大きいロックを聴かせてくれるのです。今まさに世界に打って出たTESLAと、地球を丸ごと制覇せんとするDEF LEPPARD。その双方の一番美味しい時代を本生100%の極上サウンドで真空パックした1本です。『THE RETURN OF THE THUNDERGOD』『LEICESTER 1987』に感動された方には、もう一度あの感動を。そうでない方にも“1987年”の輝くメロディアス・ロックの極みを。
Live at Sheffield City Hall, Sheffield, UK 31st August 1987 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)
Disc 1(79:48)
1. Intro. 2. Stagefright 3. Rock Rock (Till You Drop) 4. Women 5. Another Hit And Run 6. Too Late For Love 7. Billy's Got A Gun 8. Hysteria 9. Steve Clark Guitar Solo 10. Gods Of War 11. Die Hard The Hunter 12. Bringin' On The Heartbreak 13. Foolin'
14. Animal 15. Pour Some Sugar On Me 16. Phil Collen Guitar Solo 17. Let It Go
Disc 2(71:54)
1. Rock Of Ages (incl. Not Fade Away, Rader Love, Come Together, Whole Lotta Love) 2. Photograph 3. Don't Shoot Shotgun 4. Tear It Down
TESLA
5. Intro. 6. Comin' Atcha Live 7. 2 Late 4 Love 8. Gettin' Better 9. Cover Queen 10. Changes 11. Little Suzi 12. EZ Come EZ Go 13. Rock Me To The Top 14. Modern Day Cowboy
Jeff Keith - Vocal Tommy Skeoch - Guitar Frank Hannon – Guitar Brian Wheat - Bass Troy Luccketta – Drums