“WORKS TOUR”の目玉であり、限られた記録しか残っていない貴重なオーケストラ共演コンサート。その傑作ライヴアルバムが登場です。アルバム『WORKS VOLUME 1』に端を発したオーケストラとの共演は、キース・エマーソンの夢でもあるツアーを実現しつつ、EL&Pの命運まで変えてしまった一大プロジェクトでした。しかし、“WORKS TOUR”のすべてがオーケストラ共演ではなく、ツアーの一部公演だけでした。本作に収められているのは、そのうち「1977年５月31日+６月１日デトロイト公演」。共演ライヴアルバムというとプレスアルバム『DES MOINES 1977』も大人気ですが、それも併せ、まずはオーケストラ共演の全貌から確認してみましょう。
【1977年】・５月24日＋25日：ルイビル（２公演）・５月29日：シンシナティ・５月31日＋６月１日：デトロイト（２公演）【本作】・６月４日：シカゴ・６月５日：ミルウォーキー*・６月７日：インディアナポリス・６月９日：マディソン*・６月11日：ミネアポリス*・６月12日：デモイン 『DES MOINES 1977』
ートリオで約15公演ー・７月７日-９日：ニューヨーク（３公演）* ートリオで約30公演ー・８月26日：モントリオール* ートリオで約30公演ー【1978年】 ートリオで約45公演（オケ共演なし）ー（*印は音源で確認されている公演）
かなりザックリしていますが、これが“WORKS TOUR”の概要。当時の記録にはあやふやなところもあるのですが、ツアー145公演前後のうちオーケストラ共演は全15公演。共演コンサートの合間にもトリオ公演が挟まるので厳密ではありませんが、おおよそ「オケ共演11→トリオ15→オケ共演３→トリオ30→オケ共演１→トリオ80」という流れでした。本作のデトロイト公演は、その初期となるオケ共演４-５公演目にあたるコンサートなのです。そんな本作のクオリティは、実に素晴らしいオーディエンス・サウンド。何しろ、本作のマスターを発表したのは、かの名門「JEMS」。そんじょそこらのオーディエンス録音とはわけが違うのです。まず「５月31日（ディスク１-２）」ですが、見目麗しいヴィンテージ・サウンドは聴き苦しさとまったく無縁。音割れやノイズなどもなく、オープニングの「Abaddon's Bolero」からオーケストラ・サウンドがスケール感たっぷりに会場を満たしていく様がリアルに感じられます。オーケストラ共演ライヴと言えばオフィシャルの『WORKS LIVE』や『WORKS ORCHESTRAL TOUR 77』も浮かびますが、残念ながらショウの全景ではない。そんな中で、この「５月31日（ディスク１-２）」はJEMSサウンドでショウをフルに楽しめるお得音源なのです。代わっての「６月１日（ディスク３-４）」もまた素晴らしい！ 「Lucky Man」「Tank」に若干マイクノイズのような音が聞こえる箇所もありますが、基本の録音はプレス級のクリア・サウンド。特に美味しいのが「From The Beginning」でして、この曲のオケ共演は、細切れなオフィシャルにもなっていない貴重バージョン。それがプレス級のハイクオリティ・サウンドで聴けるのです！ さらに素晴らしいのが「Pirates」。この曲のオケ共演バージョンはオフィシャル映像にもなっていますが、それにも負けないクリアさでありながら、オーディエンス録音ならではのスケール感にも溢れている。これだけの感動バージョンが聴けるとは、さすがJEMSマスター。しかし残念ながら「６月１日（ディスク３-４）」は完全収録ではなく、オープニングの「Abaddon's Bolero」がカットインで、最後の「Rondo」もフェイドアウト。さらに中盤の「Pictures At An Exhibition」「C'est la Vie」も欠けてしまっているのです。惜しい！……というわけで、歴史的なオーケストラ共演コンサートの現場に居合わせ、壮大で美しい音世界に浸りきれるライヴアルバムの大傑作。名門「JEMS」が発掘したマスター４枚組。ぜひ、存分にお楽しみください。
Cobo Arena, Detroit, MI. USA 31st May & 1st June 1977 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Live at Cobo Arena, Detroit, MI. USA 31st May 1977
Disc 1
1. Abaddon's Bolero 2. Hoedown 3. Karn Evil 9 1st Impression Pt 2 4. The Enemy God 5. From The Beginning 6. Piano Concerto No.1 1st Movement 7. Piano Concerto No.1 3rd Movement 8. Closer To Believing
Disc 2
1. Pictures At An Exhibition 2. C'est la Vie 3. Lucky Man 4. Tank 5. Pirates 6. Fanfare For The Common Man incl. Rondo
Live at Cobo Arena, Detroit, MI. USA 1st June 1977
Disc 3
1. Abaddon's Bolero 2. Hoedown 3. Karn Evil 9 1st Impression Pt 2 4. The Enemy God 5. From The Beginning 6. Piano Concerto No.1 1st Movement 7. Piano Concerto No.1 3rd Movement 8. Closer To Believing
Disc 4
1. Knife Edge 2. Lucky Man 3. Tank 4. Pirates 5. Fanfare For The Common Man incl. Rondo
