
今年も話題をさらっている21世紀RAINBOW。その極上ライヴアルバム&映像セットが登場です。2016年・2017年と夏に3公演ずつ行ってきた新生RAINBOWは、3年目にして活動を拡大。今年は春に全5公演に及ぶ最新ヨーロッパ・ツアーを実施。つい先日、その全日程が滞りなく終了しました。現在、連日のように最新の映像・録音が飛び交っておりますが、本作はその初日にあたる「2018年4月8日:モスクワ公演」の頂点記録集です。フルの極上オーディエンス録音をディスク1-2に、極上映像をディスク3に配した3枚組です。まずは、記録のためにもツアー日程を確認しておきましょう。
・4月8日:モスクワ公演 【本作】・4月11日:サンクトペテルブルク公演・4月13日:ヘルシンキ公演・4月18日:ベルリン公演・4月20日:プラハ公演
【ディスク1-2:フル・ライヴアルバム】
まず登場するのは、初日公演を完全収録したオーディエンス録音です。現在までに公開されている録音の中でもベストと言われる名録音をさらに細心リマスタリングで磨き上げた決定盤です。今回は、このリマスタリング効果が実に大きい。実のところ、初日の記録はディスク3にも収録された映像があまりにも素晴らしく、音声もそのサウンドがベストと言われています。当初は、その音声をプレス化する計画もあったのですが、リマスタリングの結果、別のオーディエンス録音が頂点サウンドに並ぶほど大きく化けてしまった。実際、本作のサウンドは極上。クッキリとしたディテール、距離感を感じないダイレクト感は「まるでサウンドボード」と呼ぶに相応しく、その上で艶やかな鳴りは並みのサウンドボードでは味わえない美しさ。ヘッドフォンでよくよく聴いても分からないけれど、確実に存在する会場音響。その極々ほんのりとした鳴りが丸裸な芯にトロけるような美で包み込んでいる。遠くボワボワしていた原音とは完全に別物です。しかも、原音で感じられた決定的な欠点も解消されている。それは、左右のステレオバランスや音圧が頻繁に変わる不安定感。これも微に入り細に入って調整し、ビシッと安定。サウンドの美しさに心ゆくまま浸りきれるライヴアルバムに仕上がったのです。これは本当にラッキーでした。デジタル技術が進化したとは言っても、魔法ではありません。何でもかんでもリマスタリングして良くなるわけではなく、効果がないタイプの録音もあれば、素晴らしく生まれ変わるものもある。今回のマスターは後者の好例。抱えていた欠点も、鳴りの質も、まさにデジタル・リマスタリングにうってつけだった。「デジタルなら何でも出来る」と誤解されては困るのですが、そう思われても仕方がないほど大変貌。原音をご存じの方こそ、「あの音にこんな可能性が潜んでいたのか」と驚かれることでしょう。
【ディスク3:奇跡の極上フル映像】
“2つめの頂点”に続いて登場するのは、“1つめの頂点”。世界的にも大人気となっている奇跡的なオーディエンス・ショットです。先日、第一報リリースされた『RUSSIA 2018』のディスク1と同じ映像ですが、改めて入手できるすべてのバージョンを精査し、メニューも作り直し。万全を尽くして再ディスク化いたしました。そのクオリティは、やはり奇跡的。遮蔽物ゼロでステージを直視する絶景ぶり、リッチーの表情や指先までハッキリ見えるズームとスケール感たっぷりの遠景を両立しつつ(恐らく三脚を用いた)ビシッとしたアングル、見どころを中央に据えて外さないカメラワーク。実は遠方席からの撮影だというのに、猛烈に美しい最新デジタル機材の威力も圧倒的なら、その距離が期せずして醸し出されるフィルムのような気品……。撮影者の狙いも逐一見事なら、偶然が生み出す効果に至るまで、すべてが見事に噛み合った映像美なのです。そして、やはり音声も素晴らしい。世界的に「ベスト」と呼ばれるのも納得のハイクオリティ。ダイレクト感は骨太なら鳴りも肉厚で、各楽器・各音域のバランスも絶品。リマスターによって甦った別録音をシンクロさせる事も検討されましたが、こちらのサウンドもまた超絶なサウンドであり、何よりも同一ソースだからこそのリアリティはあまりにも素晴らしすぎる。実のところ、巷にはこの映像も使ったマルチカメラ編集も出回ってはいるのですが、格落ち映像との混ぜ物がせっかくの気品を台無しにしている。本作では、本来の気品を味わっていただくためにも、別々のポジションで捉えた“2つの現実”をコレクションをしていただくためにも、オリジナル音声そのままに。そんなクオリティで描かれるショウは、映像ならではの見応え・説得力は圧倒的。復活から3年目を迎え、アンサンブル以上に進化しているのがステージ演出。2016年のアーチ照明も捨てがたいものがありましたが、現在の巨大スクリーンも大迫力。数々のジャケットアートや映像が曲のイメージを豊かに膨らませ、その演出センスも進化している。もちろん、ズームたっぷりのバンドも素晴らしく、より堂々とフロントマンらしくなってきたロニー・ロメロ、ヴォーカルも見事なボブ・ヌーボー、復活後2回だけの「Still I'm Sad」から雪崩れ込むドラムソロもカッコ良いデヴィッド・キース等、バンド全体がロックらしさを増している。そして、御大リッチー・ブラックモア。各方面でも話題になったようにこの日は初日ゆえの緊張か、機材トラブルでもあったのか名演とは言い難いものの、それが1曲1曲を重ねるごとに本領に近づいていく。ショウも中盤に差し掛かる頃には、リッチーならではの情感がたっぷりと滲み出す……。そんな変化をじっくりと“見つめる”感覚に浸りきれる映像なのです。細心リマスターで変貌を遂げた極上ライヴアルバムに、世界が驚いたプロショット級のオーディエンス映像。考え得る万全を尽くして“2018年の初日”の3枚組です。今年も夢を見せてくれたRAINBOW。その第一歩。どうぞ、最高峰クオリティでお手元に。
Live at Olympijskiy Stadium, Moscow, Russia 8th April 2018 TRULY PERFECT SOUND(REMASTERED)
Disc 1 (64:23)
01. Land Of Hope And Glory 02. Over The Rainbow 03. Spotlight Kid 04. I Surrender 05. Mistreated 06. Since You Been Gone 07. Man On The Silver Mountain (incl. Woman From Tokyo) 08. Perfect Strangers 09. Difficult To Cure (incl. Keyboard Solo) 10. Child In Time
Disc 2 (53:06)
01. All Night Long 02. Stargazer 03. Long Live Rock 'n' Roll 04. Still I'm Sad (incl. Drum Solo) 05. Burn 06. Black Night 07. Smoke On The Water
DVD(115:08) * REMASTERED
01. Land Of Hope And Glory 02. Over The Rainbow 03. Spotlight Kid 04. I Surrender 05. Mistreated 06. Since You Been Gone 07. Man On The Silver Mountain (incl. Woman From Tokyo) 08. Perfect Strangers 09. Difficult To Cure (incl. Keyboard Solo) 10. Child In Time 11. All Night Long 12. Stargazer
13. Long Live Rock 'N' Roll 14. Still I'm Sad (incl. Drum Solo) 15. Burn 16. Black Night 17. Smoke On The Water
COLOUR NTSC Approx.115min.