
英国ハードロックの重鎮、URIAH HEEPの最新ステレオサウンドボード・アルバムが登場です。本作に収められているのは「2017年11月14日ハイファ公演」。現在、エルサレムの首都認定問題で世界中の注目が集まっているイスラエルですが、ハイファはそのエルサレムから車で1時間半ほどにある海岸都市です。まずは、彼らの近況を知る意味でも、現在のライヴ・スケジュールを確認してみましょう。
【2017年】・4月21日-24日:ウクライナ(3公演)・6月25日-9月2日:欧州#1(18公演)・11月10日-17日:中東/欧州#2(5公演)←★ココ★【2018年】・1月27日:英国(1公演)・2月6日-3月15日:北米(23公演)
これが現在までに公表されている2017年-2018年の活動概要。秋口まで欧州を回っていた彼らは、11月にもミニツアーを実施。ここではアラブ首長国連邦やルーマニア、イスラエルといったアジア/ヨーロッパの中間地域を巡りました。本作のハイファ公演は、その3公演目にあたります。実のところ、URIAH HEEPは旧・共産圏や西アジア地域で人気が高く、ジョージアのIVERIAなどフォロワーバンドも早くから親しまれてきました。イスラエルでも定期的にツアーで訪れており、今年は現地のFM局でも放送。本作は、その放送を収めたFMアルバムなのです。そのクオリティは、素晴らしいサウンドボード。イスラエル放送らしく「オフィシャル級」と呼ぶにはミックスはややラフではありますが、だからこそ生々しさも鮮烈。極太にして鮮やかな演奏音はライン録音でしかあり得ない密着感をたっぷりと味わわせてくれます。そんなサウンドで描かれるのが結成48年にして現役感溢れるHEEPサウンド。ヘブライ語DJに導かれて鳴り響くハモンド・オルガンからもう時代を超越している。幻想的でファンタジックな音世界には微塵の陰りも衰えもなく、英国ハードロックの粋がスピーカーから流れ出る。しかも、セットも黄金の名曲群が大盤振る舞い。90年代の「Between Two Worlds」やオリジナル最新作『OUTSIDER』の「The Law」「One Minute」も新定番の威厳を発散してはいますが、残る9曲はオール70年代。再録盤の名作『TOTALLY DRIVEN』のムードそのものなのですが、さらにそこでも取り上げられなかった「Shadows Of Grief」「The Magician's Birthday」まで披露してくれるのです。そのセットを演じるパフォーマンスも最高。ミック・ボックスは衰えをまったく見せないどころか、「The Magician's Birthday」では凄まじいソロを延々と弾き倒す。彼も齢70歳を迎えたわけですが、これはとても70年生きてきた人間のソロじゃない。さらにバーニー・ショウも61歳だというのに、力強く雄々しい歌声はまるで20代。67歳のフィル・ランゾンもハモンドにピアノにシンセにと大活躍で、この人達には年齢の限界はないのか……。しかも、単に若々しいだけでなく円熟味もシッカリ。この3人が揃って30年を超えており、もはやバンド史の大半がこのトリオを軸にしてきたわけで、もはやオリジネイター以上に曲を熟知。その3人を軸に熱く熱く練り上げていくインプロヴィゼーションは、まさに英国ハードロックの妙味そのものです。そんな上物を支えるリズム隊、ラッセル・ギルブルック&デイヴィー・リマーも素晴らしい。若々しくパワフルでありながら、変幻自在なHEEPソングをダイナミックに演出する。特にギルブルックは、2016年の来日時にも「まるでコージーだ」と噂になったほどの逸材。ただのパワーヒッターとは違う繊細さ、多彩な歌心がHEEPのドラマをグイグイと引き上げる。軸の3人が若々しくいられるのも、彼らのビートがあってこそでしょう。LED ZEPPELINは言うに及ばず、BLACK SABBATHが永遠の眠りに就き、DEEP PURPLEまでもが“最後のツアーでは?”と言われている2017年。そんな時代になっても、URIAH HEEPが英国ハードロックの真髄を奏でてくれるとは。もはや“生き証人”・“語り部”となった彼らの最新ライヴを鮮やかに描き出すサウンドボード・アルバムの大傑作。
Live at Wunderbar Club, Haifa, Israel 14th November 2017 STEREO SBD
Disc 1(51:01)
1. Gypsy 2. Look At Yourself 3. banter 4. Shadows Of Grief 5. Stealin' 6. The Law 7. Sunrise 8. Banter 9. The Magician's Birthday
Disc 2(36:34)
1. Intro. 2. One Minute 3. Between Two Worlds 4. July Morning 5. Banter 6. Lady In Black 7. Encore Break 8. Easy Livin'
FM BROADCAST RECORDING
Mick Box -lead and rhythm guitars, backing vocals Phil Lanzon - keyboards, backing and lead vocals Bernie Shaw -lead and backing vocals Russell Gilbrook - drums, percussion Davey Rimmer –bass