ドキュメンタリー・フィルム『GET BACK』の日本盤レーザーディスク・エディションがリリース決定です。2002年にはDVD化され、2012年にはブルーレイともなっているお馴染みの映画。「なんで今さら?」と不思議に思われるかも知れませんが、当時のVHS/レーザーディスクには、こうした公式デジタル化ではすっぽり抜け落ちている映像も収録されていたのです。その映像とは、ボーナス収録されていた15分に及ぶインタビュー。本作は、その貴重なインタビューも含め、日本盤レーザーディスクを丸ごと史上最高峰クオリティで復刻いたしました。本作の大元となっているのは、当時、世界最高品質と謳われた日本盤レーザーディスク。それもコア・マニアが秘蔵していたミント・クオリティ盤を厳選使用し、海外のアナログ専門メーカーによって精緻にデジタル化しました。その映像美はレーザーディスクが内包していた情報量を最大限に引き出したもの。さすがに映像のクリアさではオフィシャルBDには及びませんが、アナログ的な暖かい質感は当時の想い出が鮮やかに蘇る。初めて見たあの映像そのものなのです。しかし、そうは言っても公式より甘い映像だけでは復刻はしません。最大の見どころは、ボーナス収録されたインタビューシーンです。ポール本人はもちろんのこと、リチャード・レスター監督、当時のバンドメンバー、そしてリンダも登場して作品に込めた想いを語る。監督は映画に込めたメッセージや意図を明かし、ポールは暖かいファン達への想いを語り、バンドメンバーはそんなポールへの敬意を表す。ショウの翌日にファンの看護婦を撮影するために病院やボディビルのジムへ行ったエピソード、戦争フィルムを交える事への意味などなど。ポールは「この間も僕らの大切な地球上で湾岸戦争がぼっ発してしまった」と語りますが、まさに当時だからこそのコメントが次々と出てくるのです。さらに話はビートルズ時代にも及ぶ。25年ぶりに組んだレスター監督と制作した映画の想い出やスタジアム・コンサート、ギターや音楽自体への想い。エピソードとしてはファンにはお馴染みの話が多いものの、60年代を噛みしめるように語るポールの肉声と悪戯っぽい表情はそれだけで心くすぐられる。当時、VHSやレーザーディスクでご覧になった方には、テレビにかじりついた想い出も蘇るのではないでしょうか。そんなインタビューの後には、最後のお楽しみ映像。宣伝用スポットのメイキング・シーンがまた楽しい。「ポールです。最新作“Get Back”をよろしく!」やバンド全員で「映画だ! コンサートよ! 最高さ! 見てね!」と何バージョンも繰り返すのですが、これがなかなか決まらない。思わず吹き出したり、噛んだり、「クスクス笑うなよ」「さあさあ、みんなも“Get Back(帰れ)”だ」「僕のセリフ? そうよ、遅いわよ」「よし今度こそ」……。ついぞさっきまで饒舌にインタビューをこなしていたのに、簡単なセリフに苦闘するポールに思わず微笑んでしまうNG集なのです。映画自体の公式復刻が済んでいるだけに、この15分のボーナス映像は二度と復活することはないでしょう。アナログ時代の懐かしい映像美だけでなく、インタビューが感慨深く、NGシーンも楽しい1枚。当時、映画に心ときめかせた方にこそご覧頂きたい逸品。
Taken from the original Japanese Lasr Disc
1. Band On The Run 2. Got To Get You Into My Life 3. Rough Ride 4. The Long And Winding Road 5. The Fool On The Hill 6. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 7. Good Day Sunshine 8. I Saw Her Standing There 9. Put It There 10. Eleanor Rigby 11. Back In The U.S.S.R.
12. This One 13. Can't Buy Me Love 14. Coming Up 15. Let It Be 16. Live And Let Die 17. Hey Jude 18. Yesterday 19. Get Back 20. Golden Slumbers/Carry That Weight/The End 21. Birthday (End Credits)
Bonus Tracks 22. Get Back 23. Interviews 24. Messages (Spot Making)
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.104min.