
QUEEN史上最大の問題作が最高峰クオリティで復刻です。“最大の問題作”の正体とは、オフィシャル映像『LIVE IN RIO』。世紀の一大イベント、第1回ROCK IN RIOに出演した際のマルチカメラ・プロショットです。現在、ロック界において南米は巨大な市場となっていますが、“ROCK IN RIO”はその端緒であり、幕開けを世界に宣言するもの。1月11日(金曜)から1月20日(日曜)までの10日間で実施され、合計1,400万人もの大群衆を集った歴史的な超巨大イベントでした。QUEENが出演したのは、その中でも初日「1月11日」と8日目「1月18日」のヘッドライナー。現場には25万人とも50万人とも言われる大群衆が集っただけでなく、テレビ放送もされ、全世界2億人が目撃した歴史的な夜でした。その映像は当時ソフトとしてリリースされつつ、さまざまな曰わくが付いて語られてきた伝説の1本。これまでもさまざまなカタチでアンオフィシャルな復刻が行われてきましたが、本作はコア・マニアが秘蔵していたミント・クオリティの日本盤レーザーディスクから精緻にデジタル化。史上最高峰の映像美・サウンドでここに復刻いたしました。では、なぜ『LIVE IN RIO』は問題作なのか。それには様々な理由が挙げられますが、まず第一はクオリティ。90年代でも“南米クオリティ”と言うとあまり良い印象がありませんが、この1985年ではさらに稚拙。欧米にとっても経験がないような巨大スケールの上にロック未開の南米ですから、その技術はお世辞にも極上とは言えない。同時代の他映像と比べても、暗めの照明、甘い画質、荒っぽいミックス、見どころを外してしまうカメラワーク……当時、多くのバンドが撮影しながらほとんど公式リリースしなかったのも頷ける未熟さ。それでもなお、リリースを敢行した辺りにQUEENの大物ぶりもうかがえますが、ファン達も「これでオフィシャル?」「ロジャーのドラムキットがしょっぱい」等々、さんざんな評判。現在となっては単品再発は望めまい……そんなクオリティなのです。褒めてるのか貶しているのか分からなくなってきましたが、本作がダメ作品なのか?というと、さにあらず。他の公式作品に比べると甘いクオリティも、ブートレッグ基準で見れば特級ですし、日本盤レーザーディスクから起こされた映像美・サウンドクオリティは最高峰に違いない。しかも、そのクオリティで描かれる”南米の現実”もまた唯一無二。何よりも凄いのはスケール。現場には集った数十万人の群れの凄まじさ。そして、その大群衆を自在に操るフレディの勇姿は、他のいかなる公式映像とも違う超巨大なスペクタクルなのです。その熱演は、単なる巨大フェスに臨む気概だけではありません。何しろ、当時のQUEENは崖っぷち。バンド内の人間関係にヒビが入り、ソロ活動も活発になっていたわけですが、さらに決定的なのが悪名高きアパルトヘイトでの南アフリカ公演。メンバー達に政治的な意識は薄かったわけですが、世界中から猛バッシングを受け、国連のブラックリストにさえ載ってしまう事態。本作の“ROCK IN RIO”はその直後にあたり、汚名返上の大チャンスだったのです。なにしろ、当時ブラジルは日本と並ぶ親QUEEN国で、「I Want To Break Free」が圧政に苦しむ人々の間で大ヒット。自由への想いを代弁してくるQUEENが大熱狂と共に歓待され、一気に挽回しようという気迫のパフォーマンスなのです。ここで「南米と言えば、ブーイング事件でしょ?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。実は、その「I Want To Break Free」にも曰わくがありまして、初日「1月11日」には、フレディがプロモクリップ同様に女装。意気揚々と登場するのですが、この曲を“開放のテーマソング”として愛していた人々はその演出に侮辱されたと感じ、ステージに物を投げ込み、大ブーイングが巻き起こる。汚名挽回を図るはずが、更なる窮地に立たされた……と歴史に刻まれているのです。しかし、本作にそんな暗い影は見えません。その原因は、本作の構成にある。おおよそは問題の初日「1月11日」を使用していますが、「Now I'm Here」「Love Of My Life」「I Want To Break Free」の3曲はフェス8日目「1月18日」の映像が使われている。ここでの「I Want To Break Free」では女装もなく、ストイックでダンディなフレディが熱唱する。つまり、本作は“やらかした”と言われるシーン抜きに、汚名返上の気迫だけをたっぷりと味わえる作品になっているのです(問題のシーンは別DVDでお楽しみ頂けます)。 QUEENだけでなく、世界のポピュラー音楽にとって大きな転換点となった“第1回ROCK IN RIO”。その現場で一際輝いていたQUEEN。その“輝き”に焦点を絞りきった1本です。いかに“南米クオリティ”とは言え、ブートレッグ基準ではあり得ない映像美で超・巨大なスケール、熱演を最高峰クオリティで蘇らせた決定版。
Rock In Rio Festival, Rio de Janeiro, Brazil 11th & 18th January 1985
1. Machines Intro * 2. Tie Your Mother Down * 3. Seven Seas Of Rhye * 4. Keep Yourself Alive * 5. Liar * 6. It's A Hard Life * 7. Now I'm Here ** 8. Is This The World We Created...? * 9. Love Of My Life ** 10. Brighton Rock *
11. Hammer To Fall * 12. Bohemian Rhapsody * 13. Radio Ga Ga * 14. I Want To Break Free ** 15. We Will Rock You * 16. We Are The Champions * 17. God Save The Queen *
* 11th January ** 18th January
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.59min.