
今を去ること30年前に、我が世の春を謳歌していたサミー・ヘイガー&VAN HALEN。その極上映像がリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1988年10月18日ウースター公演」。“OU812 TOUR 1988-1989”の一幕です。このツアーは“MONSTERS OF ROCK TOUR 1988”や10年ぶりとなる来日公演でも思い出深いところ。まずは、そうした活動概要からショウのポジションを確認してみましょう。
【1988年】 《5月24日『OU812』発売》・5月27日-7月30日:北米#1(28公演)・9月30日-11月28日:北米#2(38公演) 【1989年】・1月19日-2月2日:日本(9公演)・2月4日+5日:ハワイ(2公演)
これが『OU812』にまつわるツアーの全体像。「北米#1」が“MONSTERS OF ROCK TOUR 1988”であり、「北米#2」以降が正式なアルバムツアー。本作のウースター公演は、その「北米#2」13公演目にあたるコンサートです。そんなショウを記録した本作は極めて、極めて素晴らしいオーディエンス・ショット。ステージ左側(エディ側)スタンド席からの見下ろしショットなのですが、最前列だったのか前方席の影が一切入ってこない。モニター全部をステージが占領しきる特等席視野なのです。そして、それ以上に衝撃なのがマスター鮮度。近年になって発掘された大元の8ミリビデオ・マスターからダイレクトにデジタル化されており、圧倒的な映像美。白線ノイズ皆無とは言えないものの、それは皆無ではないというだけ。2時間10分の中でゼロコンマ以下の瞬間ノイズが1本?2本?といったレベル。それこそ、つい昨日撮影したような艶やかで美しい画面です。さらに加えて、その画質に相応しいサウンドも絶品。特に別音声を被せているわけでもないものの、「確かに別録音は必要ないな」と思わせるほどにクリア。大全盛期の熱狂も吸い込んだタイプではりますが、それが観客の姿ゼロの画面に臨場感を与えてさえくれる。もちろん肝心の演奏音や歌声は、そんな熱狂を制圧するほどに逞しく、真っ直ぐクリアに届くのです。そして、そんな大元マスターが描き出すカメラワークも圧倒的。実はそこそこ距離があるハズなのですが、果敢なズームが攻める攻める。思いっきり走り回るエディやサミーが画面いっぱいになるほどズームで迫り、エディのGパンのシワやサミーの叫ぶ口元までハッキリ。頻繁に寄り添ってはシンクロ・ステップを披露しますが、その「仲睦まじい」と言いたくなるほどのコンビネーションをアップで押さえきっているのです。今となっては考えられないほどの蜜月ぶりで演じられるのが、サミー時代前期の煌びやかなショウ。サミー時代も作品毎にさまざまな表情を見せてくれたものですが、その前期『5150』『OU812』はハードポップとさえ言える親しみやすい名曲の宝庫。その美しいメロディが快活なビートに乗って濃縮還元されるのです。そして、何と言っても完全収録。このツアーと言えば、日本公演プロショット『TOKYO DOME 1989 1ST NIGHT』が象徴的ですが、そちらは放送枠に沿った抜粋映像。それに対し、本作は一気貫通のフル撮影であり、プロショットでは観られない「Runnin' With The Devil」「Finish What Ya Started」「Ain't Talkin' 'Bout Love」「Cabo Wabo」「Rock And Roll」もたっぷりと見られるのです。特に初期の代表曲「Runnin' With The Devil」は『LIVE WITHOUT A NET』『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』でも観られない美味しい1曲です。ヒットに恵まれ、人間関係も蜜月の極地だった『OU812』時代のVAN HALEN。活動だけでなく、音楽もパフォーマンスもすべてが光り輝いていたフルショウを本生100%体験できる映像作品です。あの爽やかな時代を忘れられない方に、ぜひとも触れていただきたい極上の1枚。
Live at Centrum, Worcester, MA. USA 18th October 1988 AMAZING SHOT!!!
Disc 1(62:59)
1. A.F.U. (Naturally Wired) 2. There's Only One Way To Rock 3. Summer Nights 4. Panama 5. Bass Solo 6. Runnin' With The Devil 7. Why Can't This Be Love 8. Mine All Mine 9. Drum Solo 10. You Really Got Me 11. Finish What Ya Started 12. 5150
Disc 2(67:15)
1. When It's Love 2. Eagles Fly 3. I Can't Drive 55 4. Best Of Both Worlds 5. Guitar Solo 6. Black And Blue 7. Ain't Talkin' 'Bout Love 8. Cabo Wabo 9. Rock And Roll
Sammy Hagar - Vocals, Guitar Eddie Van Halen - Guitar Michael Anthony - Bass Alex Van Halen - Drums
COLOUR NTSC Approx.130min.