
8年ぶりの新作『HARDWIRED... TO SELF-DESTRUCT』が凄い事になっています! 早速、聴かれた方も多いと思いますが、毎度の如く賛否を巻き起こしつつも、近年の風物詩だったサウンド問題もない大ヒット。『BLACK ALBUM』以降の指定席である全米1位は当然として、全世界57ヵ国のチャートで1位。75位でトップ3位以内、105ヵ国でトップ5位と、それこそ『BLACK ALBUM』以来であろうという尋常ではない大旋風になっているのです。2016年と言えばMEGADETHも『DYSTOPIA』で全米3位を成し遂げて「もしかして、遂に追いつくか」とも思われましたが、やはり王者は次元が違った。さすが、さすがの貫禄です。まさに、2016年最後の衝撃作というべき『HARDWIRED... TO SELF-DESTRUCT』。内容に加え、リリースも凝ったものでした。豪華なデラックス・エディションは想定内だとしても、80分以内だというのに2枚組に分けた仕様、前代未聞の全曲プロモビデオの先行公開、発売日までカウントダウンするように連日公開されるライヴ映像……。その中も特大の目玉だったのが、発売日当日のスペシャル・ライヴ「2016年11月18日THE HOUSE OF VANS公演」です。最近は熱心&頻繁にライヴ動画を公開しているMETALLICAですが、その中でもズバ抜けたハイクオリティ&フルショウの猛烈なプロショットだったのです。本作は、そのフルプロショットをプレスDVDに封じ込めたもの。ネット配信では数カ所に微細なノイズもありましたが、それさえもない頂上クオリティの1本なのです。そのクオリティは、もはや問答無用。超ビビッド画質・鉄壁ミックスのサウンドボードは、いちいち「オフィシャル級」と呼ぶのがアホらしくなる。デジタル大全盛の現代は極上クオリティが当たり前になっていますが、ここまでのものはそうそうない。凡百の極上放送(変な表現ですね)と決定的に違うのは、完璧に演出されたカメラワークでしょうか。そもそも現場となった会場からして特殊。巨大な野外フェスでもなければ、放送局のスタジオでもなく、かつて地下鉄としても使われていたトンネルを使用した施設“HOUSE OF VANS”。そこに350人のファンを入れたライヴなのです。そのため、ホーム・パーティのような親密感がたっぷりとありながら、スタジオのようなこぢんまり感とも違う。それこそ核シェルターの中で演奏しているような“異世界ムード”がたっぷりなのです。さらに、その狭い空間にあらん限りの設備を投入し、照明・演出を完璧にコントロール。フェスなどでは、どのバンドでも変わりないような有り体なアングルになりがちですが、本作は完全なMETALLICA仕様。どの曲も熟知を超えて、1拍単位で計算されたかのようなアングルで描かれる。「Fade To Black」や「One」では専用照明が幻想空間を描き出し、「Breadfan」「Battery」では狭い狭い会場に濃縮された熱気がもの凄い。生配信にしてリリース用レベルの完成度。さすが、さすがはモンスター。アイディアとセンスと資金がふんだんにぶち込まれた映像芸術なのです。そして、その異世界空間で繰り広げられるライヴがまた熱い。恐らく、ツアー本編を先取りしたような内容だと思われますが、『KILL EM ALL』から『BLACK ALBUM』までの美味しいところをズラッと並べ、そこに世界を席巻している新曲3曲「Atlas, Rise!」「Moth Into Flame」「Hardwired」を織り交ぜている。全曲公開よりも先だって公開されていた3曲なわけですが、NWOBHMからスラッシュ時代を想起させる曲調は初期5枚のアルバムに混じっても違和感がなく、すでに聴き倒していたであろう観客のノリもクラシックスとなんら変わらない。今回の大成功の核となる“メタル押し”をタップリと味わえるのです(ロンドンだけにレミーに捧げた「Murder One」も期待したのですが、それは後のお楽しみなのでしょう)。そんな新曲「Hardwired」から「Seek & Destroy」へ思いっきり時代を跳んで迎えたクライマックスの後は、最後の見どころ。実は、この日は新作の誕生日なだけでなく、カーク・ハメット54歳のバースデーでもあった。「Seek & Destroy」の残響轟く中、スタッフ総出でカークがパイだらけ。顔を拭う側から次から次へとぶつけられ、会場中がバースデーソングを大合唱。カークはカークで身体からパイを引っぺがしては会場に振る舞う……。鉄壁な演出で怪物を見せつけつつ、いつまでも変わらない“ただのバンド野郎”なMETALLICA。彼らが特別であり続ける両極が濃縮された1本なのです。 特別な日の、特別なショウ。そこで繰り広げられた特別な光景を超・極上プロショットで描ききった1本です。単に極上のフル・プロショットと言うだけでなく、『HARDWIRED... TO SELF-DESTRUCT』誕生の瞬間、リリースの時代を象徴する1枚。まさに、スタジオ・アルバムと並べて置くべき1本です。新作に地球が沸き立つ“今”を満喫する最大・最上の怪物作。
Live at House of Vans, London, UK 18th November 2016 PRO-SHOT
1. Breadfan 2. The Four Horsemen 3. Battery 4. Sad But True 5. Guitar Solo 6. Fade To Black 7. Atlas, Rise! 8. Harvester Of Sorrow 9. Moth Into Flame 10. Bass Solo 11. One 12. Master Of Puppets 13. For Whom The Bell Tolls 14. Enter Sandman 15. Whiskey In The Jar 16. Hardwired 17. Seek & Destroy
18. Happy Birthday Kirk
Dolby 2.0 Stereo 16:9 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 108min.