
来年2月の来日公演が待ちきれない! そんな洋楽ファンに贈る大傑作プロショットがリリース決定です。本作は大全盛期の『FRONTIERS』時代に放送されたテレビ特番。国内の録画マニアが秘蔵していたマスターをダイレクトにDVD化したものです。何よりも強烈なのは、匂い立つ“1983年”の薫りなわけですが、それを伝えるクオリティも凄まじい。コアマニアが当時のハイエンド機材で録画し、(恐らくは)一度も再生していないであろうマスター鮮度が圧倒的。当時のエアチェックですからアナログ感全開でも普通のところなのですが、その鮮やかな映像美はデジタル全盛の今の感覚でも見目麗しい。正直な話、「Who’s Crying Now」にゼロコンマ数秒のノイズが入るために「白線ノイズ1本ない」とは言えないものの、逆を返せばそれ以外に劣化もノイズも一切なし。それこそ、レーザーディスクか?放送局の大元マスターか?という次元。いつの時代も性根の入ったマニアは凄い……改めてまざまざと見せつけられるようなクオリティなのです。その映像美で描かれる“1983年のJOURNEY”がもう最っ高! 「最高」ではなく「最っ高」です。番組は3曲のクリップ「Separate Ways」「Any Way You Want It」「Faithfully」と、6曲+α分のライヴを流しつつ、合間合間にメンバーやスタッフのインタビューが挟み込まれる構成。壁にキーボードを貼り付けた「Separate Ways」のクリップからして猛烈に懐かしく(改めて見ると女優の歩調とビートが完全一致する凝り具合も凄まじい)、大全盛期の貴重なプロショット・ライヴも素晴らしい。そして、それらを繋ぐ番組自体の編集までもが凝りっ凝りなのです。正直なところ、インタビューのコメントは有り体で大したことない(スティーヴ・スミスがなぜかシカゴの観光案内を始める……)のですが、それが音楽と絶妙に組合わされ、得も言われぬ感動まで生み出すのです。特に凄いのは「Faithfully」。直前のインタビューでスタッフやメンバーがツアー生活の孤独や家族へのすれ違いを吐露。ジョナサン・ケインが「女房に3週間会えないこともあるんだ。『なんで電話くれなかったの?』『飛行機の中だったんだ』みたいな調子さ」「やっとホテルで会えた時、僕は歌をプレゼントしたんだ」と語るのですが、そこへ「Faithfully」の感動的なイントロが流れ出す。その歌詞は「流れ者に家族なんてと人は言う」「バンドマンとの恋は失望ばかりだろ」……。本作は日本の番組なので、インタビューにも歌詞にも日本語字幕が付き、その内容がビビッドに胸に突き刺さるのです。しかも! この「Faithfully」のクリップは番組の独自版。日本でのオフステージや日本武道館の設営シーンがフィーチュアされており、そのセンスまでバツグン。曲の盛り上がりに合わせて武道館の八角形の天井に灯が灯り、心震えるギターのオブリと共に新幹線がホームに滑り込む。そこから出てきたメンバーの戯けた姿に乗るのは、「笑顔をつくる道化師だって必要さ」の歌声……。恐らく、長い歴史でもこの番組のこの瞬間にしか世に出ていない光景なのでしょうが、あまりにもあまりにも感動的な仕上がり。当時の名もない放送局スタッフの想いが時代を超えて蘇るのです。また、本作は感動だけでなく微笑みもくれる。当時のテレビCMもノーカットで収録しているのですが、これがもうむせ返るような“1983年”臭。「チョメチョメ」のあの人が蚊取りマットを宣伝するわ、『キイハンター』のおしどり夫婦がカレーを食ってるわ、「お、彫刻の森!?」と思わせといて実は『夕刊○ジ』のCMだわ……。極めつけは、ジャッキー・チェンの映画『蛇拳』のCM。拳法アクションを「スリルとスピード」とナレーションが被るものの、その遅いこと遅いこと。激しく加速化していった後のアクションを知る今では、もう戦っているように見えない。まるでリオ五輪と「体操ニッポン」時代の記録映像を見比べるかのよう。この猛烈な時代感と生活臭。若々しいJOURNEYの姿と、当時の自分の生活が繋ぐCMたちなのです。もちろん、そんなCMも編集も小ネタに過ぎない。本道のJOURNEYの音楽こそが素晴らしく、特に6曲+αのライヴショットは極上の上に貴重。「1978年シカゴ」「1981年の厚生年金会館」「1982年オークランド」の3つの映像からチョイスされており、いずれも公式DVD『GREATEST HITS 1978-1997』でも見られないものばかりです(ここでちょっと余談を挟ませてください。特に1978年シカゴの「Blues Session」は畑違い感覚でも衝撃。ニール・ショーンがブルースマンと共演するのですが、そのラインナップが凄い。ロック共演の多いアルバート・キングはさておき、後期マディ・バンドのジェリー・ポートノイ&パイントップ・パーキンスという渋い布陣。それをバックにギターをかきむしるのは、なんとルーサー・アリスン! 1978年のルーサーと言えば、欧州へ活路を見出す直前。録音はおろか、クラブ出演さえもままならない大逆境時代のルーサーがプロショットで観られようとは……。あまりピンと来ない方も多いとは思いますが、実はこれも凄いお宝なのです)。そんなブルースマンはあくまで余談。本作は徹底的にJOURNEY。大全盛期の彼らの姿、それを迎え入れていた日本の空気が吹き出す1枚です。日本人だからこそ、面白くて、嬉しくて、胸に迫る。本作がなければ、二度と日の目を見る事はなかったであろう日本番組の大傑作。彼らの来訪まで、あと少し。『ESCAPE』『FRONTIERS』の完全再現まで、あと少し。紅白よりもJOURNEYが気になって仕方がないあなたへ。
Broadcast in Japan 1983 (52:22)
1. Introduction 2. CM 3. Separate Ways (Promo Clip) 4. Interview (Neil Schon) 5. Don't Stop Believin' (Koseinenkin Kaikan, Tokyo 31st July 1981) 6. Open Arms (Day On The Green, Oakland 26th June 1982) ★対訳付き 7. CM 8. Interview (Steve Perry) 9. Any Way You Want It (Promo Clip)
10. Interview (Neil Schon) 11. Blues Session with Neal Schon, Albert King, Luther Allison, Jerry Portnoy, Gregg Rolie, Pinetop Perkins (Chicago 1978) 12. Soundcheck / Interview (John Griswold (guitar tech.), Kevin Elson (Sound Engineer) & Steve Smith) (Budokan 1st March 1983)
13. Lights (Koseinenkin Kaikan, Tokyo 31st July 1981) ★対訳付き 独自編集 14. Interview (Kenny Mednick (Lightning Design), Ross Vallory, Jonathan Cain) 15. Faithfully (Promo Clip, Stage set up at Budokan 1983, Off stage) ★対訳付き 独自編集
16. CM 17. Lovin', Touchin', Squeezin' (Koseinenkin Kaikan, Tokyo 31st July 1981) 18. Interview (Neil Schon) 19. Who's Crying Now (Day On The Green, Oakland 26th June 1982) 20. Interview (Jonathan Cain) 21. Separate Ways (Day On The Green, Oakland 26th June 1982)
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.52min.