
列島を吹き抜けていったジェフ・ベック旋風。あの興奮が去ったとは今ひとつ実感できず、なんとも名残惜しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、ジェフは去ったとしても、音源はこれから。当店では、早くからライヴアルバムで速報レポートを重ねてきましたが、更なる極上品が登場です。今週はいずれも極上の3作品をリリースいたしますが、特にお薦めしたい逸品中の逸品。「2017年1月26日:仙台サンプラザ」公演のオーディエンス・アルバムです。最新来日公演の場合、多くのお客様はご自身の体験されたコンサートをお求めになられます。そのため、地方公演はなかなか話題になりにくいのですが、これは真に強力な1本。その素晴らしさは、何をおいてもサウンドの極上ぶりです。先週は異常サウンドの『YOKOHAMA 2017(Wardour-217)』をご紹介しましたが、あの超傑作にさえ匹敵する凄まじいサウンドなのです。その気になる中身をご紹介する前に、日程でポジションを確認してみましょう。
・1月25日:パシフィコ横浜 『YOKOHAMA 2017』 ・1月26日:仙台サンプラザ 【本作】 ・1月28日:岩手県民会館 ・1月30日:東京国際フォーラム『TOKYO 2017 1ST NIGHT』 ・1月31日:東京国際フォーラム『LIVE IN TOKYO 2017』 ・2月2日:グランキューブ大阪『OSAKA 2017』
・2月3日:福岡サンパレス ・2月4日:広島上野学園ホール ・2月6日:名古屋市公会堂 『NAGOYA 2017 THE VIDEO』・2月7日:あましんアルカイックホール ※注:各公演とも代表作のみ。
以上、全10公演。先日の『YOKOHAMA 2017』はツアー初日だったわけですが、本作はそれに続く2公演目にあたりなす。そんな本作を記録したのは、知る人ぞ知る名手。実のところ、日本の録音家分布はかなり関東・関西に集中していまして、東北は録音家不足にあえいでいる。しかし、その中にあって唯一光り輝く録音を繰り返してきた人物なのです。外タレ来日の少ない土地だけに作品数は多くないものの、1作品1作品が入魂。2015年のシンディ・ローパーやDEF LEPPARD、2016年のCHICAGOなど、猛烈にクリアな仙台録音を連発しているのです。本作は、そんな名手コレクションの中でもズバ抜けた銘品。ジェフ・ベックは、耳の肥えた層に人気が高いために、他バンド/アーティストよりもアベレージが高いのですが、その基準を持ってしても「超傑作」と呼ぶしかないのです。「Schoeps MK4」を使用したクオリティは「まるでサウンドボード」の言葉さえ侮辱になりかねない次元。透明に透き通った空間に骨太な楽音が真っ直ぐ通り、艶やかな“鳴り”はライン録音など吹っ飛ばす美しさを誇る。それでいてピッキングの繊細さは消え入りそうな軽いニュアンスも漏らさず捉え、ヴィヴラートの機微までも伝えきる。それどころか、現場アンプから無音時に漏れる「シー」という微細な電気ノイズまで聴き取れる超明瞭サウンドなのです。それほどの美音が実現したのは、環境にも要員があるのかも知れません。現場となった“仙台サンプラザ”は、2,000席規模の遠景ホールで「ミニ武道館」の異名を持つ会場。名手は1階席約10列目くらいのやや左寄りで録音されたそうですが、これは即ちジェフの真ん前。ギターの音が目の前に迫る密着感がありつつ、「ミニ武道館」ならではの広すぎないスケール感も絶妙なのです。そして、この輝くサウンドで描かれた“2017年型JEFF BECK GROUP”は、より一層鮮やかさを増して聞こえる。正直なところ、新作アルバム『LOUD HAILER』を巻き起こしましたが、実際にライヴが行われてみるとかつてないフレッシュな魅力がダイレクトに伝わり、グッと“賛”に方向いた感があります。そして、その魅力が本作からも溢れ出してくるのです。コケティッシュなロージーのヴォーカルが、これほどに表情豊かで、ベックとの絡みが心くすぐるとは……。これまでの海外録音でも良い録音はあったはずなのに、それでも伝わってこなかった魅力まで引き出される。「良い音」そのものが持つ不思議な力にまで気づかされる録音なのです。まさに、地方公演からの秘宝。未だ、最終公演まで出揃っていない状況ですが、関東・関西の名手を向こうに回して半歩も引かず、堂々と最高傑作候補に名乗りを挙げた名録音です。音が「永久に残せ」と言ってくる美音の世界。
Live at Sendai Sunplaza Hall, Sendai, Japan 26th January 2017 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (47:18)
1. Introduction 2. The Revolution Will Be Televised 3. Freeway Jam 4. Lonnie On The Move 5. Live In The Dark 6. The Ballad Of The Jersey Wives 7. You Know You Know 8. Morning Dew 9. A Change Is Gonna Come 10. Big Block
Disc 2 (58:42)
1. Cause We've Ended As Lovers 2. O.I.L.(Can't Get Enough Of That Sticky) 3. Thugs Club 4. Scared For The Children 5. Beck's Bolero 6. Little Brown Bird 7. Superstition 8. Right Now 9. Goodbye Pork Pie Hat 10. Brush With The Blues 11. Going Down 12. A Day In The Life 13. Band Introductions
Jeff Beck - Guitar Rosie Bones - Vocal Carmen Vandenberg - Guitar Rhonda Smith – Bass Jonathan Joseph - Drums Jimmy Hall - Vocal