
ストーンズ・マニアでなくとも、ちょっとロックに詳しい人ならば誰もが知っている彼らの絶頂期、1973年ヨーロッパ・ツアー。特に日本での絶大なる人気には揺るぎないものがあります。今でこそ、オフィシャルでも「THE BRUSSELS AFFAIR」というアイテムが存在する時代となりましたが、長い間マニアに73年ヨーロッパ・ツアーの凄まじさを知らしめてくれたのは、当時放送された一連のラジオ音源。もっと言えばラジオ放送を元にした各種アイテム。ラジオという性質上、完璧なステレオ・サウンドボードで記録されているという点がマニアにとってはあまりにも魅力的でした。放送してくれたのはアメリカのラジオ番組「THE KING BISCUIT FLOWER HOUR」。むしろ73年のステージを皮切りとして、数年おきにストーンズとライブ放送の契約を交わしてくれたおかげで、各年代のストーンズで最高音質のライブ・ステレオ・サウンドボード録音を残してくれるきっかけとなった、マニアにとっては何ともありがたいラジオ番組。既に当店からも1981年アメリカ・ツアーからの放送用音源がリリース済みでしたが、今回は真打ちと呼びたくなる73年ヨーロッパ・ツアーの放送を二枚組のボリュームにてリリース!まず一枚目に収録されたのは1974年の「THE KING BISCUIT FLOWER HOUR」(以下KBFHと称します)放送バージョン。この時の放送からTMOQ「EUROPEAN TOUR 1973」、「BEDSPRING SYMPHONY」、そして神ブートたる「NASTY MUSIC」といった名だたる名盤が生み出された歴史的放送です。その放送は1974年9月29日と11月24日の2回行われており、今回はそれぞれをエアチェックし、しかも長年に渡って丁寧に保管されてきたマスターのカセットテープが元になっています。もちろんこれはネット上に現れたものですが、より最近になって登場したモノラル録音バージョンと違い、こちらはリアルでクリアーな、放送に忠実なステレオ音声。
以前からこの放送は放送を完璧な状態でエアチェックした音源に恵まれており、既に最高音質のアイテムが先に挙げたLPだけでなく、80年代に入ってからは「EUROPE 73」、さらに90年代以降になると同タイトルのCD版などがリリースされてきたもの。しかし今回のエアチェック・テープはそんな過去のタイトルをも上回る状態の素晴らしさが際立ちます。当然ながら非常にナチュラルで、何よりもチャーリーとビルのリズム隊の再現力が過去のアイテムを上回る見事なもの。もちろん、それはあくまで原音の素晴らしさであり、今回のリリースに当たってイコライズで誇張するようなマネは一切していません。そして「Happy」 と「Gimme Shelter」は実際のライブ演奏順に変えました。74年放送版における一番の違和感は解消した上での収録ともなったのです。1980年代に入ると、87年9月27日と88年11月20日に突如として73年ヨーロッパ・ツアーの音源が再放送されました。今回の二枚目には後者の放送を収録したKBFH放送用ディスクからダイレクトに収録。おまけに時代の流れを反映し、盤はLPでなくCDで作られています。このディスクからパイレートしたCDアイテムも当時登場しており、多くのマニアにとって「KBFH」という名前を知ったのはこの時だったのではないでしょうか。それ以上に、この時の放送ではいくつかのテイクがリミックスされたり、あるいは初登場のテイクまで発掘されたことが大きな話題を呼んだものです。1974年版がリズム隊の叩き出すボトムの迫力だとすれば、1988年版はCD時代らしいクリアネスの美しさ。ただし、こちらの放送では74年よりも4曲ほど少なく放送されてしまったことから、74年版からそれら4曲を補填することで実際のライブの内容に近付けた編集でまとめています。さらにイントロが欠けていた「Dancing with Mr.D」に関しては、同じラジオ音源関連で放送された9月9日のロンドンのサウンドボード録音にて、その微弱なカットを補填。他にこの時の放送は「Angie」終了後が長く収録されるというメリットに加え、今回はボーナスとして87年放送版に収録された「Brown Sugar」ブリュッセル、ファースト・ショーのリミックス・バージョンまで網羅し、簡単に各年代のKBFH放送バージョンが網羅できる内容となっています。既にマニアの間で語り尽された感がありますが、このように二つの年代で多くのミックス違いやテイク違いが含まれており、なおかつオフィシャル「THE BRUSSELS AFFAIR」とは違う演奏を多く含むという点でも、未だにこれらの放送の価値はまったく色褪せてない。それに演奏の素晴らしさはいまさら触れるまでもないでしょう。バンドのダイナミズムを押し出した74年版、クリアーでブラスのサウンドも生かした88年版、それぞれの歴史的な73年ヨーロッパ・ツアーのブロードキャスト二種の聴き比べをじっくりとお楽しみください!
* Wembley Empire Pool, London, UK 9th September 1973** Forest National, Brussels, Belgium 17th October 1973 (1st show)*** Ahoy Hall, Rotterdam, Holland 14th October 1973 (2nd show)
Disc 1 (73:02)
KBFH 1974 Broadcast
01. Intro. (10/17 1st)** 02. Brown Sugar (10/17 1st)** 03. Gimme Shelter (9/9)* 04. Happy (9/9)* 05. Tumbling Dice (10/17 1st)** 06. Dancing with Mr.D (10/17 1st)** 07. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) (9/9)* 08. Angie (10/17 1st)** 09. You Can't Always Get What You Want (10/17 1st)**
10. Midnight Rambler (10/17 1st)** 11. Honky Tonk Women (10/17 1st)** 12. All Down the Line (10/17 1st)** 13. Rip This Joint (10/17 1st)** 14. Jumping Jack Flash (10/17 1st)** 15. Street Fighting Man (9/9)*
Disc 2 (73:26)
KBFH 1988 Broadcast and more
01. DJ Intro. -BGM Gimme Shelter Edit- (10/17 1st)** 02. Intro. (10/14 2nd)*** 03. Brown Sugar (10/14 2nd)*** 04. Gimme Shelter (10/17 1st)** 05. Happy (10/17 1st)** 06. Tumbling Dice (10/17 1st)** 07. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) (9/9)* 08. Dancing with Mr.D (10/17 1st)**
09. Angie (10/17 1st)** 10. You Can't Always Get What You Want (10/17 1st) ** ※from KBFH 1974 11. Midnight Rambler -Edit- (10/17 1st)** 12. Honky Tonk Women (10/17 1st)** 13. All Down the Line (10/17 1st)** ※from KBFH 1974 14. Rip This Joint (10/17 1st)** ※from KBFH 1974)
15. Jumping Jack Flash (10/17 1st)** ※from KBFH 1974) 16. Street Fighting Man (10/17 1st)* 17. Brown Sugar -Remix- (10/17 1st)** (from KBFH 1987)