
英国ロック史上に残る一大物語ツアー“THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY TOUR 1974-1975”。数々のフル・サウンドボードを生み出した事でも有名ですが、その中でも特別すぎる1本が最高峰クオリティで復刻です。その“特別なサウンドボード”が記録されたのは「1975年4月19日リヴァプール公演」。10年ほど前にこのツアーのフル・サウンドボードの発掘ラッシュがありましたが、当店でも『THE LAMB LIES DOWN ON EMPIRE』としてリリース。幾多のサウンドボードの中でも“英国のブロードウェイ”・“最も進化した眩惑サウンドボード”として格別の人気を博し、瞬く間に完売・廃盤となった名録音なのです。このショウの何が特別かをご紹介する前に、まずはフルスケールのサウンドボードを今一度整理しておきましょう。
【1974年】・12月16日『MAPLE LEAF LAMB(24公演目)』・12月17日『ROCHESTER 1974(25公演目)』【1975年】・1月10日『DEFINITIVE FLORIDA LAMB(28公演目)』・1月11日『DEFINITIVE LAKELAND 1975(29公演目)』・1月24日『LAMB MASTER IN LOS ANGELES(38公演目)』
・1月28日『THE LAMB LIES DOWN IN PHOENIX(41公演目)』・4月19日【本作(84公演目)】
【唯一の本国フル・サウンドボード】
以上、7本。この他にもサウンドボードはありますが、それは部分的なものばかり。物語作『眩惑のブロードウェイ』をほぼフルに聴けるのはこれだけです。これをご覧の通り、ほとんどが北米ツアーであり、その中で唯一本作だけが本国イギリス公演のサウンドボード。これが先述した“英国のブロードウェイ”の意味なのです。もちろん、イギリス公演なだけでは注目はされない。真に特別だったのは、そのサウンド。上記7本はいずれも素晴らしいサウンドボードではあるものの、何らかしらのテープ劣化やノイズが見られるものがほとんど。その中でリヴァプール公演は終始途切れない艶やかなサウンドを誇り、鮮やかなステレオ感もオフィシャル級。レイクランド公演と共に、頂点作を競う異常なクオリティだったのです。本作は、その発掘マスターを最新・細心リマスタリングで甦らせたもの。もちろん、無闇やたらに音圧を上げるような無粋なマネはしていません。元々のサウンドボードが持っていた鮮やかさはそのままに、音の立ち上がりと鳴りを整理。より一層クッキリとしたダイレクト感を実現しました。以前の『THE LAMB LIES DOWN ON EMPIRE』が発掘物然とした“歴史感覚”があったのに対し、本作はよりオフィシャルっぽい“作品感覚”のサウンドに仕上がっています。
【“5人GENESIS”の到達点となる名演】
何から何まで完璧なようですが、残念ながらそうではありません。従来作と同じように「The Lamb Lies Down On Broadway」「Anyway」の冒頭にわずかなカットがあることは変わらず、本作でも「The Lamb Lies Down On Broadway」冒頭1分25秒ほどを超高音質オーディエンスで補完しています。この欠点があるため、頂点作は『DEFINITIVE LAKELAND 1975』となってしまうのですが、本作はそのレイクランド公演を超えるものもある。それは、肝心要のライヴそのもの。ピーター・ガブリエル時代のGENESISは、アルバム1枚1枚、ツアー1本1本で演奏力が向上していった成長期としても知られますが、本作はその最後のフル・サウンドボードでもあるのです。上記した7本の中でも本作だけが突き抜けて後期の録音なのがご理解いただけると思いますが、その成長度は明らか。『DEFINITIVE LAKELAND 1975』はオフィシャル化されたロサンゼルス公演と2週間違いで演奏も似ていましたが、本作はそれからライヴを40本以上もこなしており、切れ味鋭い演奏が全編を貫く。「In The Cage」のフィル・コリンズは神業級のバスドラを聴かせ、ピーターも演奏に参加する「Lilywhite Lilith」もスタジオ版を忘れさせるアレンジが見事。そして、オリジナルのD面にあたるハイライトでは、他では聴けない鬼気迫る圧倒的な演奏が繰り広げられるのです。これだけの一足飛びに成長したのは、恐らくアルバムをフル再現するツアーだったからでしょう。当時のメンバーは毎晩、同じ曲を同じ曲順で演奏し続ける事にウンザリしていたようですが、だからこそ徹底的に磨き上げられ、鍛えられた。本人たちがどれだけ自覚的だったかは分かりませんが、まるで虎の穴で修行したような完成されたアンサンブル。これが“最も進化した眩惑サウンドボード”の意味なのです。現代は『眩惑のブロードウェイ』を7種もの生演奏で味わえる時代です。何とも贅沢ですが、その中でも圧倒的に“特別な1回”なのが本作。最も完成され、美しい『眩惑のブロードウェイ』であり、“5人時代GENESIS”の最終到達点でもある。単に優れたサウンドボードという次元を遙かに超えた名作を、現代テクノロジーで磨き上げた珠玉の1本。この素晴らしきプログレッシヴ・ロックの極地、どうぞ存分にお楽しみください。
Live at Empire Theatre, Liverpool, UK 19th April 1975 STEREO SBD(UPGRADE)
Disc 1(57:43)
1. The Lamb Lies Down On Broadway 2. Fly On A Windshield 3. Broadway Melody Of 1974 4. Cuckoo Cocoon 5. In The Cage 6. The Grand Parade Of Lifeless Packaging 7. Back In N.Y.C. 8. Hairless Heart 9. Counting Out Time 10. Carpet Crawlers 11. The Chamber Of 32 Doors
12. Lilywhite Lilith 13. The Waiting Room
Disc 2(53:00)
1. Anyway 2. Here Comes The Supernatural Anaesthetist 3. The Lamia 4. Silent Sorrow In Empty Boats 5. The Colony Of Slippermen 6. Ravine 7. The Light Dies Down On Broadway 8. Riding The Scree 9. In The Rapids 10. It 11. The Knife
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Peter Gabriel - Lead Vocals Steve Hackett - Guitar Mike Rutherford - Bass, Guitar, Vocals Tony Banks - Keyboards Phil Collins - Drums, Vocals