
新たなる怪物として気を吐いていた1989年のGUNS N' ROSES。彼らがオープニング・アクトを務めた最後の夜を収めた極上映像がリリース決定です。ガンズと言えどもデビュー時代はさまざまなバンドの前座を務めていました。THE CULT、MOTLEY CRUE、アリス・クーパー、IRON MAIDEN、AEROSMITH……。しかし、『APPETITE FOR DESTRUCTION』の空前の成功と共にヘッドライナーに昇格。以降、ロックの怪物としてシーンに君臨していくのです。そんな彼らが最後にオープニングを務めたのは1989年秋のこと。“STEEL WHEELS TOUR”で復活したTHE ROLLING STONESのロサンゼルス4公演でした。本作に収められているのは、その最終夜「1989年10月22日:LAコロシアム公演」です。この映像は古くから知られていましたが、本作はそのコピーではありません。最近になって発掘されたロウジェネ・マスターを使用し、海外マニアが丁寧に仕上げたもの。歴史的な夜を過去最高峰クオリティで伝えてくれる逸品なのです。実際、本作の美しさは絶品。ステージ左側のスタンド席から撮影されたアングルは既発と同じですが、ノイズや経年劣化のほとんどない鮮度はまるで別物。デジタル加工の不自然さがまるでないのに鮮やかな発色は、まさしく当時の光景がそっくり甦るようです。そんな光景とは逆に、最新デジタルの威力をまざまざと見せつけるのが音声。本作には3種の音声が切り替えられるようになっており、録音しっぱなしのオリジナル音声、最新マスタリングによる音声、さらに5.1chサラウンド化された音声が選択できる。もちろん、無闇やたらな迫力押しではなく、原音の鳴りを活かした美しさ。制作したマニアのセンスがギラリと光る見事な仕上がりなのです。そのクオリティで描かれるショウこそが素晴らしい。前年までに初来日を含む“APPETITE FOR DESTRUCTION WORLD TOUR”を終えているものの、ラインナップは“あの5人”。世界をひっくり返したバンド・ポテンシャルはそのままに、実際に世界中を巡った自信と大物感を身にまとっている。しかも、ワールドツアー中ではないLA4公演だけの特別日程だけに流し感ゼロですし、前座ゆえの短い持ち時間だけに全力疾走が途切れない。さらに加えるなら、サポート主が復活を遂げた生ける伝説ストーンズ。アクセルは「Knockin 'Heaven's Door」で「カモン! 世界一偉大なロックンロールバンドのために熱くなろうぜ、THE ROLLING STONES!!」と叫びますが、その言葉に象徴されるリスペクトの気迫が全編でブチかまされる。まさに、すべての条件が見事に揃い、名演になるべくしてなった大熱演なのです。それだけでも胸アツですが、本作だけの面白い趣向が「Move To The City」。ここではダブの兄弟マットをフィーチュアしたSUICIDE HORNS SECTIONが登場。後の“USE YOUR ILLUSION TOUR”を思い起こさせるようなホーン入りのゴージャスなアンサンブルが観られる。さらに映像ならではなのが「Rocket Queen」。途中でアクセルがダフからベースを奪ってスラッシュとジャムに突入。その間、ベースを奪われた(?)ダフは所在なげにスティーヴンのドラム・キットをコンコンと叩き始めるのです。しばらくベースを惹きながらステージを練り歩いていたアクセルは、ダフにベースを返したと思ったら今度はダフの代わりにドラムを叩き始める……。LA4公演のお約束だったのか、この日だけの気紛れだったのかは分かりませんが、このシーンは音声だけのライヴアルバムでは決して分からない。映像の現場体験だからこそ面白さです。歴史を変えた“あの5人”のショウが極上クオリティで観られるお宝映像。それだけでもお腹いっぱいですが、さらに先達に負けまいとする気迫、特別ゲスト、さらには微笑ましい遊びまでもがたっぷりとまぶされた傑作です。ストーンズの“NO FILTER TOUR”が世界を沸かし、アクセル/スラッシュ/ダフの3人が“NOT IN THIS LIFETIME... TOUR”を再開させた2018年だからこそ、一層感慨深い1枚。
Los Angeles Coliseum, Los Angeles, California, USA 22nd Octoober 1989
1. It's So Easy 2. Mr. Brownstone 3. Axl Speech 4. Out Ta Get Me 5. Welcome To The Jungle 6. Move To The City feat. Suicide Horns Section 7. I Was Only Joking [Intro] / Patience 8. My Michelle 9. Band Introductions 10. Slash Speech & Guitar Solo
11. Rocket Queen (incl. Jam) 12, Only Women Bleed [Intro] 13. Knockin' On Heaven's Door 14. Paradise City
W. Axl Rose - Vocal Slash - Guitar Izzy Stradlin - Guitar Duff McKagan - Bass Steven Adler - Drums
COLOUR NTSC Approx.71min.