
“ベルリン時代”の日本公演を収めた秘蔵ライヴアルバムが登場です。本作に収められているのは、伝説の初来日から5年を経た二度目のジャパンツアー。“LOW AND HEROES JAPAN TOUR”の「1978年12月9日:大阪万博記念ホール」公演です。当店では、サウンドボード&プロショットの『TOKYO 1978』をはじめ、いくつかのライヴアイテムで1978年の日本公演をレポートして参りました。ここでカンタンに整理してみましょう。
・12月5日:名古屋市公会堂・12月6日:大阪厚生年金会館・12月7日:大阪厚生年金会館・12月9日:大阪万博記念ホール【本作】・12月11日:日本武道館 『BUDOKAN 1978』・12月12日:NHKホール 『TOKYO 1978』『BLACKOUT』※各日とも代表作のみ。
以上、全6公演。某公共放送を元にした『TOKYO 1978』だけでなく、『BUDOKAN 1978』『BLACKOUT』といったオーディエンス・アルバムをお届けしてきましたが、それらはことごとく東京公演。本作は、それに先立つ大阪公演のオーディエンス録音なのです。そんな本作は、古くからコアなコレクターには知られてきた名録音。しかし、いまだタイトル化されたことなく、常々、専門誌から「オーディエンス録音ながらかなり優良な音質」「ブートレッグ化を待ちたい」と指摘され続けてきたのです。それほど優れた録音なのに、なぜ公表されなかったのか。それは「ベストのマスター」が確定できなかったから。存在は分かっていても、トレード間に流通するジャネには幅があって「これがベスト」を断言できず、中途半端なものをご提供することもできない……そのジレンマに苛まれてきた録音なのです。本作は、そのジレンマを終わらせる決定盤。当店では、常々ボウイ研究の世界的権威に監修を賜っておりますが、その研究家が自信をして「これがベストだよ」と提供くださったマスターなのです。その上、本作では最新・細心のマスタリングも実施。トレード・マスターでは狂っていたピッチ(特に後半)を正確に揃え、ところどころ変化していたサウンド・ニュアンスも滑らかに調整。大元が持っていたハンドメイド感覚の楽しさを残しつつ、最大限聴きやすい仕上がりを実現しました。実際、本作のサウンドは実に素晴らしいヴィンテージ・オーディエンス。ライン録音と比較するようなタイプではありませんが、その生々しく瑞々しい鮮度はバツグン。観客の会話や笑い声もリアルに吸い込んでいながら、なによりも強靱な楽音と歌声が真っ直ぐに届くのです。この観客の呼吸感がまた、なんとも良い。若々しい女性客の声ではあっても後のアイドル的な狂った嬌声ではなく、しっかりと音楽に集中。それでいて瞬間的に起きる「キャー!」「すごーい」にはボウイの一挙手一投足までもが透けるよう。さらに、ところどころで起こる笑い声……一体、現場で何が起きているのか気になってしょうがない! メンバー紹介でもエイドリアン・ブリューに格別の拍手が贈られ、彼の超絶技巧を目の当たりにした素直な驚きが浮かぶ。なんとも生々しくも懐かしい“70年代の目敏い洋楽ファン”の息吹が漂うのです。そして、そんな空気感の中に広がる“ベルリン時代のボウイ”こそが素晴らしい。ツアータイトル“LOW AND HEROES TOUR 1978”の通り、傑作『LOW』『”HEROES”』を連発する前半(ディスク1)、『ジギー・スターダスト』6連発で沸きに沸かせる後半(ディスク2)コントラストの鮮やかなこと。残念ながら「Stay」の途中で録音が終わってしまい、最終曲「Rebel Rebel」がありませんが、ショウの90%は収録。オフィシャルの増補版『STAGE」でも削られ続けていた「Jean Gene」「Suffragette City」も現場感覚で楽しめます。約40年に渡ってコア・コレクターだけが密かに楽しんできた“1978年の大阪万博記念ホール”。その最高峰バージョンです。“お茶の間の人気者”ではなく、“ロック・ヒーロー”だったボウイの本生100%がたっぷり詰まった銘品。その凛々しくも妖しく、そして先鋭の世界。
Live at Banpaku Kinen Hall, Osaka, Japan 9th December 1978 TRULY AMAZING SOUND
Disc 1 (49:52)
1. Intro. 2. Warszawa 3. Heroes 4. What In The World 5. Be My Wife 6. The Jean Genie 7. Blackout 8. Sense Of Doubt 9. Breaking Glass 10. Fame 11. Beauty And The Beast
Disc 2 (49:48)
1. Band Introductions 2. Five Years 3. Soul Love 4. Star 5. Hang On To Yourself 6. Ziggy Stardust 7. Suffragette City 8. Art Decade 9. Alabama Song 10. Station To Station 11. TVC 15 12. Stay