
連日、予想を上回る話題をさらっている我らがロジャー・ウォーターズのUS+THEMツアー。ツアー初日の米国カンザス公演は先週その決定版『ROGER WATERS - KANSAS CITY 2017 』が電撃登場しましたが、その2日目、ルイヴィル公演が超高級マイク2種のマトリックスによるウルトラ級の特級音質で登場致します!!このルイヴィル公演は先週、『ROGER WATERS - LOUISVILLE 2017 』としてリリースされました。これは今をときめく世界的な名テーパー、Tapehead2氏が超高級マイクAT943sとSchoeps MK4sを使って同位置で録音した4枚組タイトル(※ ディスク1と2には“AT943s”で録音したもの、ディスク3と4には“Schoeps MK4s”で録音したもの)で、同位置録音による2種の高級マイクによる音のニュアンスの違いを愉しめるタイトルとして大好評を戴きました。....ところで皆様は" ペア・マイク "という録音テクニックを御存知でしょうか。F-1レースカーの走行音やジェット機の離陸・着陸音など、動いている対象の音を収音する時に有効な録音法です。両手に2丁拳銃の様にマイクを持ち、動く対象に合わせて身体ごとマイクの向きを移動させて録音するのですが、マイクとマイクの間に身体の幅ほどの距離があるため、サラウンド的で臨場感ある音をモノにする事が出来る訳です。それを踏まえたうえで改めて、先週登場した『ROGER WATERS - LOUISVILLE 2017』を考えてみましょう。このタイトルの肝は前述の通り" 2台の超高性能マイクを使用した同位置録音 "ですが、しかし同位置とはいえまさか録音機やマイクを2台積み重ねたり、束ねたりして録音に臨んだとは思えません。名目上は同位置とはいえ、ほぼ間違いなくマイクとマイクは数十センチ程度離れていた筈なのです。そして通常こうした場合、自分の体を挟んで右手側と左手側にマイクを設置するのが自然ではないでしょうか。つまりここで本録音のテーパーがやっている事は( マイクを対象に向けて動かす事はしないものの )、前述のペア・マイク録音法と同じなのです。すると当然ながら、音像には同位置録音ではあっても右目と左目の様に僅かな視差・距離の違いが生じますし、これを重ねる事で初めて自分の立ち位置で実際に聴いたサウンドが自然なワイド感・サラウンド感を伴って浮き上がる事になります。これを現実にマトリックス合成させたものが本作となっており、超高性能マイク2台による音のニュアンスの違いだけでなく、そうしたマイク2台の僅かな距離によって得られる音響特性も再現させた音質特A級の2枚組CDとなっているのです!!とは言え、いかに超高性能マイクで得られた2ソースと言っても、これを合成するマトリックス作業で音を濁らせてしまってはお話になりません。これを今回担当したのが自宅にプロユース機材を持ち、音響エンジニアとしても手腕を振るうヨーロッパ在住のフロイド研究第一人者です。彼はこの高性能マイク・ユニットによる精密サウンドを細部に至るまで入念に精査・再設計して当レーベルに提供してくれたのですが、その仕上がりはもはや驚異のレベルに達していました。それ単体でさえ比類なき音質を誇る各マイク録音がパーフェクト合成されたその再生力は、音が2歩も3歩も前に出る怒涛のドキュメンタリー・サウンドを実現していたのです!!!非公式音源としては恐らく史上最強のマイク・マッチングによるマトリックス合成...その音像はマトリックス作品が陥り易いサウンドの誇張感など一切無いのに重みと湿り気と空間性が備わった透明感満点のロイヤル・サウンド。" 音に広がりがある "という形容にしても単に音が広がっているのではなく、例えばここでの「Breathe」の様に、艶が乗りまくった鮮やかな染料が高級手漉き和紙にスウッと吸い込まれてゆく様な、有機的かつ映像的な広がりなのです。「One of These Days」にしても、ベースのゴリゴリ音に柔らかい質の高さが備わっており、アタックの強い音というよりは弾力のある微弱なサラウンド音という感じです。モノローグ後に音楽が大きく動き出すところも精緻な鋭さを伴うマッシヴ・サウンドとなっており、その音楽的運動性が信じ難いまろやかさと重さ、そして鋭さを同居させた未体験の高解像サウンドとして結実しているのです。「Time」では冒頭で出てくるタムの回り込む音が驚くほど近く鮮明、且つ立体的な出音に仰天するでしょう。アンサンブルが動き出すと更に、そのあまりにファイン・モールドな演奏音と弾力ある中音域の躍動感が未体験の興奮を運んでくれるのです。「The Great Gig in the Sky」では女性ツイン・コーラスが色彩感溢れる響きと音色で飛び出す一方、その後ろにあるベースとバスドラムの一音一音も非常に手応えある音圧感で出ている為、2声の旋律線とリズムによるコントラストが通常の単体録音ではまず体験出来ない眩しさで体験出来ると思います。「Welcome to the Machine」では低音域の幅広さと迫力が強烈で、フロント・ロウの様な太い音圧の中で進行する精緻な演奏音が大きな魅力です。特に中盤でクローズアップされるシンセサイザーの濃密な響きの充満と拡散は驚異的な音像となっていますので是非御期待下さい。「The Last Refugee」も静かな音から音への移ろいが精緻に出ているサウンドで、マトリックスによって増幅された空間性と奥行きが麗しく滲み出ていますし、「Picture That」で音楽的な運動性が開放されてゆくダイナミックな音の変容も聴く者全員を虜にする筈です。またここは後半で目立つベースの動きと響きが非常に弾力のあるワイドな音色で出ているのも特筆されるでしょう。「Wish You Were Here」もまた1ソースでは不可能な超絶音像で、ギターの一音一音が質感麗しく交差してゆきます。音が極めて明瞭且つ上質なまろやかさを伴っているだけに軽いチョーキングの連続による表現も随所でいちいち生々しく、この1曲は誰もが目を見張る・耳を澄ますこと確実になっています。ショウ後半のスタートとなるディスク2導入の「Battersea Rises SFX」も強烈な音像です。それぞれのマイクの向きか録音位置を若干変えたのか分かりませんが、驚く事に各原音がここから更にクオリティを上げており、この先はディスクエンドまで幻視伴う音像に打ち震えるでしょう。「Dogs」では歌声の近さと通り具合がディスク1より格段に跳ね上がり、音像の透明度・ギターの響きもソース単体で聴くより2枚刃の様な深い鋭さが備わっているのが分かると思います。低音域の音圧も抜群の重量感で、中盤10分03秒付近から展開するシンセサイザーの奥行きと響きのボリューム感も驚異的に濃密でこれはマトリックス効果が最高に出た本作一番の聴きどころと言っても過言ではないでしょう。これは「Money」中盤で出てくるサックスの質感豊かな響きと切れ味も同様で、そこから引き継がれるギターの鮮烈な響きもマトリックス効果絶大です。「Us and Them」もまた透明感と響きの浮遊感に打ちのめされるでしょう。ここは静謐なシーンでの囁く様なピアニシモも、アンサンブルが重なる圧倒的迫力の極太フォルテシモも桁違いの鮮やかさで再生されますので是非御注目戴ければと思います。導入に女性コーラスのパートが付加された「Brain Damage」もその声の軌跡が異常なほど麗しく、音色の余韻に各原録音の質の高さを実感されるでしょう。この日は何かの手違いか中盤で展開を間違えてる様子も御愛嬌ですが、そうしたレア・シーンまでリアルに掴み取れる最先端の音の精査に驚嘆を隠せない筈です。「Bring the Boys Back Home」も女性コーラス隊に引き継がれるシーンが感動的で、麗しい声の伸びと拡散がマトリックスの威力を物語っていますし、「Comfortably Numb」も音色と響きの移ろいが抜群の透明度と音色の深さで出ているため、この曲が更なるネクスト・レベルへ照準を合わせている事がハッキリ分かるでしょう。現場に漂う音色の変容がこのレベルで掴み取れてこそマトリックスのリスニング感動がある事を改めて痛感出来るに違いありません。2つの超高性能マイクと最新テクノロジー、そしてプロレベルの音響技術によって誕生したこのマトリックス・サウンドが暴くもの、それはこのビッグ・プロダクションによるUS+THEMツアーの音響構成でしょう。他のバンドとは比較にならないほど響きの質感が重要視されるピンク・フロイドの曲が多々あるからこそ、そしてその頭脳たるロジャーの公演だからこそ、これをどこまでも現場に忠実なリアル・サウンドで読み解こうとする試みは非常に意義ある事と申せましょう。そしてそれがここに完璧な姿で結実しているが故に、本作は凡庸な録音では決して到達出来ない知性昂ぶる逸材タイトルともなっているのです。ボリュームをグッと上げた時、音質と品質の違いが肌感覚で分かる最新作、音に一途な聴き手に応える超高性能タイトルです!!
★テーパーがネット上に公開した2種の音源を(同一テーパーが2つのマイクでそれぞれ録音)マトリックス処理したもの。最高音質。
Live at KFC Yum! Center, Louisville, KY. USA 28th May 2017 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND
The Louisville matrix was mixed out of two sources: source 1: AT943s > SP-SPSB-10 > Sony M10 (24/48), Recording location: Section 311, row A source 2: Schoeps MK4s > actives > tinybox > Sony M10 (24/48), Recording location: Section 311, row A
Disc 1(59:42)
1. Speak to Me 2. Breathe 3. One of These Days 4. Time 5. Breathe (Reprise) 6. The Great Gig in the Sky 7. Welcome to the Machine 8. When We Were Young 9. Déjà vu\ 10. The Last Refugee 11. Picture That 12. Wish You Were Here 13. The Happiest Days of Our Lives
14. Another Brick in the Wall Part 2 15. Another Brick in the Wall Part 3
Disc 2(75:36)
1. Battersea Rises SFX 2. Dogs 3. Pigs (Three Different Ones) 4. Money 5. Us and Them 6. Smell the Roses 7. Brain Damage 8. Eclipse 9. Band Introductions 10. Vera 11. Bring the Boys Back Home 12. Comfortably Numb