
Dr.Ebbettsは圧倒的にビートルCD-レーベルの印象が強いですが、実は細々と他のアーティストのLPもアイテムをリリースしていました。その中の一つがザ・フーの名盤「WHO’S NEXT」。ここでもDr.Ebbettsはトラック・レコードのUKオリジナル盤から丁寧にトレース。このアルバムも今や15年近く前のリマスターで決定盤化した感がありますが、Dr.Ebbetts盤の仕上がりも素晴らしい。アナログLPならではの自然でウォーミーな味わいを見事に捉えています。本アルバム収録曲は大半がステージの重要なレパートリーとなったこともあり、ダイナミックなロック・サウンドという印象の強いアルバム。ところが実際にはステージで演奏されたバージョンと違い、収録曲でピートがアコギを多用して繊細な音作りに力を注いだサウンドは見過ごされがちです。あるいは「Baba O'Riley」や「Won't Get Fooled Again」の最新鋭シンセサイザー・サウンドの印象が強い。しかし各曲の核となっているのがピートの弾くアコギ。その多用はピートがザ・フーのアルバム作りにおいて一貫して得意としていた技法でもあります。Dr.Ebbettsのバージョンはそんなアコギの豊かで広がりのあるサウンドをまろやかに伝えてくれるのが魅力。その点では「Love Ain’t For Keeping」辺りが現行CDリマスターとの違いを一番に感じ取れるかもしれません。ザ・フーの歴史的名盤であることはもちろん、同レーベルがビートルズ以外でもこんなのを出していたんだ的なアイテムを再認識。
Taken from the original UK LP (Track Record 2408 102) (43:16)
1. Baba O' Riley 2. Bargain 3. Love Ain't For Keeping 4. My Wife 5. Song Is Over 6. Getting In Tune 7. Going Mobile 8. Behind Blue Eyes 9. Won't Get Fooled Again