
1982年の春に実現した伝説的な初来日。その一部始終を極上サウンドで真空パックしたライヴ・アルバムが登場です。 本作に収められているのは「1982年4月28日・中野サンプラザ公演」。そう、先日登場し、あまりの素晴らしさに衝撃を振りまいた『TOKYO 1982 2ND NIGHT』と同じショウ。実は、あの衝撃作を永久保存した1枚なのです。『TOKYO 1982 2ND NIGHT』には、本当に大変な反響を賜りました。何しろ、その内容が凄まじかった。最大のポイントは、なんと言っても極上極まるサウンド。そのクリアさはとんでもない次元で“究極的”・“奇跡的”・“超絶”・“まるでサウンドボード”……等々など、ありとあらゆる賛辞がピッタリと当てはまる。録音ポジションは伝わっていませんが、キラキラと輝く演奏はオーディエンス録音の常識外の美しさで、1人ひとりの1音1音もクッキリ・ハッキリ。客席録音では欠点になりがちな低音も艶やかで、ジョン・テイラーのベースも粘っこく轟く。アンディ・テイラーのギターはちょっとしたピッキング・ニュアンスまでハッキリ分かりますし、ニック・ローズのシンセも光り輝く。もちろん無論、サイモン・ル・ボンの歌声も極めて鮮やか。どれ1つとってもスピーカーに耳を押しつけているかのような直球感なのです。しかも、本作の素晴らしさはサウンドだけではない。濃厚に薫る“1982年”の時代感が素晴らしすぎるのです。ここで、当時の記憶を呼び起こすため、当時の日程を見てみましょう。
・4月25日:東京・日本青年館 ・4月26日:大阪・万博ホール(ロジャーの誕生日)・4月27日:名古屋・勤労会館 ・4月28日:東京・中野サンプラザ 【本作】 ・5月1日:東京・渋谷公会堂
このように、初来日は東京3公演+大阪1公演+名古屋1公演で行われました。本作はその4公演目にあたるわけですが、現場“中野サンプラザ”の空気感が凄い。これがまた凄まじい現場感覚の“きゃあっきゃあ”。(もちろん、ダイレクト感たっぷりの演奏や歌声が負けることは一切ありませんが)絹を裂く黄色い悲鳴がクリアにあちこちから飛びまくるのです。こうした嬌声はいつの来日でも巻き起こるものの、本作のムードは後年と明らかに違う。二度目の1984年には日本武道館、三度目の1987年には後楽園球場と、成功の階段を一足飛びに駆け上がっていった彼らですが、本作は“中野サンプラザ”。黄色い熱狂が広大に広がるスケール感がなく、むしろ限られた空間に閉じ込められた密室感になっている。遂に彼らと出会った喜び、間近に彼らの姿を見つめる密着感……。それがビッシリと詰まっているのです。こう書くと国内アイドルコンサートばりの絶叫に塗りつぶされているようですが、それともちょっと違う。何しろ、ここにいるのは音楽に本気な“洋楽女子”。当時のDURAN DURANは、センセーショナルなデビューを飾っていても世界を制覇するには至らず、まだMTV開局から半年だけにPVがお茶の間人気を得たわけでもない。そんな初来日に集っているのは、流行に憧れる乙女心ではない。自分の目と耳、そしてセンスでスターを嗅ぎ分ける女子ばかり。そんな彼女たちの息づかいまでもが猛烈に吹き出してくるのです。そんな時代の匂いは、DURAN DURAN自身からも濃厚に発散される。『RIO』を作り上げつつもリリースはしてないタイミングで、セットの大半はデビュー作『DURAN DURAN』。「Tel Aviv」以外の全曲が披露されるばかりか、シングルB面曲「Late Bar」「Faster Than Light」も取り上げられ、「Girls On Film」に至っては2回演奏されます。その演奏ぶりも、後年のゴージャス感よりバンド感覚が際立つのです。さらに新鮮なのが『RIO』からの新曲群。必殺の「Hungry Like The Wolf」を「次は新曲なんだ」と紹介するだけでも新鮮ですが、曲名コールでも誰も反応せず、ジッと聴き入っている。イントロだけで大絶叫の嵐が当たり前の耳には、なんとも奇妙にさえ感じる間がすごい。さらに今の感覚ではド定番中のド定番「Rio」「Save A Prayer」がなく、ファーストシングルの「My Own Way」や「Last Chance on the Stairway」をチョイス。代表曲が代表曲になる前、定番も定まらず、これからファンの心の中で育っていこうというムードが強烈に漂うのです。 『DURAN DURAN』『RIO』『SEVEN AND THE RAGGED TIGER』の3枚で一気に世界を制覇していった彼ら。その“ホップ・ステップ・ジャンプ”のうち、本作は“ステップを踏み出した瞬間”を捉えたライヴ・アルバムです。遠い異国での歓待を素直に喜び、はしゃぐDURAN DURAN。平均年齢21.2歳だった5人、そして彼らを自分たちの歓声で見つけ出した洋楽女子たちの息づかいがサウンドボード以上のクリアさでスピーカーから流れ出る名録音です。
Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 28th April 1982 ULTIMATE SOUND (70:27)
1. Sound of Thunder 2. Girls on Film 3. Anyone Out There 4. To the Shore 5. Late Bar 6. Last Chance on the Stairway 7. Hungry Like the Wolf 8. (Waiting of the) Night Boat 9. Friends of Mine 10. Faster Than Light 11. Planet Earth 12. Hold Back the Rain
13. Careless Memories 14. My Own Way 15. Girls on Film (Night Version)
Simon Le Bon - lead vocals Andy Taylor - guitar Nick Rhodes – keyboards John Taylor - bass Roger Taylor – drums