
1990年に実現した伝説の初来日。その現場を記録した極上映像が登場です。ショックロックの帝王、アリス・クーパーが日本を訪れたのは長い歴史でもわずか3回。本作は、そのうち「1990年8月27日:大阪厚生年金会館」公演のオーディエンス・ショットです。良い機会ですので、帝王のライヴ・イン・ジャパンをトータルで俯瞰しておきましょう。
●1990年・8月18日:大宮ソニックシティ・8月20日/22日/23日:NHKホール(3公演)・8月27日:大阪厚生年金会館 【本作】・8月28日:大阪厚生年金会館・8月30日:瀬戸市文化センター●2008年・3月25日:新木場STUDIO COAST・3月27日:大阪IMPホール●2017年・10月14日:LOUDPARK 17
以上、3度の来日で全10公演。帝王の威光に似つかわしくない寂しい状況で、特に昨年の“LOUDPARK 17”や2008年は“ツアー”と呼べるほどの公演数もなく、奇跡に喜びつつも「なぜ、今アリスが!?」の驚きも隠せなかった。しかし、初来日は違った。久々の巨大ヒット『TRASH』に地球が丸ごと湧き、その余波をかってのジャパン・ツアー。つまり本作は、唯一アリスの本領が全開となった日本映像なのです。そんな貴重極まる本作は、クオリティも素晴らしい。オープニングから記録映像風の大阪城シーンでムードが高まりますが、ショウ本編も絶品。ステージ右寄りのスタンド席から最前の手すりを三脚代わりに撮影しており、遮蔽物ゼロの視界とバツグンの安定感でショウ全編を押さえきる。しかも、果敢なズームが最高。引くとムーディなステージ全景を捉えつつ、思いっきりアップになるとアリスの上半身が画面を占領。その激しい落差が曲のビート、決めにシンクロし、ショウをダイナミックに盛り上げていくようなカメラワーク。1台のオーディエンス・ショットなのに、まるでマルチカメラのような見応えなのです。 ここまでお読みになった方はピンと来られるかも知れません。そう、本作は傑作連発の“90年代初期の大阪”シリーズの1つ。MOTLEY CRUEの大傑作プレスDVD『OSAKA 1990』を筆頭に、AEROSMITH、BON JOVI、GREAT WHITE、JUDAS PRIEST、MEGADETH等々……。最近ではDAMN YANKEESのギフトDVDRも大好評を博しましたが、あの傑作ショットでアリス伝説の初来日も記録されていたわけです。そのアクティヴ・ショットで描かれるのは、全世界を巻き込んでいたアリス・ショウ。セットはズバリ「黄金の70年代ヒット+TRASH」。70年代の大代表曲群がカッコイイのは当然として、7曲にも及ぶ『TRASH』ナンバーも素晴らしい。当時はデズモンド・チャイルドを起用したポップ化に“親父版BON JOVI”とも揶揄されましたが、ステージではアリスの毒気が増量。健全なBON JOVIとはまるで違うワイルドなナンバーに生まれ変わっています。特に嬉しいのが名バラード「Only My Heart Talkin’」。「I’m Your Gun」「Spark In The Dark」「This Maniac's In Love With You」といった曲もこのツアーだけのレアソングなのですが、「Only My Heart Talkin’」は公式映像『TRASHES THE WORLD』でもエンドクレジットに流されるだけ。本作ではちゃんとライヴで演奏されるのです。そして、それを演じるのは薄メイクの王道ロックヒーロー然としたアリス。バック陣にはASIAやMEGADETH、SABATAGEで飛躍する以前のアル・ピトレリとTHE ALMIGHTYに参加することになるピート・フリージンがツインを務め、キーボードにはDREAM THEATERで名を成す若き日のデレク・シェリニアンもいる。アルバム『TRASH』では豪華なスター達が参加していましたが、“ロックスター学校”と呼ばれたツアー・バンドには未来のヒーロー達が顔を並べているのです。ロックの王道を体現したステージが動き出し、ホラーショウが真価を発揮するのは中盤の「Steven」から。『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガーも登場する「Welcome To My Nightmare」、拘束着で悶え歌う「Ballad Of Dwight Fry」、ギャングの首をかっ切る「Gutter Cat Vs. The Jets」と畳みかけ、トドメはもちろん「I Love The Dead」の断頭台! もちろん、初めて目撃する観客たちの熱狂も凄い。実のところ、「Spark In The Dark」でもセクシーな女性キャストが登場したり、アリスが客席に降りて観客を扇子で扇いだりするのですが、他のバンドなら最大の見どころになる演出もアリス基準ではいちいち語っていられないくらい盛りだくさん。通常スタイルでも十分すぎるほど名曲が揃い、アクションも見栄が効きまくっている(スティックさばきが異様にカッコイイ!)のに、それで終わらせないロッキン・ホラー・ミュージカルでたっぷりと魅せてくれるのです。よく「見どころを押さえる」と書きますが、アリスほど“見どころ”がハッキリしていて、その連続なショウはなかなかない。それを文字通りに「押さえきった」アクティヴ・ショットの大傑作です。現在でこそ、世界中のコンサート映像が手軽に見られますし、映像作品も充実しています。しかし、1990年当時は、こうしたショウも伝え聞くだけでした。その光景を叩きつけた初来日。その伝説の現場のただ中に立ち、極上クオリティで本生100%体験できるヒストリカルな1本。
Live at Koseinenkin Kaikan, Osaka, Japan 27th August 1990 AMAZING SHOT (101:20)
1. Pre-Show 2. Intro. 3. Trash 4. Billion Dollar Babies 5. I'm Eighteen 6. I'm Your Gun 7. Desperado 8. House Of Fire 9. No More Mr. Nice Guy 10. This Maniac's In Love With You 11. Steven 12. Welcome To My Nightmare 13. Ballad Of Dwight Fry 14. Gutter Cat Vs. The Jets
15. I Love The Dead 16. Guitar Solo 17. Poison 18. Spark In The Dark 19. Only My Heart Talkin' 20. Drums Solo 21. Bed Of Nails 22. School's Out 23. Under My Wheels
Alice Cooper - Vocals Al Pitrelli - Guitar Pete Friesen - Guitar Derek Sherinian – Keyboards Tommy Caradonna - Bass Jonathan Mover - Drums Devon Meade - Backing Vocals
COLOUR NTSC Approx.101min.