
EL&P黄金の“BRAIN SALAD SURGERY TOUR”。その激レアな初日録音が奇跡の発掘です。1970年のデビュー以来、猛烈なスピードで70年代を駆け抜けたEL&P。その歴史でも、頂点と言えば『恐怖の頭脳改革』とそのツアーに他なりません。本作は、その初日。最高傑作を携えて今まさに世界を席巻しようとするスタートダッシュを、本生100%サウンドで収めたオーディエンス・アルバムなのです。そんな本作が録音されたのは「1973年11月14日マイアミ公演」。良い機会ですので、EL&Pの頂点“BRAIN SALAD SURGERY TOUR 1973-1974”の全体像から見ていきましょう。
《1973年9月『恐怖の頭脳改革』完成》 ー約2ヶ月後ー 《1973年11月19日『恐怖の頭脳改革』発売》 ・1973年11月14日-12月18日:北米#1(30公演)←★ココ★ー約1ヶ月後ー ・1974年1月24日-4月6日:北米#2(35公演)※公式盤 ・1974年4月18日-5月2日:UK(9公演) ・1974年5月7日-6月2日:欧州(20公演)
ー約1ヶ月半後ー ・1974年7月26日-8月21日:北米#3(17公演)
以上、全111公演。70年代の記録にはあやふやな点もあるので厳密ではありませんが、おおよその活動概要は把握していただけるでしょう。公式の名盤『LADIES AND GENTLEMEN』のメイン会場となった「1974年2月2日アナハイム公演」は「北米#2」ですが、本作はその約2ヶ月半前。『恐怖の頭脳改革』の発売5日前となる初日です。この日の録音はコア・コレクターのリストにもほとんど記載されることなく、存在が噂されては消えていった幻の音源。それが最近になって突如、姿を現したのです。そんな幻アルバムのサウンドは、実に素晴らしいヴィンテージ・サウンド。さすがに激レアだけあって「まるでサウンドボード!」とは言えませんが、かといって耳を澄まして「演奏が確認できる」というレベルでもない。人気絶頂の現場感も多少は感じられるものの、極太で距離感も感じさせない楽音がすべてを圧倒。しかも、3人のアンサンブルが団子になることなく、綺麗に分離。その3本の荒縄演奏が隅から隅まで埋め尽くすライヴアルバムなのです。それほど素晴らしいサウンドではあるものの、残念ながら完璧な録音とはいかなかった。正直なところ、ごく数秒のカットが散見するのです。正確を期するために記しますと……「Jerusalem」の最初10秒ほど、「Battlefield」「Aquatarkus」にごく数秒、「Benny The Bouncer」の最初30秒、「Lucky Man」の直前と3番、「第1印象」冒頭の10秒と「第3印象」の3番に欠けがあります。「Jerusalem」と「Benny The Bouncer」冒頭はやや長いものの、その他はせいぜい1・2秒です。全体としては傑作サウンドの名録音でありながら、これまで不遇だったのは、この欠けのせいかもしれません。なにしろ初日ですから全世界初演の雨あられ。「Still You Turn Me On」や「第1印象」のようにアルバム完成に先立って演奏されている曲もありますが、ほとんどの『恐怖の頭脳改革』ナンバーはこの日こそが初演。しかも、ショウの構成も固まっておらず、冒頭から「Jerusalem」「Toccata」「Still You Turn Me On」と、アルバムの曲順通りに3連発。その後は合間合間に過去のレパートリーも交えつつも、「Benny The Bouncer」→「Karn Evil 9」の順で披露。その「Benny The Bouncer」はアルバム通りのピアノで締めますし、明らかに“ショウ全体で『恐怖の頭脳改革』を表現している”コンサートなのです。アルバム発売前だと言うのに、この自信。この挑戦。EL&Pも新作発表と共に少しずつ新曲に入れ替えてきましたが、それはあくまでマイナーチェンジの積み重ねでした。本作は、それが一夜にして様変わりした刹那なのです。いかに彼らが『恐怖の頭脳改革』に絶対の自信を持っていたのか。それをまざまざと見せつけるショウ、まさにプログレッシヴなEL&Pの真骨頂とも言うべきライヴアルバムです。遂に姿を現した“BRAIN SALAD SURGERY TOUR”の初演アルバム。欠けが散見する欠点があるとは言え、あまりにも貴重にして素晴らしいサウンドの1本。
Live at Jai Alai Fronton, Miami, Florida, USA 14th November 1973 TRULY AMAZING SOUND
Disc 1(48:53)
1. Jerusalem 2. Toccata 3. Still You Turn Me On 4. Hoedown 5. Tarkus 6. Benny The Bouncer 7. Take A Pebble 8. Lucky Man
Disc 2(59:08)
1. Piano Improvisation 2. Take A Pebble (Conclusion) 3. Karn Evil 9 1st Impression Part 1 (incl. Drum Solo) 4. Karn Evil 9 1st Impression Part 2 5. Karn Evil 9 2nd Impression 6. Karn Evil 9 3rd Impression 7. Pictures At An Exhibition 8. Finale