
エリック・クラプトンと言えば、幅広い人脈と厚い人望から、他アーティストとの膨大なセッション歴がつとに有名です。しかもそうしたクロスオーバーがかえって彼を燃え立たせることも多く、幾多の名演が残されてきたことも知られています。今週は、オフィシャル、アンダーグラウンドを問わず数多く公開されている彼のセッションの中でも完全初公開の激レアセッション音源をリリース致します!1986年8月15日、ロンドン郊外のフィンチレー・クリケット・クラブで催されたチャリティマッチ&コンサートに出演した際のファースト・ジェネレーションマスターが当店お馴染みのイギリス在住の重鎮テーパーからもたらされたのです。過去にこの音源のアヴェレージレベルのオーディエンスソースは、ヨーロッパのテープトレーダー間に流通していたこともありましたが、それは曲目が少ない不完全収録版であった上に、音質が「中の上」程度のものでした。今回当店がお届けするのは、ドンピカのクリアネス、まるでサウンドボード録音のようなクオリティに加え、初の完全収録版です。クリケットクラブのクラブハウスの狭いステージからの出音が目の前で鳴っているような錯覚に陥る素晴らしい音質です。さて、ここでこの年におけるこのイベントの意味合いを時系列で明らかにしておきましょう。
・1986年2月23日:ロンドンの100クラブにて、故イアン・スチュワート(ストーンズのサポート・ピアニスト)の追悼ギグに出演。この間、アルバム「AUGUST」をフィル・コリンズを含むニュー・ラインナップでレコーディング。・1986年6月20日:ロンドンのウェンブレー・アリーナにて「プリンシズ・トラスト・コンサート」に出演。
・1986年7月3日〜7月15日:ニューバンドとの短期ヨーロッパ・ツアー・1986年8月14日:ロンドンのケンジントン・ルーフ・ガーデンズで行なわれたプリンスのコンサートに飛入り。・1986年8月15日:イギリス、フィンチレーで開催されたチャリティ・クリケットマッチの特別ステージに飛入り参加。 ←★ココ★
・1986年8月16日:ロンドンのクラブ、ロニー・スコッツにて、新曲Tearing Us Apartのプロモーション・クリップ撮影この間、≪1986年10月1日:アルバム「AUGUST」リリース≫・1986年10月16日:セントルイスで収録されたチャック・ベリーの60歳記念ライブに出演(この模様は後に映画化された)。
・1986年10月27日:ニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンで行なわれたライオネル・リッチーのコンサートに飛入り。・1986年11月8日:ロンドンのクラブ、ミーン・フィドラーに出演したロバート・クレイ・バンドのステージに飛入り。
・1986年11月20日〜24日:ボストンのクラブ、メトロとニューヨークのクラブ、ザ・リッツに出演。23日のステージには、キース・リチャーズが飛入りした。・1986年12月23日:イギリス、サリー州のヴィレッジ・ホールにてチャリティ・ショーを開催。
意欲作「AUGUST」のレコーディングとそのプロモーションを精力的にこなしながら、数々のイベント、コンサートにゲスト出演、飛入りをしていたことがお判りいただけるでしょう。それほどこの年のクラプトンはバイタリティに満ち、「プレイしたくて堪らなかった」状態だったと言えます。その勢いを駆って参加したのが、本盤に収められたチャリティショーだったというわけです。この日のメインパフォーマーは、ブリティッシュ・ブルースロック史においては忘れることのできないバンド、スタン・ウェブ率いるチキン・シャックでした。彼らのブルース色溢れるステージにクラプトンが参加したのです。公開されている写真では、レスポールを持つウェブとトリノ・レッド・フィニッシュのストラトを持ったクラプトンのツー・ショットがあります。それがまさにこの日、というわけです。前半はチキン・シャックのみの演奏で、ディスク2からクラプトンが登場します。トーンもフレージングもワイルドなウェブに対し、端正で流麗なフレーズを奏でるクラプトンのプレイははっきり聞き分けられます(対比上、オンなギターがウェブ、少しオフなのがクラプトンです)。この時点で94年の「FROM THE CRADLE」に収録することになるI'm Tore Downをプレイしたり、ブルースブレイカーズ時代のクラプトンの評価を一躍高めたインストナンバー、Hideawayをプレイしていたり、ロイ・ブキャナンのレパートリーとして有名なPeter Gunnをプレイしていたりと、非常に興味深いセットリストになっています。前半のチキン・シャックだけのダルなステージングが、クラプトン参加によって一気に引き締まったステージになる後半の様子が手に取るように分かります。セッションでも存在感を示すクラプトンの、さすがの貫禄と言えるでしょう。完全版、そしてこの極上音質でのリリースは本邦初となる86年の貴重なセッション音源です。ブリティッシュ・ブルース・ロックファン、クラプトンマニアの方々に聴き入っていただきたい歴史的音源の最上級バージョンが初登場となります。
Live at Finchley Cricket Club, Finchley, UK 15th August 1986 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (52:16)
1. Everyday I Have The Blues 2. The Thrill Is Gone 3. The Very Thing That Makes You Rich 4. Instrumental 5. Direction 6. Baby What You Want Me To Do 7. I'd Rather Go Blind
Disc 2 (49:40)
1. Intro 2. Tore Down 3. What I'd Say (with Barry Gibb on vocals) 4. Peter Gunn 5. Hideaway 1 6. Hideaway 2 7. Hold On 8. A Blues Song
Eric Clapton - guitar, vocals Stan Webb - guitar, vocals David Wilkinson - keyboards Jan Connolly - bass John Gunzell – drums Dave Winthrop – Saxophone