イアン・ペイスと合流し、初来日を果たした1980年のWHITESNAKE。その伝説的な超極上ステレオサウンドボード・アルバムが完全形で復刻。その伝説盤に刻まれていたのは「1980年4月12日:愛知県勤労会館」公演の関係者流出サウンドボード録音。そう、14年前に奇跡の発掘と話題をさらった『JUST YOU 'N' ME』なのです。当時をご記憶の方なら、このタイトルを目にしただけで心が躍ることでしょう。何しろ、それまで誰も聴いたことがないどころか、存在を想像すらしなかった関係者流出サウンドボード。Classicスネイクの貴重なフルショウ、それも伝説の初来日を超ハイクオリティで聴ける……。まさに衝撃の1本であり、専門誌の表4を飾ったミステリアスな広告も大いに話題となりました。本作は、そんな伝説盤『JUST YOU 'N' ME』が大幅アップグレード&完全形となった決定盤なのです。
【超極上サウンドボードでフルショウを貫く唯一作】
まず「完全形」とはなにか。実のところ『JUST YOU 'N' ME』は開演から終演までほぼほぼフルショウで収録していたものの、カットが1カ所だけあった。それは「Ain't No Love In The Heart Of The City」の後半。イアン・ペイスがムーディにグルーヴを刻む中、突如としてカヴァデールが「Thank you!!!」と叫ぶワープとなっていました。本作はそのパートもシームレスに補完した完全版なのです。補完に使用されたのは、同じ初来日の東京公演サウンドボード『LINEHUNTER』。同日オーディエンス録音で補完する案もあったのですが、『LINEHUNTER』も『JUST YOU 'N' ME』に匹敵するほど極上な関係者サウンドボードであり、サウンドの個性も似ていた。しかも、偶然にも欠けパートの演奏が似ており、より自然な仕上がりが可能だったのです。この補填は約2分間の小さなものですが、その意義は巨大。実は、本作こそペイスが合流した黄金期唯一の完全サウンドボード・アルバムなのです。先の『LINEHUNTER』や同時リリースの『DEFINITIVE LIVE... IN THE HEART OF THE CITY』、大定番のレディング・フェスティバルなど、黄金期のサウンドボードはいくつかありますが、いずれもどこかに欠けがある。オーディエンス録音で補完したタイトルもあるものの、徹頭徹尾サウンドボードでフルショウを貫くアルバムは1つとしてなかった。本作は、そんな夢の体験を現実にしてくれる2枚組でもあるのです。
【よりクリアで一層鮮やかなアップグレード・サウンド】
もちろん、単に完全形なだけではありません。全体の貫くサウンドもクオリティ・アップ。関係者マスターを改めてデジタル化しなおし、その上で最新リマスタリングを敢行。元々、超絶ステレオ感が脳みそをかき回す直結系サウンドボードでしたが、その鳴りが大幅に向上しています。本作と比べてしまうと、あの伝説盤『JUST YOU 'N' ME』でさえくぐもって聞こえ、パンパンとしたピークが耳障り。本作は楽器間のスキマさえクリスタル・クリアな輝きを湛え、1音1音も圧倒的に自然なのです。たとえ、最新のマスタリングを駆使しても必ずアップグレードできるとは限らない。わずかな向上で精一杯のこともありますが、本作は違った。『JUST YOU 'N' ME』をお持ちの方は、ぜひ聴き比べていただきたい。大元サウンドボードがここまで豊かなサウンドを記録していた事に驚き、それをデジタル化できる技術の進歩にさえ感動されることでしょう。オフィシャル級……いえ、それ以上の卓直結サウンドの理想形をたっぷりと味わえるのです。
【英国ブルースロックの極地を体現した伝説の初来日】
その超絶リアル・サウンドボードで描かれるのは、英国ブルースロックの極地。ここで、ショウのポジションを初来日のスケジュールで確認しておきましょう。
・4月11日:東京郵便貯金ホール・4月12日:愛知県勤労会館 【本作】・4月14日:中野サンプラザ 『LINEHUNTER』・4月15日:中野サンプラザ・4月17日:石川厚生年金会館・4月18日:大阪フェスティバルホール・4月19日:渋谷公会堂・4月21日:渋谷公会堂
以上、全8公演。再追加まで出る大盛況となりました。本作の名古屋公演は、東京公演に挟まれた2公演目でした。そのショウの熱いこと。これまでも数々の解説でClassicスネイクの魅力を語ってきましたが、本作は伝説の初来日。元DEEP PURPLEの3人にとっては成功の約束された地であり、他3人にとっては初めてのアジア。さらに新バンドならではの燃えたぎる情熱までもが混ざり合い、ブルースを一層ディープに、キャッチーなロックを躍動的にしているのです。そんな弾けるパッションで描くセットも美味しすぎる。当時はすでに『READY AN' WILLING』を完成させつつ、リリースを待っている段階。それだけに名作を創り上げたバンド・ポテンシャル全開でありながら『LOVEHUNTER』までのナンバーで埋め尽くされている。「Belgian Tom's Hat Trick」やB.B.キングの「Rock Me Baby」、カヴァデールのソロ作からの「Breakdown/Whitesnake Boogie」といった初期ナンバーが実に美味しく、公式の『LIVE AT HAMMERSMITH』でも聴けた「Mistreated」「Might Just Take Your Life」「Lie Down」もペイスのドラミングでシャープにグレードアップしている。極めつけなのは『LOVEHUNTER』の隠れ名曲「You 'N' Me」! このツアーだけの激レア曲がオフィシャル裸足の超サウンドボードで楽しめるのです。「オフィシャル級」と呼ぶにはあまりにも生々しく、本物すぎる超極上の関係者流出サウンドボード。伝説マスター本来の凄味を炙り出し、黄金期で唯一のフル・サウンドボード体験を実現させてくれるライヴアルバムです。伝説盤『JUST YOU 'N' ME』をご存じなかった方はもちろん、長年愛されてきた方にも全力でお薦めしたい1本。
Live at Aichi Kinro Kaikan, Nagoya, Japan 12th April 1980 STEREO SBD(from Original Masters) * Longer & Upgrade!!!
Disc 1 (49:22)
1. Intro. 2. Come On 3. You 'N' Me 4. Walking In The Shadow Of The Blues 5. Ain't No Love In The Heart Of The City ★ 5:06 - 7:05 補填 6. Micky Moody Solo 7. Love Hunter 8. Mistreated incl. Soldier Of Fortune
Disc 2 (49:54)
1. Jon Lord Solo 2. Belgian Tom's Hat Trick 3. Ian Paice Solo 4. Might Just Take Your Life 5. Lie Down 6. Take Me With You 7. Rock Me Baby 8. Breakdown/Whitesnake Boogie
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
David Coverdale - Vocals Bernie Marsden - Guitar, Vocals Micky Moody - Guitar, Vocals Jon Lord - Keyboards Neil Murray - Bass Ian Paice - Drums