
全世界が騒然となっている“THE JOSHUA TREE TOUR 2017”。歴史的現象盤『THE JOSHUA TREE』の30周年を記念し、アルバムをフル再現する特別ツアー。その初演を収めたライヴアルバム&極上映像の豪華セットが登場です。 本作に収められている初演とは「2017年5月12日バンクーバー公演」。まずは、この特別ツアーの概要を見てみましょう。
・5月12日-26日:北米#1(7公演)←★ココ★・6月3日-7月1日:北米#2(14公演)・7月8日-8月1日:欧州(12公演)
これが現在までに発表されている全33公演。今、この瞬間は「北米#2」に突入したところです。先日は、第一報となるライヴアルバム『SANTA CLARA 2017(Uxbridge 671)』をお届けしましたが、そちらは3公演目。本作のバンクーバー公演は正真正銘の第一夜にあたる。そのフル・オーディエンス録音をディスク1-2に、オーディエンス・ショットをディスク3に配した3枚組です。
【ディスク1-2:フルのライヴアルバム】
まず、登場するのは完全収録オーディエンス・アルバム。3公演目のサンタクララ公演より遅れて登場してきたマスターなのですが、これがまた素晴らしいサウンド! 「まるでサウンドボード」というタイプではないのですが、骨太な楽音の芯はライン録音にも匹敵し、ディテールまでキックリ。特に素晴らしいのが低音。オーディエンス録音ではウィークポイントになりがちな重低音まで肉厚で美しく鳴るのです。もちろん、低音が飛び抜けているわけではなく、全体のバランスは端麗。その上で、ベースの1音1音に存在感まで宿っているクリアさなのです。全世界が注目した歴史的初演を、ここまで素晴らしいサウンドで味わえようとは……。そのサウンドで描かれる初演。これがまた何とも素晴らしい。先述の『SANTA CLARA 2017』の解説でもお話ししましたが、ショウはおおよそ3つのセクションに分けられる。第一部は「WAR+THE UNFORGETTABLE FIREセレクション」、第二部は「THE JOSHUA TREE全曲演奏」、第三部は「近年曲のアンコール」です。もちろん、全世界が注目するのは第二部の再現パートですが、第一部・第三部もしっかりと考え込まれている。第一部は単に有名曲なのではなく『THE JOSHUA TREE』直前期の2枚から選ばれ、再現パートへの時代感を創り上げ、一大インパクトの再現パートに突入。そして、大感動の後に待つアンコールでは近年の曲を並べることで更に時代が進み、最後は今年リリースされる最新作『SONGS OF EXPERIENCE』からの「The Little Things That Give You Away」でフィニッシュ。厳密に時系列順ではありませんが、全体で「導入→名盤→近代→未来」の流れになっている。名盤再現ショウというと、往々にしてノスタルジーに終始しがちなのですが、キッチリと新作の期待感まで抱いて観客は帰路に就く……なんとも考え抜かれたU2ならではのショウなのです。その上で、本作には他公演にはない初演だけのポイントもたっぷり。まず何よりセットが違う。第一部で演奏される「MLK」は初演だけのセレクション。2公演目から「Bad」に差し替えられ、それが現在まで続いています。もう1つは、先述の新曲「The Little Things That Give You Away」。これも8公演目でセットから落ち、現在は「I Will Follow」が大ラスを務めているのです。もちろん、それこそが常識的な判断ではあるのですが、せっかくの「未来」で終わる流れが崩れたのは残念でもある。その点、本作は当初の彼らが思い描いた通りの構成が現実の音楽として描かれるわけです。そして、観客のムード。なにしろ、この日は全世界初『THE JOSHUA TREE』再現ナイト。その演出を知る由もなく、全編にわたって固唾を飲み、一瞬一瞬に胸焦がす現場感がつまっている。世界中のファンがその場にいたかったショウの空気がスピーカーから流れ出るライヴアルバムなのです。
【ディスク3:オーディエンス・ショット】
そして、そんな初演の薫りを光景でも伝えてくれるのがディスク3。先日、ギフト盤でもご紹介した傑作オーディエンス・ショットです。このディスクは、さまざまなアングルを駆使しており、曲単位に登場している映像をマニアが徹底的に収集、ほぼショウ全景に組み上げた映像作品です。中には1曲通して1台のカメラで撮影された曲もありますが、その反面、曲によっては無数のカメラを1フレーズと言わずに切り替えまくったマルチカメラ仕様もある。特に最接写となるアングルでは、画面いっぱいにボノの顔面ドアップ。さすがに曲間まで撮影する人は少ないのか、フェイドイン・アウトになるシーンも散見しますが、演奏部分は1カメであってもマルチカメラであっても、極上の光景でたっぷりと目撃できるのです。そして、やはり“光景”の説得力は圧倒的。第一部はシンプルな360度ステージですが、圧巻なのは第二部からの巨大スクリーン。その規模・スケール・センス、すべて凄い。凄すぎる。まず、何と言っても大きさ。3-4階建てのビルほどもある高さで、左右には何メートルあるのか分からない。おおよそ、高層ビルを横倒しにしたような超巨大な映像の壁なのです。そこにどこまでも続くハイウェイや荒野、森林、山脈など、各曲をイメージした映像が映し出される。まさに「目で見るTHE JOSHUA TREE」なのです。これが“THE JOSHUA TREE TOUR”の歴史的な初演。考え抜かれた構成、巨大なスペクタクル、それを目の当たりにする感動……その総てが観客の視線で迫ってくる一大巨編。すでにショウのマイナーチェンジも始まっていますが、これこそが原型。もともと、彼らが考えていた“THE JOSHUA TREE TOUR”の真の姿なのです。ツアーが進めば、これからも傑作記録は登場するでしょうが、初演は二度ない。本作は、そんな一期一会の現場に身を置ける極上の3枚組なのです。
Live at BC Place Stadium, Vancouver, BC. Canada 12th May 2017 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(53:28)
1. Intro: A Rainy Night In Soho (The Pogues) 2. Sunday Bloody Sunday 3. New Year's Day 4. A Sort Of Homecoming 5. MLK 6. Pride (In The Name Of Love) 7. Where The Streets Have No Name 8. I Still Haven't Found What I'm Looking For 9. With Or Without You 10. Bullet The Blue Sky
11. Running To Stand Still
Disc 2(67:41)
1. Red Hill Mining Town 2. In God's Country 3. Trip Through Your Wires 4. One Tree Hill 5. Exit / Eeny Meeny Miny Moe (snippet) 6. Mothers Of The Disappeared / El Pueblo Vencera (snippet)
encores 7. Beautiful Day 8. Elevation 9. Ultra Violet (Light My Way) 10. One 11. Miss Sarajevo 12. The Little Things That Give You Away
DVD
Live at BC Place Stadium, Vancouver, BC. Canada 12th May 2017 (112:37)
1. Pre Show 2. Intro 3. Sunday Bloody Sunday 4. New Year's Day 5. A Sort Of Homecoming 6. MLK 7. Pride (In The Name Of Love) 8. Where The Streets Have No Name 9. I Still Haven't Found What I'm Looking For 10. With Or Without You 11. Bullet The Blue Sky
12. Running To Stand Still 13. Red Hill Mining Town 14. In God's Country 15. Trip Through Your Wires 16. One Tree Hill 17. Exit / Eeny Meeny Miny Moe (snippet) 18. Mothers Of The Disappeared / El Pueblo Vencera (snippet) 19. Beautiful Day 20. Elevation 21. Ultra Violet (Light My Way)
22. One 23. Miss Sarajevo 24. The Little Things That Give You Away
Colour NTSC Approx. 113min.