
ソロデビューと共にFLEETWOOD MAC時代を超える成功を収めた『FRENCH KISS』時代。その貴重にして極上なライヴアルバムが登場です。本作に収められているのは「1978年4月22日シアトル公演」。1977年『FRENCH KISS』がリリースされたのは1977年の9月。その約5ヶ月後にあたるコンサートを真空パックしたオーディエンス録音です。そのサウンドは、とにかく端正。歪みや籠もりとはまったく無縁で、安定してクリアな空気感がたっぷりと流れ出す。バスドラの鳴りやヴォーカルの伸びにオーディエンスらしさがあるのでサウンドボードと間違えはしませんが、その空気感はクリスタル・クリアに透き通っている。ギターはほんのちょっとしたチョーキングの揺れもハッキリと感じられ、ドラムはスネアの1打1打が綺麗に山を描く。歌声は歌詞の1単語どころか1音節までクッキリ。それでいて味気ないライン録音とはまったく異なり、切々とした歌声はうっすらとした音響をまとい、しっとりと艶やかに鳴るのです。そんな美音を一層輝かせるのは、観客の息吹。曲間には熱狂的に盛り上がるものの、一度演奏が始まるとシンと静まり返る。もちろん、ボブが煽れば曲間でも声援が飛ぶわけですが、それもすぐに止み、美しいメロディにじっと耳を傾ける。一大ヒットを記録しているにも関わらず、大騒ぎが大好きな70年代アメリカにも関わらず、演奏と歌声が美しく充ち満ちていく。おおよそ「70年代オーディエンス」という言葉のイメージとはかけ離れた美録音なのです。これだけの名録音なのにも理由がある。実は、本作をモノにしたのは、かの伝説的な名録音家「Bill B」。しかも、彼が秘蔵していたオリジナル・カセットからダイレクトにデジタル化されたもの。究極鮮度だからこその瑞々しさ、伝説的テーパーだからこそのクリア極まりないサウンドがたっぷりと詰まった1本なのです。それ以上に真に素晴らしいのは、それだけの美音で描かれるショウそのもの。セットは大ヒット中の『FRENCH KISS』からたっぷり7曲が演奏され、それをPARISの「Big Towne, 2061」やFLEETWOOD MACの名曲群が繋ぐ。FLEETWOOD MACのセレクトは満遍なく、「Sentimental Lady」もカウントすれば、ボブが在籍した『FUTURE GAMES』から『HEROES ARE HARD TO FIND』まで全作から1-2曲ずつ散りばめられている。このツアーと言えば、伝説的な“CALIFORNIA JAM II”のサウンドボードが代表的ですが、あちらはフェス用のショート・セット。本作はたっぷりフルスケールであり、カリジャム2では聴けない「Easy To Fall」「Future Games」「Revelation」「Bermuda Triangle」「Miles Away」も極上の名録音家サウンドでたっぷりと楽しめるのです。そして、そんな“THE BEST OF BOB WELCH”を奏でる演奏ぶりも素晴らしい。この日はツアー開始から2ヶ月ほどのタイミングであり、1日1公演ずつ積み上げてきた新バンドのコンビネーションが固まってきたところ。それでいて疲れなど微塵もなく、全曲にフレッシュな活力が漲っている。大曲「Future Games」を取り上げているだけでなく、「Big Towne, 2061」「Outskirts」もオリジナルを遙かに超える8分に及ぶスケールで演奏され、新たな門出に相応しい熱演に充ち満ちているのです。FLEETWOOD MAC、PARISを経て、ソロデビューと共に大輪の華を咲かせたボブ・ウェルチ。その充実感と成功の風がスピーカーから漂うライヴアルバムです。名録音家のオリジナル・カセットだけが残し得た1978年のフレッシュな香り。
Live at Paramount Theatre, Seattle, Washington, USA 22nd April 1978 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(39:18)
1. Intro. 2. Mystery Train 3. Easy To Fall 4. Hot Love, Cold World 5. Future Games 6. Hypnotized 7. Big Towne, 2061
Disc 2(46:54)
1. Revelation 2. Sentimental Lady 3. Outskirts 4. Danchiva 5. Ebony Eyes 6. Band Introductions 7. Ebony Eyes Reprise 8. Bermuda Triangle 9. Miles Away
Bob Welch - Vocal, Guitar Dave Adalstein - Keyboards, Vocal Todd Sharp – Guitar Chad Perry - Bass Lera Botchick - Drums George Calderone - Acoustic Guitar, Vocal Rob Greene - Percussion, Congas, Vocal